品 名
喜久福

メーカー
お茶の井ヶ田

買った店

食べた日
2005/04/14
TEL.

前 説


 気が付くと、最近B食クラバーは仙台に出掛けたコトがない。以前は二月と開けずに出掛
けていた様な気がするのだが、コレは一体どうしたコトか。秋田独自の良いモノもきっといっ
ぱいあるのだろうけれど、日本全国的にスタンダードなモノについては、秋田という地域はカ
ナリ弱い。ソンナ時には仙台に出掛け、色々なモノを吸収していたのだが。

 振り返ってみると恐らく、2002年のW杯時に訪れたのが最後っぽい。あれ程熱く、興奮し
た瞬間はそう言えば無いかも。その思いが冷めると同時に、B食クラバーの中で仙台と言う
街の存在も小さくなっていったのか。

 そうは言いながらも、仙台の噂は黙っていても聞こえてくる。どこソコの何がどうだとか、ア
ソコがどうなっていたとか。中でも当HPの掲示板には、皆様から沢山の食べ物情報が寄せ
られ、B食クラバーの仙台行きたい熱もその度に上昇をみせる。何度か仙台に行くぜっ!っ
てな気運も盛り上がったモノの、いずれも却下。

 以前はあっと言う間だと感じていた秋田←→仙台間の移動もココに来て、現実以上の距
離感を持って、B食クラバーの前に存在していた。直近の週末も仙台に行く予定があったの
だが、土壇場になってキャンセル。近くて遠いトコ、それが仙台。仙台は、遠くにありて思う
モノ。等と言う格言じみた言葉がB食クラバーの胸に去来する。

 一体、次回仙台に行ける日はイツ訪れるのだろうかと、毎朝の通学電車で憧れの先輩と
同じ車両に乗るために、並はずれたテクニックを発揮する女子高生の様に、眠れぬ夜を幾
日も過ごすB食クラバー。

 そんなある日、外出先から職場に戻ったB食クラバーに、クラバーAさんが話し掛ける。内
の職場に出入りしている某ブラックキャットエキスプレスから、え〜っと、コンナ商品いりませ
んか?って来るヤツ。そのチラシを見せながら、自信無げにコレは美味しいのかと聞いてくる。

 はて、どんなチラシじゃいと覗き込んだB食クラバーは我が目を疑った。ソコには、長年食
べたいと願っていた喜久福が写っていた。コレは天恵か、はたまた天啓か。仙台に行けな
かった悔しさを、今が晴らすその時ぞ!とバカリに勢い込み、何だったら何故即決で注文し
なかったんだっ!って位の勢いで畳みかけた様な気もしないではない。

 とにかく改めて注文し、商品の到着を待つコトにした。

Comment


 ソコから数日待ち、ようやく喜久福が職場に届いた。早速食べるぞ!と血圧が急上昇。し
かし受け取ったソレは、指先にヤケに冷たかった。よく考えれば当然のコトかもしれないが、
何と冷凍状態で配達されて来たのだ。待ちに待った喜久福を、遂に食べられると思ったのも
束の間。コレから解けるまで待つなんて。いっそのコト凍ったままの状態でガリガリ食べてし
まおうかっ!等と言う、フォースの暗黒面に落ちたアナキンの気持ちが手に取る様に解りそ
うな気分が込み上げてくる。

 しかし、待ち望んだモノはヤハリ完璧な状態で食べたい。そうでなければ自分1人が間違
った情報を持ってしまって、世間からは浮いてしまう。コレこそマサに、簡単ダースベイダー
製造法って感じがするのでヒタスラ我慢。ソノ間、仕事が全く手に着かなかったのは想像通
り。チラッチラッと横目で見ては溜息の繰り返し。

 一生懸命働いている人にも、そうでない人にも、時間は平等に過ぎていく。2時間をうわの
空で過ごしたB食クラバーにも、遂にソノ時が訪れた。2時間が過ぎた頃、クラバーAさんが
おもむろに動きだし、喜久福に手をかける。その後B食クラバーの元にやって来て、コレはマ
ダ食べちゃダメかと聞いてきた。ソノ様子を見るに、2時間を無為に過ごしていたのはB食ク
ラバーだけでは無かったコトが容易に想像できたが、ソレを特にクラバーAさんに確認はしな
かった。

 マダ冷たい感じはするが、コレは箱が冷たいダケに違いないと言うクラバーAさんの、一体
どういう根拠に基づいた仮説なのかは理解できないが、とにかくソノ言葉に従って、箱を開
けてみた。今にして思えばコノ時、静かな威圧感に圧迫されていたのかもしれない。ソレを
裏付ける出来事がコノ後発生する。

 ホンマに大丈夫なんかいな?と半信半疑のまま、個別包装された袋を開けてみる。すると
冷たいのは袋だけで、中身の喜久福は食べるのに充分な状態であった。先程何の根拠も
無いと疑ったクラバーAさんの言動であるが、ヒョットして何かの裏付けがあったのか!と思
っていると、何やら熱い視線を感じる。

 気になってソノ方向を見てみると、なんとクラバーAさんとMさんが2人揃って、B食クラバー
の方を覗き込んでいた。自分で大丈夫!言っておきながらクラバーAさんは、果たしてホント
にオッケーなんだろかと不安でしょうがなかったのだ。その可否をB食クラバーを使って判断
しようとしていたのだ!恐るべし、クラバーAさん。そしてマンマと踊らされた格好のB食クラ
バー。

 クラバーAさんの言葉を100%では無いが信頼して実行してみたのに、コレは一体何たる
仕打ちであろうか!?コレからクラバーAさんと対面する時は、常に何か裏があるのではな
いだろうかと勘ぐらなければならないであろう。

 さて、初めて食べた喜久福であるが、中のアンコが透けて見える
薄目の餅が、食べてみると異常に柔らかく、伸びる伸びる。10cm位
は伸びた気配がある。水分をチト多めに含んだ様なコレも柔らかい
アンコ。更にソノ中に抹茶クリームが入っている。今こう言うコトを言
うと、はぁ〜?とか言われるかもしれないが、初めて萩の月を食べ
た時くらいのインパクトを感じた。

 また注文をしなければ!って思うと共に、喜久福同様、美味しい食べ物がまだまだ一杯あ
るのだからと、再び仙台への情熱が戻り始めたのであった。