東京都台東区日本堤１−９−２

初回訪問日

03-3872-4886

営業時間

　21世紀の東京デビューはB食クラバーKと同行となった。
久しぶりに東京に出掛けるKは、ズイブンと前から、イロンナ旅行雑誌や情報誌等を
開いては、こんなトコロに行きたい、あんなモノを食べたい、だの考えをめぐらせていた
ようだが、それらは生来の無計画さ、並びに数種のアクシデントにより、ホトンドが実行に
移されるコトは無かった。運良く行くコトが出来たのが、土手の伊勢屋と言うワケだ。

　雑誌に載っていた写真が我々の目を釘付けにしたのだが、存在自体は以前から知って
いた。食べてはみたいがコノ値段じゃぁな、と２の足を踏んでいたのだ。しかし時は21世紀。
旅の恥はかきすて（？）。15cmのどんぶりから、更に左右に5cmはハミ出した穴子の天ぷら
が我々の心を捉えて離さない。今年の東京は伊勢屋から。コレが美味しければ、
今回の滞在も楽しく過ごすコトが出来そうだ。

　Ｂ食倶楽部東京支部葛西出張所ＭＴと共に3人で行くコトとなった。東京在住者である
ＭＴの後を自然と付いていく形になったのだが、そう言えばＭＴはイマイチ方向音痴だった
よな、とマイナスの感情が胸をよぎる。このまま後を付いていって大丈夫なのだろうか？
って言うか、胸をよぎらざるを得ない風景が、目の前に展開していた。

　さすが下町だけあって、道路が狭い。今時秋田でも無い位の歩道の狭さで、人が一人
通るのがやっとだ。誰かとすれ違う時は、体を斜めにしなくてはいけない。女性ならば
一度立ち止まった方が賢明だろう。更にコノ日は朝から雨が降り続き、情報誌に記載されて
いた徒歩15分と言う道のりも、我々の気分をかなりブルーにさせた。

　ついでに言うと、日本堤と言う地名も今回初めて知った。最初は日本橋の間違いだと
思っていた。人は誰も通っていないし。ホントにコノ方向で良いのだろうか？3人が3人とも
言いしれぬ不安感を胸に抱いていたが、誰も口にするモノはいなかった。

　と、突然目の前に人だかりが！はやる心を抑え、平静を装い近づいてみると、ヤハリそこ
が目的地であった。雨の降る中、10人程の先客がいた。我々もその後ろに並んだ。
時間は12:40。

　・・・恐ろしいコトだが、ココから店内に入るまで約１時間かかった。まるでSTAR TOURS
並の待ち時間である。同じ位楽しめるだろうか？STAR TOURSとは違い、途中途中に
楽しみは無い。すごいコトに気付く。人通りの少ないコノ道路を歩く人は全てコノ店で
立ち止まるのだ！まるでココから先の道は無いかのように。日本堤の行き止まり、
それが土手の伊勢屋なのだろうか？

　昼の営業が2:00迄と書いていたのが気になる。先に店内に入った人にもナカナカ天丼が
出て来ていないようだ。他の人のコトを気にする余裕は無いのだが、後ろには20人位並ん
でいる。全員食べるコトが出来るのだろうか？

　遂に店内に突入。迷わずに天丼・ハを頼む。ＭＴは穴子天丼にを頼んだ。ココからまた
モノスゴク時間が掛かるのかと覚悟していたが、10分位で運ばれてきた。外の混雑は何？
味噌汁は別で注文だ。コレが\190。味噌汁くらいつけてくれよ！と思わずにいられない。
とうふ汁となめこ汁の２種類あり、とうふ汁を頼んだ。しかし出てきた味噌汁には、
とうふとなめこが半々位のバランスで入っていた。とうふ汁となめこ汁の差が解らない。

　期待通りに丼からハミ出た天丼の到着。天丼の中身は、丼からハミ出た穴子、海老×２
れんこん、ししとう、更にかき揚げだった。アマリの天ぷらの多さに、ナカナカご飯にたどり
着かない。ウレシイ悲鳴を上げながら、空きっ腹に天丼が流し込まれていった。穴子丼の
方は、海老×２とかき揚げの替わりに穴子天がもう一個入っていた。ゴマ油でカラッと
揚げた天ぷらが美味しい。

　しかし、途中でピタっと箸が止まる。単純なコトだが、アマリに量が多いので食べきれない
のだ。外が混雑しているワケが分かった。皆、食べるのに時間が掛かっているのだ。
最初はオイシイと思っていたのだが、途中からは一人我慢大会（byMT）。自分の限界と
戦いながらも何とか完食し、箸を置いた我々には、コレが今回の東京滞在のヘビーさを
暗示しているとは、まだ知る由がなかった。

　ちなみに、何故店名が土手なのか気になっていたのだが、コノ店の面している道路が
土手通りと判明。何事も解れば簡単なコトだ。ヒョットしたら昔コノ辺は川だったのだろうか？
そんな面影は微塵もないが。

　この金額と、創業110年と言う看板は、B食倶楽部の前には高すぎたようだ。

天丼・ハ

\2,300

穴子天丼　　\2,300