品  名
 マルカンデパートのソフトクリーム
食べた日
2006/08/18
住  所
 マルカンデパート:岩手県花巻市上町6-2
営業時間
10:00〜19:00
電話番号
 0198-24-1111
定休日
水曜日(月1)

ソフトクリーム全景
ソフトクリームと粉チーズの比較
中身

前  説

  チョット前まではTVが、情報テクノロジーの最先端だったと思う。世界中のドコかで起こったどんな事件でも、瞬時に地球を駆けめぐり、お茶の間で文字通り、お茶を飲みながらTVを見ているダケで知るコトが出来る。

 今時はやっぱりインターネットだろうか。特にブログ。世界各地のドコカに住んでいる人の、取り立てて事件性も何にもない情報を、言語の問題さえクリアすれば知るコトが出来る。

 モチロンB食クラバーは、世界中の言語をペラペラ喋れる程精通しているワケではなく、情報収集の舞台は日本に限定される。ソノ中でも特にB食クラバーの心を捉えるのが、当然と言うか言わずと知れた食べ物情報。全国的には全く無名だが、ローカルエリアで抜群の人気を誇る食べ物を、幾らでも知るコトが出来る。

 ソンナ中で、B食クラバーのハートを密かにキャッチしていたのが、岩手県の花巻市にあるマルカンデパートの食堂で提供されているソフトクリーム。デパートの食堂でのソフトクリームなんて、言葉だけ聞くと珍しくも何ともないが、映像を見た瞬間に、B食クラバーは手にした杖を、声もなく落としたと言う。いや、元々杖なんか持っちゃいないが。

 映像で見るソフトクリームは、見事な迄の7回転半。一体何故こんなコトになってしまったのか、理由は様々あるのだろうが、どれを聞いても納得できそうもない。コノ、全長30cmはあろうかと言うソフトクリームが、なんと\140で提供されていると言うから驚きも2倍増しだ。

 地図でマルカンデパートの所在地を確認すると、花巻駅の近くにあるらしい。迷わずに行けるだろうと思ったB食クラバーだが、良く見てみると、マルカンデパートの近くにマルカン百貨店と言う建物がある。

 マルカンと言う名前が一緒なのだから、系列店とかそう言うコトなんだろうとは思うが、デパートと百貨店の違いじゃぁ紛らわしいったらありゃしない。両者の関係をハッキリさせたくてネット上で色々と調べて見るも、ソコに言及しているページにめぐり会うコトはなかった。更に、マルカンデパートで巨大ソフトを食べたって言う人と、マルカン百貨店で食べたって人の両方が存在する。

 一体ドチラが正しいのか、或いは両方で提供しているのか?様々な情報が交錯する中、以前食べたコトがあるクラバーRさんが、マルカンデパートで食べたよ!と言うので、ソチラに出掛けるコトにした。


Comment

 夕暮れの花巻市は当然だが帰宅のラッシュアワーなので、沢山の車で溢れ帰っていた。アマリ迷ったり出来ないよなぁ〜とか思っていたが、順調に辿り着くコトが出来た。

 マルカンデパートの駐車場に停めようとすると、駐車場係の人が大きく手招きをしたので進んでみたが、急に訝しげな表情に変わり、車の進行を止められた。『ウチに用ですか?買い物ですか?食堂ですか?』とか聞かれた。食堂でソフトクリームを食べるコトが目的なのでソノ様に言うと、中に入れて貰えたのだが、何か問題があったのだろうか?県外ナンバーは要注意!とか言う教育がされているのかもしれない。

 ココの駐車場はカナリ狭い。どれぐらい狭いかと言うと、狭さでは定評のある秋田ニューシティの駐車場よりも狭い。軽自動車がきっとギリギリで、普通車になるとサイドミラーを折り畳まずに駐車するコトがまず不可能。そのためか係りの人が最期迄キチンと誘導してくれる。先程訝しげな表情をされたコトなど全く忘れて、ありがとうとお礼を言った。

 まるっきり昔っからある感じの、トラディッショナルな店内のデパート。色んなトコロで語られているが、ドチラかと言うと懐かしい様な造りで、気のせいか店内に並んでいる商品にも、懐かしさを感じなくもない。デパートの常と言うか、食堂は最上階にあるのだが、店内の様子も見たかったので、ユックリとエスカレーターで登ってみた。

 最上階に到着すると、ソコは既に最上階の展望食堂の中であった。壁全体が大きいガラス窓になっており、ソコから花巻市全体の様子を見るコトが出来る。食堂内は、明るさを落とした間接照明にて照らされている。フロア全体に沢山のテーブルが並べられており、カナリの広さを感じるコトが出来る。

 ココの食堂は、当然ながら食券制。食品サンプルを見ながら、何を食べるか選ぶ。沢山のサンプルが並ぶショーケースから、目的のソフトクリームを探し出す。サンプルには番号が付き、ソノ番号を押して食券を購入するのだが、ソフトクリームの番号は1番。カレーとかラーメンとかの定番メニューを押しのけてのコトに、マルカンデパートのソフトクリームへの力の入れ具合を感じるコトが出来る。

 そのサンプルも、実物同様高さ約30cm。横にミニサイズのソフトクリームが並ぶが、大きさは約1/3。コレが\100で提供されているのだから、一体どういう計算の元に価格設定がなされているのか、不思議な気持ちになる。

 食券を握りしめ、テーブルに座る。カナリ広い店内に、フロア係の店員さんらしき人は、5名も見当たらない。あの店員さんを呼ぶには、結構な大声を出さなければならないだろうが、ソレはチト恥ずかしいなとか思った瞬間、店員さんがコチラを目掛けて歩いて来た。

 どうやら店員さんは、お客さんがテーブルに座ったのを確認してから、おもむろにツカツカと移動を始めるみたいだ。素晴らしいシステムと言うか従業員教育。サービスの基本はココにあるのかと、とかく接客態度が悪いと評判の秋田との違いを感じる。もっとも、このフロアにある座席が全て埋まる様な事態に陥った時は、コンナ具合にはいかないと思うが。

 ちなみにコチラのウェイトレスさんは頭に白い布で出来たカチューシャをしており、エプロンなんかもしちゃっているトコロから、ちょっと油断するとメイド喫茶なのかと思わなくもない。花巻の方々は、何?今頃メイド喫茶って?とか思っているのかもしれない。

 ソフトクリームを頼んだダケなのに、来るのが遅いなぁ〜と思いながら厨房の方を見てみると、さっき迄は見当たらなかったカーサンが、まるで試合前の格闘家みたいに、両肩をグルグル回し、クビを左右に振りながら、ウォーミングアップらしきコトをしていた。ヒョットしてアノ人が、噂のソフトクリームマスターだろうかと注意してみていると、コーンを片手にソフトクリームサーバーに向いだした。

 鮮やかな手つきでソフトクリームがグルグルと巻かれ、あり得ない高さのソフトクリームが、次々と作り出されて行った。さぁ、早くB食クラバーの手元に来い!と思っていたのだがナカナカ来ない。横でラーメンを食べていたカーサン達や、向かいでカツ丼を食べていた親子連れの元へと、絶えるコト無く運ばれ続けているのだ。

 やや呆気にとられていると、ようやくB食クラバーの目の前に、ソフトクリームが到着した。写真で見、サンプルで見て解ってはいるのだが、実際に本物を自分の目で捉えてみると、その尋常無さに目眩がしてくる。果たしてこのソフトクリームを食べきるコトが出来るのだろうかと不安になり、ふと周りを見回してみると、ソレゾレの方が、ソレゾレの食べ方をしていて又驚いた。

 ある人は巨大なソフトを1/3位のトコロから割り箸で切り取ってコップに入れて食べたり、又ある人は割り箸で直接ソフトクリームを食べている。この、規格外れのソフトクリームについては、箸で食べるのが正しい作法の様だ。スプーンなんか使おうモノなら一方向に力が入ったせいで途中からポキっとかいくだろうし、口で直接食べようとしたら、立ち上がった上で真上から垂直に口を落として行かねばならず、食べにくいコトこの上ない。

 ややバターが濃い感じのするソフトクリームだが、あっと言う間に無くなって行く。食べてる途中を見てみると、綺麗に中に空洞が出来ている。コレがあってコソ、コノ高さでも崩れないソフトクリームが出来るのであろう。このカーサンで無ければ作れないと聞いているが、それも納得してしまうしかない。この、ソフトクリームマスターたるカーサンが、例えば風邪とかひいた時はどうするんだろうと、心配でならない。

 正直、食べきれるのだろうかと少々不安もあったのだが、美味しいモノの前では杞憂でしかなかった。こんなモノを子供の頃から、当たり前の様に食べているのであろう花巻市民の方々を、非常に羨ましく思った。

 カツ丼を食べても、ラーメンを食べても、多分ソレが寿司でもカレーでも、花巻市民の方は、〆にソフトクリームを食べる習慣が付いているのだろうか。まぁ、ソレも納得の値段とボリュームである。マルカンのソフトクリームが、おそらく花巻市民のソウルフードなのだろう。