店  名
 たらふくまんま
食べた日
2009/07/14
住  所
 秋田県秋田市仁井田本町3丁目14-15
営業時間
11:30〜15:00 17:00〜22:00
電話番号
 018-829-4470
定休日
年中無休

エビ天丼セット
エビ天丼
うどん
お新香&薬味

前  説

 良い香りがした。こぼれる様なオレンジの香り。あれっ?なんだろう?って思うと、携帯がメールを受信していた。

 差出人は女王様。あぁ、透き通った柑橘系の香りがしたのはコノせいか!今日は一体どう言う内容のメールなんだろう?と文面を読んでみるとソコには、仁井田に『たらふくまんま』と言う店がオープンしたと書かれていた。

 情報的にはコノ程度のモノで、他に詳細などは書かれていない。名前からして食べ物屋なんだろうケド、一体どんな店なのか気になったB食クラバーは、早速ネット世界の住人と化す。

 検索して出て来たページには、日本中から極上素材を集めた!とか、大人を魅了する飯処!とか、銀座で営業!とか、日本の北の端っこ秋田に住む田舎モノにとっては、目も眩む程の光を放つゴージャスさが感じられる文字が躍り、画面を見つめるコトすら出来ない。

 フツーの店に入って、『何にもないのね。出来るモノを人数分ね!』とか言い慣れている人でなければ入店出来なさそうなムードを(B食クラバー一人が勝手に感じているダケだが)醸し出している飲食店が秋田に来るのか!?ソンナ店が秋田に来て成立するのか!?女王様なら気軽に入るコトが出来るだろうケド、B食クラバーの様なミジンコ市民なんて駐車場に車を入れるコトすら出来ないんじゃないの?と、PC画面から受け取る情報の輝部と反比例する様に、B食クラバーの心の暗部が広がって行く。

 なんだって女王様は、B食クラバーにコンナ店の紹介をしてくれるんだろうか。アタクシが優雅に食事している姿を、窓の外で寒さに震えながら羨ましそうに見ていると良いわ!オッホッホッホッホ〜♪とか言うメッセージなのだろうか。

 いや、女王様がそう仰るならやらないでもないですがと、心のねじれは更に混迷の度合いを深め、一体どう言うお心持ちでコノ様な店をご紹介下さったのかと、おそれおおくも何回かメールのヤリトリをさせて頂いている内に、件の店は銀座とは一切関係のないコトが解った。

 うどん+丼モノで\609のランチを、15食限定だがやっている店だと教えて頂き、先程まで女王様が優雅にお食事されているトコロを、所々穴が開いてほつれたゴザを体に巻き付けながら窓外で眺めている気分にまで落ち込んでいたB食クラバーの心は一気に高揚した。

 日差しの強さが蒸し暑さに直結しない7月上旬の秋田で、冷たいうどんを食べつつ丼モノを頂くのは、さぞかし気分も良いに違いない。うどんが喉に流れていく爽快さを想像しつつ、たらふくまんまへと出掛けてみた。


Comment

 場所は、秋田の某巨大飲食店グループの敷地内で、不定期なリズムで色々な店が出来てはたたみ、出来てはたたみを繰り返しているトコロだ。以前は、ココも立派なサルガッソースポットだよなぁ〜と思っていたのだが、色々情報を集めてみると、どうやらチョット違うらしいコトが解った。

 聞くトコロによると同一の経営者が、ソノ時の流れに乗った店を色々立ち上げていると言うのが真相らしい。そう考えてみると、ホボ途絶えるコト無く新しい店が出来続けていたコトにも納得がいく。

 入り口前に出されたメニューの看板を見て、ココはうどんがメインの店なんだと気付く。数多くあるメニューの中にうどんがあるのではなく、様々なバリエーションのうどんが、他の料理と組み合わされていたりして提供されているっぽい。

 席へ案内して貰い、3種類あるランチがマダあるか聞いてみると、終わってしまったとのコト。限定15食なんだから仕方無いと、諦めて他のメニューを探す。

 『かけうどん』や『ざるうどん』と言ったポピュラーなモノから、『黒ゴマ・カレーうどん』や『餅ぶっかけうどん』と言ったチョットした変化球モノの他に、『のらうどん』何て言う、全く初めて聞く名前のうどん迄あったりして幅が広い。他には、豚しょうが焼き定食や唐揚げ定食など、定番的な定食にうどんが付いたセットものが充実している。

 ざる2枚に天ぷらが付いた上に店名を冠する『たらふく御膳』が気になったり、無料で一品天ぷらなどの具がトッピング出来る定食類に心が傾いたり、いつも以上に何を食べるか迷ってしまったが、3種あるランチメニューの中の1つ、天丼セットを頭から振り払うコトが出来なかったタメ、結局グランドメニューの中から、ソレに一番似ているエビ天丼セットに決めた。うどんは温かいのか冷たいのかを選ぶコトが出来るので、迷うコト無く冷たいうどんにした。

 出て来たうどんを見て驚く。太さ、エッジの立ち具合、透明感等から、讃岐うどんではないかと思われた。いやでもね、讃岐うどんブームも終息を迎え、秋田市内にも全国チェーン店が1軒しか無いぐらいだって言うのに、マサカ讃岐うどんなワケ無いよね?と思いつつ一口すすってみる。

 しかしソノ喉越し、弾力、麺の噛み切れ無さと言い、コレはもう正しく讃岐。讃岐以外の何モノでもない。アノ全国チェーン店より本格派な薫りすら漂って来る。何で今頃讃岐?って言う思いを消すコトは出来ない。いやもしかしたらコレは讃岐うどんでは無く、桐生うどんや伊勢うどん、五島うどん等の様に、B食クラバーが今迄に食べたコトの無いうどんなのかもしれないが。

 店内やメニューのドコにも讃岐の”さ”の字もないトコロが、コレってホントに讃岐うどん?と懐疑的になるB食クラバーの気持ちを更に、爆発的に加速させる。讃岐うどんだよなー、讃岐うどんじゃないのかなーと、交互に考えが浮かんでは消えていく状況に、

 あー、もう、

 コレじゃ味も解らねぇ(`Д´) 凸

 と思ったB食クラバーは、他の誰が違うと言っても、例え店主が違うと言っても、コノうどんは讃岐うどんだ!と思って食べるコトにした。んー、コノ讃岐独特の喉越し、タマらねぇぜーっ!

 天丼の天ぷらはエビ天2本、イカ、カボチャ、春菊と、コノ値段では申し分なしの内容。\609で天丼が単品で提供されているが、ソレと同じモノだと思われる。

 讃岐うどんかどうか結局ハッキリしなかったが、自家製完熟・朝打ちの麺だと書かれていた。ダシについても気仙沼産さんま節、国産かつお節、北海道産昆布使っているとメニュー内に表記があった。コノ辺が美味さの秘訣だろうか。

 イツの日かマタ、コノ場所に建つ店は閉められてしまうのだろうが、出来るダケ長く続けて欲しい。もし、全く違うジャンルの店として生まれ変わってしまう場合も、コノうどんダケはメニューとして提供し続けて頂きたいと願わずにはいられない。