店  名
 手打ち蕎麦 石碾屋
食べた日
2005/11/07

住  所
 秋田県由利本荘市給人町20-8
営業時間
11:00〜14:30

電話番号
 0184-22-5058
定休日
 

店外観
あいもり
そばがき
前  説

 ソバが食べたい!しばらく前から連続して、心の奥底より沸き上がってくるコノ情熱を、B食クラバーは押しとどめるコトが出来ない。理由など解らない。毎度毎度の食事時、メニューに選択肢が発生した場合、優先順位のトップに、常に蕎麦が存在し続ける。

 生まれてからの人生で、コンナにも蕎麦を欲し続けている自分と言うモノに遭遇したコトがない。そもそもソンナに蕎麦が好きなのかと聞かれても、ハイそうです、とは言い切れない。コレがカレーとかラーメンとか焼きそばならば、自信を持って力強く、宇宙旅行に持って行きたいぐらい好きです!と発言できるのだが。

 宇宙旅行と言えば、1人当たり20億円の旅費で連れてってやるスキーと、ロシア航空宇宙局が発表していた様な気がする。しかしそれは、1等前後賞合わせて3億円が当たるジャンボ宝くじを7回当て続けないと入手するコトが不可能な程の金額。アマリにも高いそのハードルに、宝くじを一生の内に1回当てるとして、7回生まれ変わらなければ無理だなとか思ったりもする。

 が、そもそも一生に1度ジャンボ宝くじが当たる、何て言う設定に無理があるし、それが7回も連続するなんて、どんなに全能な神様や悪魔がいたトコロで、到底達成できるハズのモノでもない。

 宇宙旅行なんて夢のまた夢の、その遙か向こうにあるよなぁと思っていた昨今、プロ野球球団を買おうとしては後から来た人に奪われ、放送局を手に入れようとしたトコロ反対勢力の激しい抵抗にあい、某劇場型政治を標榜する人物の、選挙の目玉として最大のライバルのお膝元で立候補するも惨敗と、目立ったコトをすると連敗続きの人物が経営する生扉とか言う会社で、何とも破格の4億円で宇宙旅行ツアーが出来るらしいと聞きつけ、ググッと夢が現実に近づいた様に感じられる。

 実にその金額、ロシア航空宇宙局が提唱するモノの5分の1。コノ価格が一体どう言う経緯で設定されたモノなのかが気になるスキー。ロシア航空宇宙局が取りすぎなのか、それともサービスに差があるのか。ウチは中身で勝負だスキーとか、ロシア人もノンビリしていられないかと思うがソノ前に、ヤッパリ生扉のやるコトは失敗するだろうから安心だスキーとも思っているかもしれない。

 宇宙旅行に持って行きたい食べ物が何なのか、コノ機会に今一度、考え直してみるのも良いかもしれない。他の候補であるカレー、ラーメン、焼きそばについては、選出するに際しての材料的なモノを持っているのだが、蕎麦に関してはソコまでのモノを持っていない。公正を期するためにも、ここらで蕎麦に対する情報を集めておく必要がある。

 宇宙旅行へ出掛けるための第一歩。そのためにも蕎麦の調査が必要なのだと、そんなコトを自分に言い聞かせて、しばらくはソバを食べ続けるであろう自分への、理由付けとしたい。


Comment

 ソバを食べたい!と言うB食クラバーの気持ちを打ち明けられて、内心は困っていたのかもしれない謎のRさんだが、蕎麦好きの友達がどうやらいたらしく、その人から、秋田県内に存在する美味しいお蕎麦屋さん情報をゲット、B食クラバーへと教えてくれた。素晴らしき友情の輪。こうして人と人との触れ合いは、少しずつ少しずつ広く、大きくなっていくのだと実感する。友達の友達は皆友達だから、きっとソレは世界中に広がるさ!広げようぜ!と、毎日のお昼休みタイムに、黒メガネの男が唱える言葉が、自然と耳に蘇る。

 その情報よる秋田県内のソバ屋分布は、各地に広がっていた。コレはドコカのソバ屋に行こう!と思って行動するのではなく、他の用事も含めて行った先で、ソバ屋にも寄ってみると言う方が自然な流れに違いない。そして今回、秋田県南方面へと出掛ける用事が出来たため、リスト中の1軒、石碾屋へと行ってみるコトにした。

 朝まで、当日の天気予報は雨となっていた。雨が降ると出掛けるのがおっくうだなぁと思っており、朝から空模様を気にしていた。そんな心配をするのも納得な空で、短時間の間に晴れと曇りと雨が、まるで競争をするかの様に入れ替わっていた。コレに北風でも吹けば、イソップ物語を地で行きそうだ。ま、今の場合の旅人は、徒歩ではなく、車を使用しようとしているが。

 そんな、目まぐるしく天気が入れ替わる中、恐る恐る目的地へと向かってみたが、天候は次第に晴れて行き、朝に出ていた予報は、もはや意味のないモノになっていた。絶好の蕎麦日和。なんか目的がずれて来た様な気がしないでもないが、目的が何であれ、楽しむコトが第一と、アクセルを踏む足も軽やかだった。

 石碾屋の玄関先では、たぬきの置物が待ち構えていてくれた。平日のお昼時間にソバ屋ってぇのは結構込むのかな?と思い、少々時間をずらして出掛けたツモリなのだが、結果的にはほぼ、お昼休みど真ん中の時間帯に着いてしまい、少々慌てた。

 しかし店内に入ると、思った程の混雑では無く、ホッと一安心。ゆっくり蕎麦を味わえる。そんな気分が充満し始める。

 メニューは、殻が付いたまま蕎麦の実を碾いた『玄』、殻を剥いた状態の蕎麦の実を碾いた『抜』、そしてそれぞれが半分ずつ組み合わされた『合い盛り』の3種類。コノ店は、純粋に蕎麦ソノモノを味わって貰いたいと言う方針を取っている様で、かけそばや天麩羅、ましてや丼モノなど置いてないらしい。個人的にはチョット寂しい様な気もするが、天麩羅そばが食べたい時は、そう言う店に行けば良いだけの話で、蕎麦を楽しみたくて来ているのだから、今の気分や嗜好にジャストフィット!である。

 ドレにしようか迷ったが、玄と抜の両方を味わえる合い盛りにした。いや、お品書きを見た最初からコレにしようと思っていたハズなのだが、決める迄にチョットだけ時間がかかった。…只単に、悩んでみたかったダケかもしれない。蕎麦茶を飲みながら待っていると、あっと言う間に蕎麦の到着。松くらに行った時の様に、腹ぺこでフラフラになりながら30分以上も待ったりしなかったのは、お昼時間を外れていなかったからか。

 この期に及んで、玄と抜のドチラから食べようかと迷っているB食クラバー。当たり前ならば、見た目的にもアッサリしている抜の方から食べそうなモノだが、好奇心には勝てず、玄から口に入れてみた。殻が付いたまま碾いたダケあって、カナリ濃い灰色の蕎麦。もしかしたらコレって蕎麦色とか言うのだろうか。荒い感じの食感に、香りも強い。

 抜の方は食べ慣れた感じのする蕎麦に近いが、コレだって十割蕎麦。普段食べているモノとは全然違うし、ツルツルと入って行く。喉越しの違いが面白く、両方を交互にいただく。

 2種類の蕎麦を、玄から始めて交互に食べたのに、最終的に何故か玄の方が残っているのが不思議だが、B食クラバーは美味しいモノを最後に食べたい派なので、無意識の内に自分がより美味しい!と思ったモノを、最後に残しておいたのかもしれない。

 ワサビも、日本最大のわさび田を持つと言う、信州安曇野のワサビを使っているとのコト。ただカライだけではないワサビの味わいに、例えば市販の練りワサビなんかは、何か得体の知れないモノ達を混ぜ合わせて作って出来たモノなんじゃだろうかと、不安になる。

 そば湯を頂きながら余韻を楽しんでいると、今サービスでそばがきをお出ししますから!と店員さんが言った。はっ!そう言えばソンナ話を聞いたコトがある。ソレがスポット的なモノなのか、デフォルトなのかと気になっていたのだが、どうやらコレはデフォルトと考えて良さそうだ。

 温かいそばがきにショウガとしょうゆ。コチラのショウガは何か特別なモノなのかな?と気になったりもしたが、とりあえずドコにも情報を見つけるコトが出来なかったので、余計なコトは考えずに食べるコトに専念した。

 無論元来、食べ物について細かく分析が出来る程、B食クラバーの舌は肥えちゃいないし表現のしようも無い。美味しい蕎麦にめぐり会え、サービスまでしてくれちゃって、嬉しいコトこの上ない。

 サイドメニュー的に厚焼卵と蕎麦御幣、合鴨入り鳥つくね、蕎麦団子がそれぞれ\250で提供されているが、今回は蕎麦とソバガキで大満足したので、他のモノは頼まないコトにした。

 さて、いつか宇宙旅行に出掛けるその時に蕎麦を一緒に持って行くかどうかついてだが、当然のコトながらマダ結論は出ない。もっともっと、色んな蕎麦を食べる必要がありそうだ。って言うか完全に、ただソバを食べたいダケの、後付の理由に他ならないのだが。