店  名
 割烹 松風庵
食べた日
2008/08/25
住  所
 秋田県能代市清助町3-29
営業時間
10:00〜15:00
電話番号
 0185-52-0121
定休日
無し

ランチ(木の葉)
天ぷら
肉団子・煮魚・中落ちなど
ゴマ豆腐
シーフードサラダなど
お吸い物

前  説

 ここ数年、能代では8月中旬になると、能代宇宙イベントなるモノを開催しているらしい。題材がマイナーなタメか、ソレとも一般市民はソンナ催しには興味が湧かないのか、イマイチ色んなメディアで目にする機会は無い感じであったが、次の休みに何か面白げな催事はないかとネット世界を探索していたB食クラバーの目の前でソレは、燦然と輝いていた。

 爆発物を使わないハイブリッドロケットやモデルロケット。水ロケット競技会にロケットプレーンや缶サットフライバックなどが行われるらしい。缶サットって言うのは、自立制御型のロボットが気球から落下され、目的地を目指す競技なのだとか。

 ソノどれもがとっても楽しそうだ。なんとなくコノ世は理系に冷たい風が吹いている様に感じるが、こう言うイベントがもっともっと増えて欲しい。B食クラバーは、理系って格好いいよな!って、漠然とした憧れダケを抱いているダラリ系だが、だからコソだろうか、ソノ手の世界に接近したくてしょうがないのだ。

 浅草キッドが司会をしている大人の社会科見学番組(秋田ではネットしていないTV局の)が実は大好きで、彼らが紹介してくれる全国津々浦々、様々な製品の製作工場などを見るに付けTV画面に釘付けになり、そしてソノ風景がワズカ何十インチかの広さ(狭さ)でしか無いコトに苛立ちすら感じてしまう。

 あぁ、何故コンナにも魅力的な工場が秋田(を含む近場)には無いのだろうか!もし宝くじに当たったら、全国魅惑の工場めぐりツアーをしてみたい!などと、真っ当に生きている人ならば全く思いもよらないであろう高額当選金の使い道を考えつく辺り、B食クラバーの中で何かが壊れているような気がしてならない。

 出来るならば工場見学をした際に、B食クラバーの欠陥部分も修理して貰えればありがたい。って言うか、修理して貰いたい願望の現れが、B食クラバーの工場好きに繋がっているのだろうか。

 さて、とりあえず能代宇宙イベントに触れたいB食クラバーは、ソノ前に腹ごしらえが必要だろうと考えた。宇宙イベントなんだから宇宙食でも食べれば良さそうなモノだが、その辺で気楽に購入できる宇宙食は麩菓子が柔らかいまま密度が高くなった様なモノなので、腹にたまる感じは一切しない。

 何口食べたトコロで食事をしているって言う実感は湧かなく、『陽子さんや、わしゃぁ〜メシはマダかいなぁ?』と、さっき食べたバカリなのにウワゴトの様に繰り返す4村けんみたいな状態になるのは必至。

 宇宙食は無理だケド、宇宙に出来るだけ近いトコロで食べてみよう!と思い立ったのがコチラ、能代公園内にある割烹 松風庵。能代公園は小高い丘と言うか低めの山と言うか、とりあえず能代市内を一望できる位の高台にあり、春には桜やツツジなどで能代市民の憩いのオアシスになっているスポット。

 ココに存在する割烹松風庵は、間違いなく能代市で一番高い場所にあるお食事処だろう。


Comment

 …割烹。毎日毎日汗水垂らして働き、ソノ対価としてようやく得られる雀の涙の様なサラリーをアレコレ工夫して、どうにかこうにか社会生活の底辺の暮らしを保つのが精一杯なB食クラバーに、コレ程不似合いな場所はあるまい。

 しかし、コチラ松風庵ではなんと、B食クラバーにはきっと一生縁がないであろう割烹の食事を、お昼時に限り\1,000で楽しむコトが出来ると言う魅惑のランチメニューが!

 ソレでも\1,000って高いよなーって思っていたB食クラバーだが、宇宙イベントに触れるのであれば、コレぐらいの出費も痛くはない。いやムシロ、コレぐらい払って当然!って感じがしないでもない。

 海外生活が長い日本人に、今一番食べたいモノは何ですか?って聞くと大概、判で押した様に『日本食!』と、声を揃えて言ってるし、海の向こうドコロか、成層圏を超える位遙か遠くに行っている日本人宇宙飛行士達が、人工衛星軌道上で夜中(夜があるのかどうか解らないが)、眠れない程強烈に瞼の裏に焼き付いて離れないのは、日本を出発する前に仲間達が祝ってくれた、宴席での刺身や天ぷらに違いない。

 ならば、今日コノ日昼ご飯を食べるのに、コレ以上相応しい場所もあるまい!と、無闇に盛り上がって自分自身のエンジンを点火。やや緊張気味の心を隠しつつ、割烹の重い扉を開けてみた。

 歴史を感じさせる佇まいのコチラは、一体何年営業しているのかサッパリ解らないが、古さを感じつつも、割烹と言う冠にやられてしまって、B食クラバーの動きも油の切れたロボットの様にぎこちない。

 広い玄関で靴を脱ぐ。店員さんらしい影は見当たらない。一般のお食事処ならばココで、コンシエルジュ的な店員さんがやって来て、何名様ですか?とか聞いてくれるのだが。

 どうしたモノかと立ちつくすB食クラバー。一般のお食事処ならばココで、『スイマセェ〜ン!』とか大きな声を出して自分の存在をアピールするのだが、割烹と言うステータスの高そうな場所でソレはどうか。奥から店員さんが来て鋭い視線をコチラに投げかけたり、食事を終えたお客さんがクスリと笑いながらすれ違っていくかもしれない。

 重ねてしかし、コノママこの場所にジッとしていて埒が明かないし、コレから宇宙に挑もうと言うフロンティアスピリットにも欠けている(様な気がする)。意を決して客間であろうと推測される方向に進むとソコには大広間があり、何組かのお食事中のお客さんと共に、店員さんの姿も見かけるコトが出来た。

 ようやく自分の存在を店員さんに気付いて貰えてホッとすると共に、何勝手に入って来てンだよ、コイツ!とか小声で言われないだろうかと不安に思ったりもしたが、いらない心配だった様だ。何十畳もある広間の一角に座り、木の葉と名付けられた\1,000のランチを注文すると、やっと落ち着いた気分になった。

 そして、木の葉の到着。一体何故ランチの名前が木の葉って言うのか、コノ瞬間判明。天ぷらや刺身などメインのおかずが、木の葉型のお皿に乗っているからだった。いかにもな割烹らしいセンスに、高級な場所で食事しなれないB食クラバーは、浮かれ気分でやられてしまった。

 海老・カボチャ・ピーマンなどの天ぷらに、肉団子・焼き魚・蟹の爪・鮪の中落ちなど、宴会料理と言うか仕出し料理で時々見掛けるハイクラスな感じの料理が一枚の皿にコレでもか!って風情でギュウ詰めに。じゅんさいのお吸い物まで付いた日には、秋田県に生まれて良かったぁ〜などと思ったりもする。

 いやコノ際、

 地球に生まれて良かったぁ〜!

 とでも言うべきか。

 コレから先、ソンナ夢物語みたいなコトが現実になるかどうか解らないが、もしB食クラバーが宇宙旅行に出掛ける日が来たのならば、夜眠る時、今一番食べたいモノとして瞼の裏に浮かぶのは、松風庵の木の葉なのかもしれない。