店  名
 とんぼ亭
食べた日
2009/02/14
住  所
 秋田県秋田市外旭川字八幡田209-4
営業時間
12:00〜15:00 17:00〜23:30
電話番号
 018-869-7616
定休日
不定休

とんぼMIX(焼き上がる前)
とんぼMIX(焼き上がり)
ギョーザ天(焼き上がる前)
ギョーザ天(焼き上がり)
オムそばめし(焼き上がる前)
オムそばめし(焼き上がり)

前  説

 B食クラバーが時々、我を忘れる程無性に食べたくてしょうがなくなるモノ、ソレがお好み焼きだ。食べたい気分がピークに達した時などは、一食食べ終わった後に次は何を食べよっかなーと考えると真っ先に思い付いてみたり、何かの合間々々に淡い初恋の思い出の様にお好み焼きのイメージが脳裏を通りすがったり、色々な仕事を一辺にコナさなければならない様ないわゆるパニック状態!の時にお好み焼きを美味しそうに食べている自分を想像してみたりするコトもあるぐらいだから、コレはもう立派なメンタルディジーズであると、人によっては言われるかもしれない。

 関西人ならば毎週土曜日はお好みの日!とか言って、みそ汁とゴハンのオカズとしてご家庭で食べたりもするのだろうが、あいにくB食クラバーと来たらチャキチャキの東北っ子で、そりゃぁ今迄に家でお好み焼きを焼いたコトも何度かあるけれど、ヤハリ外で食べた方が断然美味しいし、でもだからと言ってイザ外食しよう!って思うと、お好み焼きが優先順位の最高位に来ないと言う矛盾を抱えつつ過ごす毎日。

 『食べたいモノはソノ日の気分によって違うから(食料品の)まとめ買いはしないの』と、リーサルウェポン2の中でパッツィ・ケンジットは言っていたが、ソレにしたって変わり過ぎだ。

 今日が締切なのに一向に机に向かう気配を見せず、次々に気になる場所を見つけては掃除を繰り返し、担当編集者をヤキモキさせる遅筆の小説家の気持ちが、何となく解らないでもない。煮え切らないとか優柔不断だとかは、B食クラバー的に聞き慣れた単語だ。

 秋田市内でお好み焼き店と言えば、名店と言われたぼてふくが先日閉店したバカリだが、マダ行ったコトの無い店が何軒かある。お好み焼きに限らず、一度も食べたコトが無いのに閉店してしまった!美味しいって聞いていたのに!行こうと思っていたのに!なんて店が多すぎては悲しすぎる。

 何年も前に(確か)ユカイさんがココ好き!って言ってた店とんぼ亭も、店の前を通り過ぎるコトは何度もあったのに、ソノ見事な迄の素通りっぷりから考えるに、コノママでは永久に訪れるコト無く人生を終えてしまいかねない。

 次にお好み焼きを食べる時はとんぼ亭で!と心は決まったモノの、大概にして何か外食をしようと考えた場合三択となり、いつもいつもとんぼ亭はB食クラバーの中で3位に終わっていた。万年3位、ブロンズコレクターなる言葉がB食クラバーの心に去来するが、ソレってとんぼ亭に対して失礼なコトこの上ない。

 他の料理店は1回ランクインすると、再びランクインするまでモノスゴク時間がかかるのに、とんぼ亭に関してはず〜っとランクインしっ放しだ。まるで1度も週間1位を獲得しないまま2004年の年間売り上げNo.1に輝いた、『瞳をとじて(by ken hirai)』みたいな状況に。

 一体コノ記録がイツまで続くのか確かめてみたい気持ちもあったが、いい加減疲れて来た様な気もする。イツまでも堪え忍んで、あみんの様に待ち続ける!なんて言うのはB食クラバーのキャラクター的にあり得ない。煮え切ら無さが世界一なら、堪え性の無さは天下一だ。

 もう何でも良いからとんぼ亭に行ってしまおう!と思い立ったのが、世間的にはラブラブムードが溢れかえり、ソレだけでは足りずにトグロを巻いて絡み合っているサマが、富士山麓に放置されているゴミ迄映ってる衛星写真並に鮮明に、B食クラバーの瞳には見えた2月14日の聖バレンタインデー'sナイト。

 お好み焼きとバレンタインではイカにも不釣り合いな気がするが、所詮B食クラバーときたら世間の浮かれ気分には乗り切れない日陰の身。逆にコレこそが最もB食クラバーに相応しい…とか言ってしまうと、ヤッパリとんぼ亭さんに失礼な気が。

 もうとにかく、何でも良いからとんぼ亭へと出掛けてみた。


Comment

 ず〜っと以前から秋田市民に親しまれている店だから、とんぼ亭の駐車場はいっつも混んでいて、モチロン今日も沢山の車が停まっていた。少ない空きを見つけて店内に入ると、空いているテーブルはワズカに1つ。準備が出来るまで少々待つコトとなった。

 4人掛けのテーブルが5〜6卓と、後は大人数用のテーブルが1卓あったが、もしかしたらソレは、小さいテーブルをいくつか組み合わせて出来たモノなのかもしれない。入り口横のウェイティングスペースにインターネットが出来そうなPCが1台設置されていたが、アレは誰でも気軽に触って良いモノなのだろうかと気になる。

 壁には沢山のメニューが、大きい写真入りで貼られていて、いつものコトながら何を注文しようか非情に悩む。散々迷った結果、とんぼ亭の名前を冠したお好み焼きのとんぼMIXと、以前から気になっていたギョーザ天、壁の写真を見た時からコレにしよう!と思っていたオムそばめしを注文してみた。

 とんぼMIXはイカ・エビ・ホタテ・豚肉・牛カルビ・青シソと、スタンダードでありつつも代表的な具が入った、正にタイトルロールに相応しいお好み焼き。さぁ焼いてみるか!と思ったトコロで店員さんが、『(作り方)大丈夫ですか?』と聞いてきたので、ココは素直に作って貰うコトにした。

 結構なボリュームのあるコノお好み焼きは、マズ生地を半分焼き、程良い所で生のままイカ・エビ・ホタテ・豚肉をソノ上に置き、続いて残りの生地を載っけて更にソノ上に牛カルビとシソを重ねると言う、お好み焼き版ハンバーガーの様な作り方であった。

 コレは作るのを頼んで良かったと、心の底からホッとして出来上がりを待つ。6分程経てば食べ頃なのだそうだが、生地と生地の間にあるイカ・エビ・ホタテ・豚肉は蒸し焼きの状態なので、もしかしたら生焼けかもしれないし、といらない心配をしたB食クラバーは、更に2〜3分待ってみた。ソース・マヨネーズ・カツオ節・青ノリをかけ終わる頃には、若干生地が焦げかかっていたかもしれない。

 ギョーザ天にはニラ・豚ひき肉・玉ネギ・ニンニク・卵が入っていて、名前の通りギョーザの具っぽい。コチラの方は作ってはくれなかったが、作り方を教えて貰えた。1回で全部は焼かずに、何回かに分けて薄焼きせんべいの様に焼くのだとか。オムそばめしも店員さんが持って来てくれたが、後で作りに来ると言うコトだったので、ソレはひとまずおいとくコトにした。

 そして、食べる!

 タップリの具が入ったとんぼMIXは、胃の中に収めるのに相当な労力が必要なんじゃないかと思ったが、とんぼ亭でのお好み焼きの生地には、やまと芋と豆乳がメインで使われていて、小麦粉はスプーン1杯分しか使用されていないらしく、そのせいかライトな感覚で、食べるペースも結構早い。生焼けかも?といらぬ心配をしたイカ・エビ・ホタテも食べ応えバッチリ。

 ギョーザ天は食べてみると、何かに似ているよなーと気になった。大概にしてこう言う場合、カナリ時間が経過した後で思い出すのがB食クラバーの常なのだが、美味しいモノを食べていると脳みそに対しても血の回りが良くなるのか、スグにコレってチヂミだ!と気が付いた。

 いやぁ〜ギョーザ天ってチヂミに似ているよねぇ〜と思いながら食べ進めるが、今度は逆に、チヂミとギョーザ天の違いって何だろう?と気になって仕方ない。そう言えばさっき入り口のトコにPC置いてあったよな〜とか思うモノの、今正に食事を進めている中、テーブルを離れる気分にはなれなかった。

 とんぼMIXとギョーザ天を食べてホッとした気分のB食クラバーは、店員さんがオムそばめしを作りに来てくれるのを、今か今かと待ち構えていた。店員さんが隣のテーブルを片づけに来たので、先に注文した2品は食べ終わりましたよ!さぁオムそばめしを作って下さい!とか思って、3品目だしアホみたいにノンビリしたムードを醸し出してみるも、片づけ終わった店員さんは厨房の方へと帰ってしまった。

 しかし、忙しく店内を歩き回っているので、ソノ度に何度も何度も食べ終わったオーラを(B食クラバーなりに)強烈にアピールしてみるも、一向にコチラに気付く気配がない。もうこうなったら最後の手段、お願いですから作って下さい!と言わんバカリの心意気で、『すいませぇ〜ん』と手を挙げると、ようやく店員さんが来て作ってくれた。

 コチラも作り方は高度で、麺やソノ他の具を細かく刻みつつ炒め(B食クラバーがやったらコノ作業ダケで一汗掻きそうだ)、つぶした目玉焼きの上に乗っけた後は更にもう1ヶ、半熟の目玉焼きを乗っけた上にソースをふりかけて出来上がり。コレももう、完全にB食クラバーには無理な作業だった。

 コレらの作業をセルフで出来る様になれば、立派なとんぼ通と言えるだろう。って言うかソノ場合、お客さんと言うよりも店員さんっぽいが。他のお客さんに『次コッチおねがいしまぁ〜す』とか言われそうでコワイ。

 振り返ってみると店内には、家族連れや友達同士の他に、カップルも何組かいた。何組かいたって言うよりも、半分はカップルだった様な気がする。

 もしかしたらバレンタインデイに甘いチョコレートを食べ過ぎた彼ら&彼女らは、なにかショッパイもの食べたいよね!とか言って、じゃぁお好み焼きを食べよう!とか思い付いたのかもしれない。

 だとしたら、バレンタインデイにお好み焼きを食べよう!と考えたB食クラバーの行動は、案外的外れじゃなかったのかもな、と思ってみたりした。