品 名
シャービック

メーカー
ハウス

買った店

スーパーランドヤマト  秋田市卸町1-1-2

食べた日
2005/04/02
TEL.

018-862-2036

シャービックのBilogへ>

前 説


 > びびさん
  なぜか突然シャービックがどうしても食べたくなり
  探してるのですが売ってるお店を見つけられません。
  どなたかどこかで見かけた方おりませんでしょうか?
  よろしくお願いします。

 と、突然の様に寄せられたびびさんからの問い合わせ。真っ先に思ったのは、シャービッ
クって何?ってコトだった。不思議に思いながらインターネットで検索をかけてみると、それ
は家庭で作るシャーベットの素らしきコトが解った。

 パッケージの写真なんかも画面には表示されているのだが、全く思い出せない。多分で
あるが、それはおそらく子供の頃に作ったり食べたりしたモノだろうと言う気分だけが漂って
来る。それがどうやら現在では入手困難らしく、何軒もの店を探しても見つからないらしい。

 B食クラバーは実は、自分が子供の頃のコトをよく覚えていない。いや、別に記憶喪失だ
ってワケじゃ無く、自分なりに覚えてるコトはモチロン幾つもあるのだが最近、って言うか東
京から秋田に帰って来たての頃、B食クラバーと接触するのを面白がって懐かしがってい
た家族が、昔はあんなコトがあったし、こんなコトもあったよね、あっはっは!とか話し掛け
て来たコトがあった。

 その話のどれもが身に覚えのないモノばかりで、まぁ子供の頃のコトだから仕方ないよな
と自分でケリを付けようとしていたトコロ、それは思っている程昔のコトでは無く、10歳位の
時の話らしい。それならば覚えていても良さそうなモノだがって言うよりも、ハッキリ、覚え
ていなければマズイんじゃないかと、通常の人の3倍位の勢いで脳細胞が死滅しているの
を実感してしまう。

 そろそろ、今会った人のコトを忘れないために、いつでも体中にマジックで、ソノ人の名前
と特徴を書ける様に準備した方が良いかもしれない。って言うか、記憶喪失とボケは全く違
うか。

 そんなボケ食人の考えなどよそに、多くの方を巻き込んでシャービックの捜索活動が繰
り広げられる内に、なんとなく思い出しては来た。しかし、イマイチまだハッキリしない。そう
こうしている内に、どうやら女王様が遂に、販売している店を探し当てたらしい。あやふやな
記憶を確かなモノにするためにも、買わなければならないであろう。今日の会社帰りに買う
ぞ!との意気込みを忘れ続け、ようやく手にしたのは、発見の報を聞いてから実に半月も
後のコトであった。

Comment


 早速箱を開けて中の袋を取り出す。そう言えば子供の頃、コンナ作業をしたかもしれない。
袋を開け、粉をボールに入れる。この辺の作業を頭で考えるでは無く、それよりも先に体が
勝手に反応してやっている辺り、鮮明な記憶は無いが、確実に経験したコトである証なの
だろう。って言うかシャービックに限らず、大抵の粉モノはボールに入れてかき混ぜるモノ
なのだが。

 メジャーカップを用い、正確な分量の水を入れたい。メジャーカップを使用して、例えば
200ccの水を計る場合、ソノ分量を示す横線の、下の辺が200ccなのか上の辺が200ccな
のか、それとも中間ら辺が200ccなのかいつも迷う。ちょっとでも多い量が欲しいので、今
回は上の辺でやってみた。この辺り、せこいと言われようが、コレが全てB食クラバーなの
で仕方ない。

 ボールに水を入れてかき混ぜるのだが、何回泡立器を回しても、底の方に粉が残ってい
る感触がある。小さいボールで作っていたため、斜めにしても底の方を見る事が出来ない。
次回からは大きいボールで作ろうと思ったが今回は間に合わない。一体イツになったら完
全に混ぜ合わされるのか不透明なまま、漠然とした不安を抱きつつ無心に泡立器を動かし
続けた。

 どれ程の時間かき混ぜ続けただろうか。粉が溶け、全てが液体と化した手応えを感じた。
今がその時。イッツ・ザ・モーメント・オブ・トゥルース。確かコレに入れたんだよなと、朧気な
記憶を頼りに製氷皿へと液体を流し込む。液体は凍ると膨張するため、個々の枠が見える
くらいの深さの辺りで注入を止めたいのだが、そうするとボールに、もう1つ氷が出来る位の
量が残ってしまう。

 完成度を求めるプロならば余計なモノは思い切って捨ててしまうトコロだが、B食クラバー
はプロでは無いし、そもそもシャービック作りのプロなんていないだろうと考え、残りの液体
も製氷皿へと注ぎ込んだ。枠組みはシャービックに隠れて見えない。

 完成まで2時間と説明書きされている。この時間を一体どうやって過ごしたらいいのかと
悩んだが、ちょうどネット上で、シャービックが冷えるまでの100の質問と言うのがあったの
でやってみるコトにした。コレに全て答え終えた頃には、2時間が過ぎ去っていると言う寸
法だろう。

 …。んがっ!終わらない。いつまで経っても終わらない。最初の20ヶ位は勢いよく答えら
れたのだが、その後はもう、どんな質問にも全く回答が思い浮かばない。100の質問って
色々なトコロで見掛けるけれど、今迄真剣にトライしたコトは無く、今回が初めてのコトだ
ったのだが、問題を考える方も大変だけれど、答える方にも忍耐力とか想像力とか基本
的な一般常識がなければならないんだなと気が付いた。振り返ってみると全て、B食クラ
バーに欠けているモノだらけに感じられて涙は止まない。

 気を取り直して2時間後、製氷皿を取り出してみたがマダ固まっていない。次に製氷皿を
取り出したのは6時間ぐらい後だったが、決して忘れていたワケでは無い。ことさら強調す
る必要も無いが、断じて忘れてはいなかった。

 固まったシャービックを取り出そうと、フツーの氷を取る様に力を加えてみた。いつもなら
ココで氷同士が、弾けあう音と共に勢いよく飛び出してくるのだが、そうならない。どうしてだ
ろうとジックリ見てみると、シャービック自身が潤滑油的なモノをだしており、そのせいで出
て来ないのだと気が付いた。イメージ的にはガリガリ君の様に固いアイスが出来上がると
想像していたのだが、どうやらチト違うらしい。ココにも記憶障害の影響が。

 散々苦心した挙げ句、シャービックは1つ1つ、フォークで突き刺して取り出すコトに成功
した。本来なら製氷皿に入れるべきで無い分量を入れたのも、今回の苦心の原因だったろ
うか。それ程固くないアイスが完成したのを見るにつけ、次回作る時は製氷皿なんかに入
れず、ちょっとソレっぽいカップなんかに入れてみようと思った。取り出す時の苦労も無い
だろう。

 さて、製作から試食までの一連の流れの中で、あぁ、コレ昔良く食べてたよ!って言う記
憶が鮮烈に蘇るコトを期待していたのだが、そんなコトは無かった。朧気なモノはやはり朧
気なままである。今回はイチゴ味を食べたが、次はメロン味を食べようと思う。その時コソ、
片っ端からノートに書き留めていった細切れの記憶が戻った時の様な、ソンナ充足感を得
られるに違いない。