店  名
 中川食堂
食べた日
2006/04/12

住  所
 秋田県能代市字悪戸36-9
営業時間
12:00〜13:30・17:00〜22:00

電話番号
 0185-58-2129           中川食堂のBilogへ>
定休日
 

店外観
牛肉煮込定食
牛肉煮込
ライス
前  説

 2005年も押し迫ったある日、我が宗門のリーダーであるどんべいさんより質問があった。聞くトコロによると、どんべいさんが我が宗門とは別に持つ、とあるグループ内で最近、もの凄く話題になっている店があるとのコトだがソノ店の詳細を、B食クラバーに対して求めて来たのだ。しかし案の定と言うかイツモの通りと言うか、B食クラバーは何一つ、その食堂に関する情報は持って無かった。

 > どんべいさん
  東能代駅裏の「中川食堂」ってとこです
  何やらものすごいほどの盛りの良さが評判とかなんとか・・・
  休みの日に能代まで飯食いに出掛ける価値ありですか?
  どうか教えてくださいませ〜〜〜 (-人-;)

 モノ凄い程の盛りってどれぐらいなのだろう?B食クラバーが今迄に経験した大盛りの店と言えば真っ先に思い出されるのが力食堂だが、まさかソコまでの大盛りを提供する店などそうそうあるハズもなかろう。

 しかし、そうそうあるハズの無いモノが2つある場合の喜びって言うのは想像の中でしか経験したコトのないB食クラバーにとって、現実にあるかもしれない!と言う興味は抑えるコトが出来ない。

 ちなみに、無いモノが2つある場合ってコトでドノ様なモノを想像して身悶えていたのかと言うと例えば、サッカーの日本代表に中田ヒデが2人いたら、完璧な意志疎通の元、パスの出し手と受け手の息のあったコンビネーションによるゴールが見られるんじゃないかとか、野球の日本代表にイチローが2人いたら、対戦相手は向こう60年位は日本と試合したくなくなるんじゃないだろうかとか、ビートたけしが2人いたら、ツービートたけしを結成するんだろうかとか、北野武主演映画を北野武が監督する場合、監督の意図する通りの演技を俳優がするのかとか思うと、ソレラの完成度って、今迄に誰も見たコトの無いレベルのモノになるんじゃないかと考えては、1人満月に向かってワナワナ震え、吠え立ててみたり。

 そんなコトが気になり、B食クラバーの周りで、中川食堂のコトを知ってそうな人物がいないかと探してみた。能代のコトならば、ソコに住む姉夫婦に聞けば解るかもしれないが、姉夫婦は能代市内で結構ブルジョワジーなアッパークラスライフをエンジョイしており、中川食堂の様な店は知らない可能性が高い。

 また何と言うか、能代で安くて美味しい店の情報は、B食クラバーが姉夫婦にもたらしていると言う点も忘れてはならない。その替わりと言っては何だがB食クラバーは、能代で高くて美味しい店にしょっちゅう連れていって貰っているワケだが。

 そんなワケで、能代出身であり、ミドルクラス以外の何者でもなさそうな職場の下っ端に聞いて見るコトにした。すると下っ端は、『昔天丼を食べたケド、海老じゃなくてイカがメインだった。』と言う、凄まじいまでの期待感を抱かずにいられない言葉を発した。コレは行かねばなるまい。理由の解らぬ使命感が心の奥底で燃え上がり、B食クラバーの心を、天空高くまで舞い上がらせて行った。


Comment

 2006年に年が改まってから1度、中川食堂の近く迄出掛けるコトがあった。その時に思い立って、中川食堂へ行ってみよう!と考えたのだが、場所がうろ覚えだった上に下調べもしていなかったので、散々迷った挙げ句に辿り着くコトは出来なかった。どんべいさんと行こう!とか、女王様も一緒に!とか言ってたワリに、そのドチラとも一緒じゃ無い時に行った報いなのか。それでも、もしかしてアソコを行けば辿り着けるんじゃないか?と言う場所を発見したので、ソコを脳内記憶チップに埋め込んで、泣く泣く中川食堂の発見を諦め、能代を後にした。

 ソレから数ヶ月が経ち、またもや中川食堂の近くまで出掛ける機会に恵まれた。今度コソ中川食堂へ行くぞ!と決意も新たにハンドルを握る。所用を済ませ、中川食堂に向かうために、前回行った時に、『アソコを曲がれば…』と記憶した場所への地図を、脳内で広げる。その地図は、拙いタッチながらも力強い印象で、見るモノをグイグイと引き込んで行くに充分であった。

 暫く走ると、前回頭の中にインプットした自分的ランドマークを発見。道は間違っていない!と確信しながら進む。しかし、突然訪れたT字路を眼前に、B食クラバーは途方に暮れてしまった。えっ?こんなトコあったっけ?などと考える間もなく、そして迷う暇など無く左右のドチラかを選ばなければいけない状況で、B食クラバーは左折を選択した。しかし、左折した先は、明らかに中川食堂とは逆の方向で、慌てて別のルートを脳内で検索した。

 どうにか中川食堂への入り口となる道路へ到着。少し走ると、先程見掛けた自分的ランドマークを再発見。同じ道路を走っているワケで、当然目の前には再びT字路が。ココまでの流れから導き出される、中川食堂へ到達できる道への回答はただ1つ。コノT字路を右折するコトだ。更に走り進めると、『アソコを曲がれば…』と言う、個人的約束の場所を発見。ソコを曲がり、ようやく念願の中川食堂へとたどり着くコトが出来た。返す返すも、T字路の左右選択を誤ったコトが恨めしい。アレが無ければ、無駄な時間もガソリンも費やす必要がなかったのだが。

 思い返せばB食クラバーは人生の中で、コノ様な二者択一の分岐点に立たされた時、常に間違った選択をして来た様に感じられる。アノ時に、選んでしまったコチラ側では無く、選ばなかったアチラ側を選んでいたらと言うエクスキューズは、B食クラバーだけではなく誰でもが持っているモノだとは思うが、それにしてもB食クラバーの場合、そう言ったコトが多すぎる様に感じられる。しかも、ソノ様な選択をする時に限って、時間が少ないのは何故だろう?最良と思える選択を瞬時に実行できる、ソンナ人生を歩んでみたい。

 中川食堂の外観には、中川食堂と書かれた看板の他に、民宿ポプラ荘と書かれた看板も付いている。民宿を営みながら、食堂もやっている店なのだろうか。だとしたらもしかして、年中無休なのかもしれない。とにかく、店内へと足を踏み入れる。テーブルが4つとカウンター席。小上がりのテーブルが4つ程。いらっしゃいの声を受けた後、壁に書かれたメニューを見て、何を注文するか考える。

 どんなのがあるのかな?え〜なになに、カレーがあるのか。値段は…。\300?はぁ?\300?カレーが\300って、ココは社食ですか?と言う焦りを隠すコトは出来ない。他のメニューも見てみる。ラーメンが\300。タンメンが\380。見間違いかもしれないが、カツ丼が\300とか書いている。最近世の中じゃ、\500のランチをワンコインランチとか言って有り難がっているが、ココでは軽くソノ上を行く、って言うか正確には下だが、\500でお釣りが来る料理を出しているコトに驚く。

 一番高い料理は肉鍋定食\700と言うから驚きだ。チャーハン、中華丼、焼きそばも\500。更に焼きそばは、味噌・塩・ソースの3種類あると言う充実振り。コノ価格設定は嘘じゃないですか?と思いながら立ち尽くす。一体全体何を注文したらいいのか、サッパリ解らない。厨房の中から女性店員が、アンタ一体何にするの?的な視線をB食クラバーに投げかける。チョット待ってくれ!と心の中で叫ぶ。

 散々迷った挙げ句、牛煮込定食を頼むコトにした。量が多い店で食べるモノと言えば煮込定食であると、インプリンティングされているのかもしれない。一体どんな量の料理が到着するのかと、ワクワクしながら待っていると、成る程、素晴らしい量の料理が現れた。ドンブリに御飯がてんこ盛りなら、お皿に牛煮込みもてんこ盛り。見た瞬間に、コレ全部食べられるだろうか?と、胃袋がアラームを鳴らし始めた。

 てんこ盛りの牛煮込みを食べる。チョット濃いめの、解りやすく言えばドライブイン系の味付けで御飯が進む。煮込まれた牛肉に、柔らかいトコロと固いトコロがある点が少々残念かな?とか思っている内に、他の人が頼んだ料理が目の前を通り過ぎていく。いや、ソレが料理とはニワカには信じがたい。

 ある1人が頼んだのは中華丼で、そのドンブリの直径は完全に30cm。ソコに山盛り盛られた中華あんを目の前に、注文した人は、明らかに狼狽し、暫くはどうしたモノかと途方に暮れていた。ハタから見ていたB食クラバーがコレだけ驚いているのだから、注文した本人のうろたえようと来たら想像するコトが出来ない。

 次に目の前を通ったのは、恐らくラーメンライス。恐らくと言うのは、ラーメンはソレと解るのだが、ライスの方がホントにライスなのかどうか判別が付かないからだ。直径20cm程の更にソレは、巨大なオニギリの様な形で乗っかっていた。高さおよそ5cm。円形に盛られたソレは、真横から見るとまるで、UFOの様でもあった。

 1番驚いた料理は、常連客と思われる方々の殆どが注文していた野菜炒定食。ココまで来ると、山の様に盛られたドンブリ飯にはもう驚かない。驚愕するのは野菜炒めの盛り方だ。ヤハリ横から見たソレは、形と言い色と言い、皿の上にモリゾーのマスコットが乗っかっているかの様であった。愛地球博から帰って来たバカリの子供が見たら、『僕もモリゾー食べたい!』思わず口走ってしまうのは間違いない。

 事ココに及んで、自分が選んだ料理の、あまりの奇のてらい無さにガッカリする。いや、コレは料理がどうとかでは無く、自分の気持ちの中での話だ。見た目にもインパクトのある料理を選ばずに、牛肉煮込定食なる平凡なモノを選んでしまった自分への煮え切らなさと言うか歯がゆさと言うか。こんなトコでも誤った選択をしてしまった自分に、自分で腹が立ってしまって仕方ない。コレがB食クラバーの人生を象徴している様にも感じられ、悔しいと言ったらありゃしない。

 こうなったら、能代に用事がある度に、中川食堂に行かねばなるまい。そしてソノ都度、ラーメンライス、中華丼、野菜炒定食と食べ続けて行くぞ!と、どんな理由かは解らないが、内なる闘争心に火が付く。取り敢えず次は、野菜炒め定食から食べてみよう。間近で見る野菜炒めが、ホントにモリゾーと瓜二つなのか、確認する必要もある。実際にモリゾーを目の前で見たコトはないが。