店  名
 亀太郎
食べた日
2005/10/04

住  所
 秋田県美郷町六郷西高方町14
営業時間
8:30〜19:00

電話番号
 0187-84-1475            亀太郎のBilogへ>
定休日
 

生クリームロール
フルーツロール
ショーケース1
ショーケース2
前  説

 亀太郎の存在を、1番最初にB食クラバーに教えてくれたのは、かまみ特派員だった。

 >  かまみ特派員
  六郷の「亀太郎」にてさっくさくの釜だしシュー食べたんですけど、おいちかったです〜。

 亀太郎なる店の話を初めて聞いたB食クラバーは、イツモの様にソッコーでググってみた。即効性のある対応をモットーとしているB食クラバーとしては、当たり前のコトである。出前迅速、問答無用、そしてついでに落書無用。

 幾つか見つけたページのどれもが、素晴らしい!美味しい!をメタファーとして掲げておりこんなにも評判の店があるなんて六郷侮りがたし!いつか亀太郎に行かずになるモノか!と、ワナワナと胃下垂の辺りも震えつつ、トコロでコノ店、何て名前なんだろう?ってな疑問も首をもたげて来た。

 フツーに読めば『かめたろう』なんだろうケド、亀は『き』とも読めるしヒョットしたら『きたろう』って読む可能性も捨てきれない!と、イツモの様に勝手にワクワク。前例を見ない程の盛り上がりを見せる『亀太郎=きたろう』説。そしてソレを支持するB食クラバーのユルい心。

 まるで、圧倒的不利を予想されながらも、劇場型と例えられるソノ方策で、下馬評を見事に覆し、議席の過半数を占めるに到った某国最大与党の選挙速報を見ているかの様な錯覚に捕らわれそうなぐらい、ソレはB食クラバーの心の大部分を占めていた。本当の名前が『かめたろう』であっても、あえて『きたろう』と呼んでしまいそうな気配も隠せない。一寸法師大の一つ目妖怪も、お椀の中のお湯に浸かり、『はぁ〜、極楽☆極楽。』とか言ってそうである。

 そうこうしている間に再び、かまみ特派員からの報告が。

 > かまみ特派員  亀太郎のシュークリームは、生地がすっごいカリッパリッでうまいのです〜〜 最初は普 通かな〜っておもって食べてるんですけど、食べ終わるとんっ!結構ずっしり!てな感ジ で…。

 シュークリーム好きのB食クラバーとしてコノ発言は聞き逃せないって言うか見逃せない。しかも最近はパイシュー的なカリッパリッが好みだと来たら、食べないワケにはいくまい。その後びびさんや、ありたやきさんからも絶賛の報告を聞くに付け、『いつかは、亀太郎。』と、超高級セダン車の、往年の宣伝コピー宜しく胸に刻みつけていた。


Comment Session #1

 B食倶楽部の特別会合を終えたB食クラバーは、同席していた謎のRさんに、コノ後どうするかと聞いてみた。(一応。)謎のRさんは特に考えていなかった様であるが、コチトラ願ったり叶ったりと言うか計算通りと言うか、さも今思い付いてみたかの様に大曲迄オリオンベーカリーのコーヒーサンドを買いに行きたい!と、多少瞳をキラキラさせながら言ってみた。

 話を聞いた謎のRさんは意外と乗り気な様子で頷く。ソレを見て更に深く頷くB食クラバー。口元には思わず笑みが。コノ時B食クラバーの顔を見た謎のRさんは、大曲までの道連れが出来て喜んでいるんだろうな、と思ったと推察されるが、実はその裏に、もう一つの目論見があったコトには気づいちゃいめぇ。

 大曲から、もうチョット行けば六郷である。正直なトコロ秋田市民的に言えば、六郷まで行こう!って言われちゃぁチョット遠いかな?って感じなくもないが、大曲ならば、まぁ良いかなって思うんじゃないかな?って言うか、思って欲しい!と、B食クラバーが勝手に願っているダケだろうか。とにかく、大曲まで行ってしまえばコッチのモノ。あとはなし崩し的に六郷へと行けるだろうとの考えが、その時のB食クラバーの笑みの影にはあった。(こんなトコで発表して、謎のRさんが怒りはしないだろうかとヒヤヒヤものだが。)

 大曲に着き、意外にあっさりオリオンベーカリーのコーヒーサンドをゲット。情報を知ってから買う迄が異常に長く、カナリ心も盛り上がっていたのにも関わらず、本気で拍子抜けする程に簡単に、店も商品も発見できてB食クラバー的には、物足りないったらありゃしない。もう少しのドラマが欲しい。ココでようやく謎のRさんに、本来の目的地であった亀太郎に行きたい!と告げると、同じ様に感じていた(かどうか解らないが、)謎のRさんは、ヤハリ意外と乗り気な様子で頷く。何もかもがB食クラバーの計算通りに進んでいった。…ココまでは。

 用意していた地図を広げる。どうやら通り過ぎていた様だ。今来た道を、引き返す。目的地は、国道から1つ角を曲がるダケの、地図で見れば簡単な場所。何の疑いもなくソコに近づきまくっていると、B食クラバーは確信を持って、車を運転していた。ナヴィシートで謎のRさんが、不安な表情を隠そうともしていないコトに気付きもしないで。

 長く、真っ直ぐ、黒いアスファルトの道路は、両脇に刈り入れの済んだ茶色の田んぼを従えて、ドコまでも、ドコまでも伸びていた。あいにくの雨模様だが、その先には目的地の亀太郎がある。そう思うと、不思議と空の色も、青々とした晴天に見えて来た。コノままドコまでも真っ直ぐに突き進みたい。そう思うB食クラバーの隣で、謎のRさんのアラームは、本日最大級のボリュームで鳴り響いた。

 道が違うんじゃないかと言う謎のRさん。しかしB食クラバーは、マダそのコトに気付いていない。B食クラバーの車にカーナビは付いていない。しかし気休めのために、某携帯会社特有の機能で、歩きながら目的地までナビゲートするシステムを活用するコトにした。目的地の方向を指し示す矢印は、確かにコノ道路の先にある。自分は間違っていない。そう確信したB食クラバーは、更に軽快にハンドルを握り、強くアクセルを踏み込んだ。

 ナヴィシートの謎のRさんが携帯を見つめている。不安げな表情だったのが、確信を得た何かに変わった。『やっぱり反対だったんじゃん。』と、謎のRさん。目の前に広がる景色に、サスガのB食クラバーも唖然とする。さっきまで走っていた国道が、さっき角を折れて下りたハズの国道が、今もう1度ソコにあるのだ。それは、本来ならば左に曲がるトコロを、何を考えてんだか何も考えてないんだか解らないが、スットコドッコイにも右に曲がってしまった!って現実を、B食クラバーの眼前に突き出していた。

 B食クラバーの方向音痴。ナヴィシートで謎のRさんがそう呟いた様な気がするが、気がするダケで実際には違ったかもしれない。いや、違っていたハズだ。って言うか、違っていたって思わせて欲しい。その後は、歩行者用ナビシステムを駆使しながら車で移動すると言う離れ技を敢行。おそらく、人の移動スピードに合わせて計算しているのだろうソレは、あっと言う間にルートを外れていますだの、計算外だのとのメッセージを繰り返し、我々を困惑させる。

 規格外の利用法で最新鋭のシステムを利用し、ようやく亀太郎へと辿り着いた。もっとシッカリ、地図を頭の中に叩き込んでさえおけば、こんなコトにはならなかったハズだ。更に、ソノ店構えがB食クラバーを驚かせる。名前からして、伝統的な純和風の建物を想像していたのだが、完全に洋風の、ケーキ屋然とした店が、ソコにはあった。

Comment Session #2

 店内に突入。美味しそうなモノがイッパイあって、ドレにしようか悩みまくる。途中、2人に順番を譲った位悩みまくる。マズは、かまみさんに教えて貰った窯出しシュークリームは買わなければならない。問題は、他に何を買うかだ。ふと横を見ると、謎のRさんが何かを一所懸命見つめている。その視線の先には、写真立て大の店内ポップが。その中には、『亀太郎の生クリームは、数年前、料理の鉄人で使用されました。』と書かれていた。

 あれ程評判になった料理の鉄人を、B食クラバーは数回しか見た記憶がない。権威主義に対する反発みたいな部分もあったのだろうか。今思うと青い青い。今ならば、それら全てを包括して受け止めるコトが出来るのだが。そんなワケで、大人として成熟したB食クラバーは、料理の鉄人で使われた生クリームがどんなモノなのか、気になって気になって仕方なくなった。

 コノ身の翻しよう。節操がないと言われても反論できない。B食クラバー=風見鶏。例えそう言われるとしても、それら全てを事実としてマタ、受け入れたい。そんなワケで、生クリームがふんだんに使われているであろう、生クリームロールと言う名のロールケーキを買って、亀太郎を後にした。

 家に着き、口にする瞬間。長い間憧れ続けて来た窯出しシューを手に取る。自然にパッケージに書かれた文字が目に入る。『お買い上げから2時間以内が、美味しく食べられます。』信じられない文字列の羅列に我が目を疑う。既に買ってから、4時間程が経過していた。

 そうだ、コレは、さっくさくのシュークリームだったんだ!買った時だって、注文を聞いた後、1回店の奥に行ってからクリームを詰めて来ていたじゃないかっ!亀太郎に辿り着くのに相当迷ったコト。そして辿り着いた喜びがアマリに大きすぎて、舞い上がりまくっていたのだ。B食クラバーらしからぬ大失態。泣きたいのを我慢しながら、1口食べてみた。

 サクサク&パリパリの名残が僅かに感じられるシュークリームの皮。実際には、クリームの水分を余すトコ無く吸い込んで、フニャフニャになっていた。ソコからは想像力の世界。きっとコレぐらいのサクパリに違いないと、頭の中でイメージしながら食べてた。…自然に頬を、涙が伝う。

 気を取り直し、生クリームロールに向かう。窯出しシューは失敗したが、コチラはそうはいかない。愛用のナイフを取りだし、スポンジに当てた。すると!半分位まではナイフも綺麗に進むのだが、その後がダメ。フニャフニャいって、切るコトが出来ないのだ!何と言う柔らかさ。いや、ナイフの切れ味が悪いせいもあるのだろうが、コレはスゴイ。上手く切れないので手に付いた生クリームを、何気なく舐めてみる。瞬間、今迄に食べたコトのない味わいが、口の中イッパイに広がる。

 それ程甘さが強くなく、かと言って物足りないとか言うワケでもなく、そして甘さ以外の味もチャンとしていると言う、生まれて初めての生クリーム。それらの正体が何なのか、食に詳しくないB食クラバーでは、その全てを伝えきるコトは到底出来ない。自分の舌貧乏さ加減を、今になって悔やむ。料理の鉄人で使われたというのも、大いに頷ける話だ。

 コレ程の衝撃を与えてくれた亀太郎は、今後B食クラバーにとって、無視できない存在になった。他のケーキも\250前後とお買い得で、胃袋に収めたくて仕方ない。そして何よりも、クリーム詰めたての窯出しシューを食べなくては、置いて来た忘れ物を、いつまで経っても取り戻せないであろう。そんなワケで亀太郎には、近い内にマタ行かなくてはならないだろう。…あれ?謎のRさん。そんなトコでどうして震えてるの?