店 名
七海

住 所

秋田県秋田市川尻

初回訪問日
2004/05/20
TEL.

018-

営業時間

前 説


 秋田県の海沿いをドライブする時、そのラーメン屋があるのは目に入っていたのだが、特
に何か惹かれるモノがあるワケでも無く、いつも通り過ぎていた。このラーメン屋の評判が
結構良いと言うコトは、ワリと最近聞いて、それから以後、店の前を通る度に、以前よりも注
意して見る様になったのだが、街中にあるでも無い、冬場の海の家って風情が漂う(失礼だ
が)掘っ建て小屋フレーバー満載の建物の駐車場には、大体満車に近い台数の車がいつ
も止まっているコトに気が付いた。

 インターネットで検索してみると、秋田のラーメン好きの方々の間では何だか有名な店らし
く、知らないなんてのはあり得無さそうな感触が伝わって来た。コレは一度とは言わず行っ
てみなければなるまい。何度か、今日は七海に行こう!との気運が高まった時があったの
だが、その度に他の用事で却下となり、ナカナカ行けずにいた。

 それでも確か3月の終わり位のある日、遂に七海へと出掛けるコトが出来た。意気揚々と
駐車場に車を停めたモノの、1台も車が停まっていない。今日は空いてるや、ラッキー!と
はモチロン思わずに、ヒョットして今日は休みだろうかとか、休憩時間なのだろうかと冷や汗
をかきながら玄関の前に立ってみると、修行のため出掛けております、と言う旨の貼り紙が
してあった。

 ラーメンの修行とは如何なるモノか。ステロタイプなイメージとして、炎・真剣・滝・山籠もり
断食は欠かせないし、壁の穴にボールを通して、庭の木に当てて跳ね返すキャッチボール
も外せない。それから大リーガー養成ギブスとか石を入れた雪玉とかも。ついでに巨大な鉄
球をバットで打ち返すのも良いかもしれない。

 どの様な修行が行われたのか解らないが、艱難辛苦の修行を終えた店主が帰って来て、
再びラーメンを作り始めたと聞いた。しかしある日、七海の前を通りかかった人から、七海は
閉店したとの情報が寄せられた。何たるコトか。必ず食べてみたいと思っていたラーメン屋
が、一度も口にするコト無く閉店していたとは!

 世の無常を噛み締めながら、B食クラバーにとっては幻となったラーメンに思いを馳せるコト
数日。しかし今度は、七海は閉店では無く移転したと言うコトが解った。しかもB食クラバー
が勤める会社の近くに!コンナに嬉しいコトは無い。

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Sesion #1


 朝イチから行われる会議は気だるい。一対どう言うツモリでコノ様な時間に設定したのだ
ろうか。無意味とも思える時間が経過し、会議が終わったのは正午直前。重苦しい雰囲気
から一刻も早く解放されたい。とにかく会社から一歩でも飛び出したい気持ちを押さえ切れ
なかったので、準B食クラバーN3さんと元免停さんを伴って、昼は外で食べるコトにした。

 絶好の機会だし、七海に行こう!と提案してみると、意外と色んなトコの美味しいモノを知
っている元免停さんが、『今から下浜?』と驚く。秋田市中心部から下浜迄は、車で約20分
程度かかるので、行って帰って来るダケで昼休みが終わってしまうのだ。安心して下さい、
会社の近くに移転したんですよ告げると、是非行ってみよう!と言うコトになった。

 駐車場は満車で店内もほぼ満員だったが、丁度良く空いてるトコロが見つかった。新規開
店した七海の場所は以前、喫茶店だったトコロで、下浜の七海同様、その喫茶店にも入っ
たコトは無いが、長いカウンターが2列ある様な、少し変わったレイアウトになっている。

 壁側には、壁と一体になった椅子が設けられ、店の端から端まで続いている。その前に
テーブルが置かれているのだが、壁と反対側には特に椅子が設けられているワケでは無く
気軽に持ち運びできる様な小さい椅子が数脚並んでいるダケ。コレがテーブルに必要な分
ダケある様には見えない。

 基本的にテーブル席では、2人並んで食べて下さいと言うコトなのだろうか?熱々カップル
ならソレも良しだが、単なる会社の同僚同士が2人横並びするのは如何なモノか。コレは下
浜にあった時からのモノなのか、喫茶店の配置をそのまま利用したモノなのか、今となって
は知る由もない。それぞれに注文をし、ラーメンの到着を待った。

 最初に準B食クラバーN3さんの塩、続いてB食クラバーの塩とんこつが届き、お先に失礼し
て食べ始めた直後に、元免停さんの醤油が届いた。が、コノ時!ラーメンを持って来た店員
が床に蹴躓いてラーメンをこぼすと言う、最近ではドリフをトリビュートしてます!とあらかじ
め宣言しなければ誰もやらないコントの様な光景がリアルに目の前で展開。店中の視線が
その店員に注がれたが、ドリフと断らなかったせいか、誰も笑うお客さんはいなかった。最
後にダメだコリャ!と言う必要があったろうか。

 慌てる店員。しかし彼は、根性でどんぶりを手放すコトはしなかった。そのお陰と言うか、
ラーメンはスープが3分の1零れた程度で済んだ。幸いにして人に掛かるとか言うコトもなく、
テーブルと床を汚すに留まった。店員は新しいモノを作り直してきます!と言ったが、心優し
い元免停さんは、ソレで良いです、新しいのはいりませんと、後光が差す様な発言をした。
店員にとって元免停さんは、正に神様に見えていたに違いない。

 ラーメンを食べる3人。気が付くと、元免停さんが尋常ならない量の汗をかいている。一体
何故?何かまずいコトでもあったのか?と思ったが、どうやらテーブルに置かれている辛み
を入れた様だ。コンナ辛み程度でそんな汗をかくなんて、元免停さんもまだまだチルドレンだ
なとか思いながら、B食クラバーも入れてみた。すると!

 最近酷い目にあったので辛さには慎重になっており、ティースプーンに半分位ダケ入れて
みたのだが、ソレが激烈に辛い!油断してスープを飲み込むと、アマリの辛さにむせ返るコ
ト確実。思い返すと元免停さんは、スプーン2杯位入れていた感じがする。半分でアノ辛さな
らば、2杯では一体どうなるコトか。想像するしかないその現象が、今正に目の前で展開さ
れている。元免停さんは顎の下に貯めた大量の汗をハンカチで拭きながら食べている。

 数日前の自分を見ている様で心が痛い。自分はコンナ姿を人様に晒していたのかと思うと
穴があったら入らずにはいられない心境に陥った。他の2人の怪しげな気配に気付いた準B
食クラバーN3さんはスプーン1杯の辛みを入れたが、塩ラーメンのスープとは思えない程一
瞬の内にスープが真っ赤っかに。入れなきゃ良かった!と後悔しながら食べる羽目に。

 幾つかのアクシデントに見舞われながらも、ようやく七海のラーメンを食べるコトが出来、
一安心。コレからは辛みを、スプーン4分の1杯から徐々に増やして行こうと思う。トコロでコ
ノ店、どう言う謂われで七海と言うスイートな響きを伴う名前になったのか気になる。いつか
機会があったら聞いてみたい。

2回目訪問日
2004/05/29

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Sesion #1


 後日、クラバーMさんと共に七海を訪ねてみた。土曜出勤のランチは以なほで!と誓い合
った仲なのだが、当日はチョット肌寒い日だったので、何かこう、もっと暖かい感じがするモ
ノを食べたかった様だ。B食クラバーとしては別に以なほで暖かいウドン食べれば良いジャ
ン!とか思っていたのだが、本日のクラバーMさんは、どうやらウドンの腹では無いらしい。

 今回は少しフライング気味に会社を出たため、駐車場も店内も空いていて、好きなトコロに
座れた。何を頼んで良いか思案に暮れたクラバーMさんは、先日来た時にはいなかった女
性店員をつかまえて、『一番の自慢は何ですか?』と聞いた。すると、『しおとんこつです!』
と、女性店員が、元気はつらつなウエトアヤの様に返事を返して来た。

 じゃぁ、塩とんこつにしますか!オフコース!と、コチラも元気に答える準備をしていたのだ
が、クラバーMさんは次の瞬間、『んじゃスタンダードに味噌下さい!』と、天地がひっくり返
る様なコトを言う。何が起きたのか、未だに理解できていない様子の女性店員。予想外の
状況に足下をすくわれたB食クラバーまで、芋づる式の様に『塩下さい!』と言い出す始末。

 せっかく店自慢の逸品を(恐らく)自信満々に答えたのに、誰1人注文してくれない空虚さ
と言ったら、一体いか程のモノがあるだろう。食堂でお客さんが注文を述べた時、『天ぷらう
どん。』、『カツ丼。』、『カレーライス。』って言った後店員が、『コーヒー3つですね!』と返し
て、画面が激しく上下に揺れる吉本新喜劇テイストに近いモノがありそうだが。

 大コケを寸でのトコロで止めた女性店員は、まもなくラーメンを持って来てくれた。先日食
べた塩とんこつは良い感じだったのだが、塩は少々スープが薄く感じる。そんな時のために
コノ店では、自分で味を調整できる様にと各スープのタレが置かれている。早速入れてみる
B食クラバー。しかし、いくら入れても好みの味にはならない。そんなB食クラバーの様子を
見て、クラバーMさんも味が薄いと感じたのか、辛味の投入を開始した。

 『うわっ、何コレ。辛くて食えないジャン!』と言う反応でもあれば、このページを更新する
良いネタになるよな!と思い、スプーン山盛り2杯入れるクラバーMさんを制止するコトは無
かった。目の前で大交通事故が起こっても、平気で写真を撮り続けるカメラマンの心境もこ
んなモノなのかとバーチャル体験。

 しかしソノ後、予想もし得ないコトが目の前で展開。辛味を2杯山盛り入れたのにも関わら
ず、平気でラーメンを食べるクラバーMさんがソコに!しかもマダ足りないと言って、もう1杯
つぎ足すでは無いか!

 あっけにとられるB食クラバー。クラバーMさんは汗1つかくでも無く、平然と涼しい姿でラー
メンをすすっている。その横顔には、潔いまでの涼しさを感じる。『ウン。コレでようやく良い
感じになった。』と、あくまで爽やかに語るクラバーMさんを前に、ヒョットして今日のはソンナ
に辛くないのでは?と考えたB食クラバーは、自分も辛味を入れてみるコトにした。しかし、
前回のイメージが生々しく残っていたので、やっぱりスプーンに半分ダケ。

 辛味が広がるラーメンを1口すするB食クラバー。だがソコには、数日前に体験したのと同
じ辛さがあるのみであった。ほんのチョット前までクラバーMさんは、僅かでも辛いモノを口に
すると、『舌が麻痺する!』とか言っていたモノだが、1年の間に2度韓国旅行を行った前と
後で、味覚に変化が生じた様だ。

 コレからクラバーMさんと辛いモノを食べに行く時は、より一層の注意が必要だと言うコトが
解ったダケでも収穫とすべきか。

塩とんこつ \700   塩 \700   醤油 \700