店  名
 切田屋
食べた日
2006/07/04

住  所
 秋田県鹿角市花輪字下花輪168
営業時間
11:00〜18:30

電話番号
 0186-23-2083
定休日
月曜日

えび天ざる
そば
えび天
南部わりご
前  説

 『ちょっと鹿角での仕事を手伝って欲しい!』と、準B食クラバーN3さんが話しかけて来た。基本的にデスクワーカーなB食クラバーであるが、何か突発的に人手が必要になると、猫の手的に駆り出されるコトが、たまにある。

 普段、キーボードを弾く位しかしていないB食クラバーが、人海戦術的にそんなトコに行ったって、猫の手の方がよっぽど役に立つって位、役に立たないのだが、来てくれと言うからには行かなければならない。ザッツ・ビジネス。

 でもチョット手伝ってくれって言われても鹿角だよなぁ〜と、秋田からは決してチョットとは言えない距離に尻込んでいると、『昼飯オゴるから』と言う、非常に魅力的なセンテンスが付属されて、冒頭の言葉が繰り返された。ソコまで言われては、手伝わないワケにはいくまい。準B食クラバーN3さんと共に仕事をするため、チョット鹿角まで出掛けるコトにした。

 トコロでコノ準B食クラバーN3さんだが、B食クラバーに何かお願いがある時、必ずと言っても言い程、『○○○をオゴルから』と言ってくれるありがたい人物だ。何かを食べさせれば仕事を手伝う卑しいヤツだと思われているのか、或いは只単にそう言う性分なのか。ドチラでも良いが(出来れば)美味しいモノを無料で食べたいB食クラバーとしては、ウェルカムなコトこの上ない。

 B食クラバーに対するアマリにも見事な奢りっぷりに職場内では、B食クラバーは準B食クラバーN3さんの扶養家族になった!と噂されている程である。実際にソノ様な手続きが進められそうになったと言う伝説もチラホラ流れていたが。

 さて、せっかく奢ってくれると言うのだから何か、ゴージャスでデリーシャスなモノを食べてみたい。鹿角にはドンナ美味しいモノがあるんだろう?と考えたが、案の定何も知らない。困った時はどうするか。そう!女王様に相談だ!お伺いを立ててみると、早速返答が帰って来た。何軒か教えて頂いたがソノ中で、切田屋と言うソバ屋の名前が、B食クラバーの頭の中で、強烈な輝きを放ち、他の存在を打ち消していった。

 記憶違いでなければ確か、全国誌で紹介されていたハズだ!と思ったB食クラバーは、ココしかない!と直感した。確かココを、秋田県ナンバーワンのソバ屋だ!と推している人もいた様な気がする。もう一切の迷いはない。道中も準クラバーN3さんに、今日のお昼は切田屋で!と、延々と話しかけ洗脳も完璧。全ての道がまっすぐに、切田屋へと伸びていた。ソレは今迄見たコトも無い位の光りを放ち、輝いていた。


Comment

 鹿角は不慣れなせいで、切田屋を探すのには時間が掛かった。しかしようやく発見!意気も揚々と切田屋へと足を進めたB食クラバーであるが、店先の扉にぶら下がっている札を見て愕然とした。

      『本日休業』

 事前に調べた結果では、今日は休業日では無かったハズだ。臨時休業と言うコトであろうか。楽しみの上に待ち遠しさをコーティングした心理状態で行ったため、コノ時のガッカリさ加減と言ったら言葉では言い尽くせやしない。中田が引退した様な虚脱感と言うか、5,000ピースのパズルの、最後の1つを無くしてしまったやるせなさと言うか、そう言ったマイナスの感情を着物にして、十二枚重ね着したかの様な重量感がB食クラバーの全身にまとわり付いた。

 結局ラーメン錦で、当店オススメのネギみそラーメンか何かを食べたのだがモチロンその後、仕事の士気の低下には、目を覆うモノがあった。猫の手どころかネズミの手の方がまだ、役に立ったハズである。B食クラバーの頭の中で、切田屋のソバの味がネギみそラーメンの味にすり替えられ、そして一日は暮れて言った。

 …と言うのが2年前の出来事。最近、秋田のソバを食べ尽くしたい欲求に駆られているB食クラバーの頭の中には、常に切田屋の存在があった。何を食べても、切田屋のソバはドンナ味だろうかと、思いをめぐらせていた。まだ体験したコトのない世界への好奇心は、アタラクシアの丘の向こうにあると言われる、大人の社会への憧れにも似ていたのかもしれない。

 そして本日、切田屋へのリベンジの機会が訪れた。前回鹿角に行ってから、再び訪れるまでにまさか2年の月日が流れていようとは夢にも思わなかったがソレだけに、切田屋への思いは増幅されまくっている。店の場所だって完璧に覚えている。目を閉じて思い浮かべると鮮明に浮き上がってくる切田屋の店先はまるで、昨日も行ったかの様クッキリしている。万感の想いを込め今マサに、遂に念願の、切田屋店内へと足を踏み入れた。

 …思った程かしこまった雰囲気がない。大概美味いソバ屋と言うのは上手く言い表せないが、『ウチは美味いソバを食べさせる店だよ。軽い気持ちで食べられちゃ困るよ!』的なオーラをそこかしこから滲ませているモノだが。街を通り過ぎる誰をも受け入れてしまう排他性の無さ。コレがしかし、切田屋のソバそのものを、体現しているかのようであった。

 当然十割そばを食べようと思ったのだが、一日15食限定とのコトで、お昼よりも少し遅い時間に着いたためか終わってしまっていた。仕方ないので切田屋では標準となっている二八そばを頼むコトにした。豪勢に天ぷらも付け、2年越しの初来店に、花を添えるコトにした。

 そば到着。二八と言うよりも更にデリケートさを感じる白さ。更科との中間くらいの印象を得る。箸でつまみ、口の中に入れる。美味い。ソバの香り、堅さ、コシなど、思ったよりもマイルドだが、それらが絶妙に組み合わさり、何とも言えない味わいのソバになっている。

 すする。すする。2年間の想いを込めて、あっと言う間にソバは、B食クラバーの胃袋へと流し込まれて行った。切田屋に比べると他のソバ屋は、ソバの香り、堅さ、コシなど、先程挙げた要素のいずれかが、強烈に自己主張している様に感じられる。そう言った気負いや気取りはないが、美味しく食べられるソバ。コレが切田屋の店構えと一致している様に感じられるのは気のせいか。

 2年も待ったりすると想像が現実を上回り、ややもすると期待が大きすぎる現象が発生してガッカリしがちなモノだが、切田屋を秋田ナンバーワンのソバ屋と評した人物に、B食クラバーも激しく同意する。今回食べそびれた十割ソバを食べるのにマタ来なければならないが、ソレに2年も掛かるコトは、今度はあるまい。