店  名
 荒磯
食べた日
2006/09/29
住  所
 秋田県秋田市山王1丁目2-22
営業時間
11:00〜27:30
電話番号
 018-862-0148
定休日
無休

味噌
塩
餃子
ゆで卵

前  説

 東京で働いていた頃、同じ職場に秋田出身の後輩がいた。東京に住んでいると、時々秋田出身だって言う人と会うコトがある。自己紹介の最初で、『私も秋田の出身です!』とか聞くと、オォーっ!ってな感じで異常な程アドレナリンも大量に分泌しはじめ、日頃、持っているんだかどうなんだか解らない愛郷心に火が付き始める。

 しかしイザ、秋田の話題に花を咲かせよう!とか思って、秋田のドチラの出身ですか?とか聞くと、大概が花輪とか稲川とか矢島とかって答えが帰って来て意気消沈する。高校生迄しか秋田に住んでいなく、生活の殆どの部分で秋田市近郊から離れたコトの無かったB食クラバーにとっては、共通の話題で盛り上がろうと思っても、ソノ材料がないのだ。

 急激に冷え去って行く愛郷心を感じながら、秋田市内の話題なら盛り上がれるのになーと寂しがっていたB食クラバーにとってソノ後輩は、初めて出来た同じテーマで秋田を語り合える貴重な友人となった。

 まぁ色々と共通の話題で盛り上がったモノだが、1つダケその後輩と、理解し合えないモノがあった。なんとソノ後輩は、ラーメンが嫌いだと言う。青天の霹靂と言うか何と言うか。カレーライスと並んで日本の国民食と言われるラーメンを嫌いな日本人が果たしているのかと、最初は冗談なんだろうと取り合わなかったのだが、どうやらホントにキライだと知り、ソンナ人間もいるのかと、改めて人の好みの多用さを思い知ったりもした。

 何故キライになったのか、ホントのホントにキライなのかと、何度か詰め寄ったコトがある。それ程までにラーメン嫌いと言う事実が信じられなかったのだが、後輩にしてみれば、もういい加減にしてくれよ!と言う思いでイッパイだったコトであろう。

 ソンナ中で1度ダケ、荒磯のラーメンは好きだったと、ボッソリとつぶやいたコトがあった。当時のB食クラバーの認識としては、荒磯はラーメン屋と言うよりも、ラーメンみたいな食べ物を提供する店と言う印象が強かった。一応チャンポンと言うコトで名前が通っているのだが、相変わらずB食クラバーの、秋田のチャンポンは全国的にもイコールなのか?と言う疑問が渦巻いていたため、そんな風に思っていたのだが。

 ラーメンを嫌いな人が、荒磯を好きだって言うのにも、そんなワケで妙に合点がいった。秋田に帰って来て荒磯に行く度、ラーメン嫌いな後輩のコトを思い出す。



Comment

 急にくしゃみが出て目が覚めた。気が付くと鼻水もたまりにたまっている。コレは風邪かと疑うが、前日は何ともなかった。風邪をひく時ってのは大概前兆らしきモノがあって、チョット熱っぽいなぁとか、鼻が出るなぁとか、さっきからクシャミを連発してるなぁとかありそうなモノだが、本気で健康体のままで眠りに就いたと信じていたので、一夜明けてのコノ事実を、現実として理解できない。

 コレが春先だったら、あぁ毎年恒例の花粉症シーズンの到来かと、うららかな季節の始まりとは対照的に、気分は真っ逆さまに落ち込んで行くのだが、そんなシーズンでもない。誰かが寝ているB食クラバーの枕元で、コショウを大量に振りかけたりでもしたのだろうかと疑わなくもない。

 最近そう言えば、前日まで何ともなかったのに、激しい差し込みで目をさましたコトがある。もしかして、コレからこんなコトばかりが増えて行くのだろうかと考えると、自分の将来が心配でならない。

 風邪をひいたのだろうかと振り返ると、思い当たるフシが無いワケでもなかった。昔からB食クラバーは、風邪をひく前日辺り、異常な食欲に見舞われるコトがある。考えるに、コレから風邪をひくから、体力を蓄えるために、前もって沢山食べておきなさい!と言う体からのサインなのだろう。昨夜も、食べても食べても腹が減って困っていた。

 ココまで来たらコノ現象を、風邪と捉えて対処せなばなるまい。しかし、病院に行ったり薬を飲む程でもないよなぁと考えたB食クラバーは、食事でどうにかならないかと考えた。温かい物を食べて、ソレで体から風邪菌を追い出そう!と言うプランだ。

 そのプランの元思い浮かんだのはカレーとラーメン。その中で、最近行っていなかった荒磯ラーメンを食べたくて仕方なくなってきた。アソコならニンニクも入れ放題で、精力も付くに違いない。荒磯に行くといつも、何を食べようか迷った挙げ句、味噌か塩を頼むのだが、今度来た時はあんかけのピリカラを食べよう!と思って、いつも忘れている。今回も、ピリカラの存在を忘れて味噌を注文してしまった。

 確か昔は、各テーブルの上にカゴとかあって、その中にゆで卵が山積みになっていた様な気がするが思い違いだろうか。現在は店内中央部にゆで卵の入ったカゴが置いてあり、1人1ヶだけ無料で食べるコトが出来る。同じトコロに紅生姜と漬け物が置いてあり、それも自由に食べるコトが出来る。

 恐ろしいコトにソレらの入れ物のフタには、『食べ残した場合は\100頂きます。』と書かれている。一体、紅生姜や漬け物を食べ残す程山盛りにするとはドレ程の量なのか。そう言うコトをする人が多かったからコソの注意書きなのだろうが、それにしても少々ビビらざるを得ない。

 料理が到着した。ゆで卵を半分だけ麺に入れようと思って箸で割ろうとしたが、フニフニして割りづらい。あれ?もしかしたら…と思ったら半熟卵だった。今時のラーメン屋では半熟卵が大流行だが、まさか荒磯もそうだとは思いもよらなかった。昔来ていた頃は完全に火の通ったゆで卵だったのだが。いつから半熟になったんだか解らないが、ソレだけ長い間B食クラバーが、荒磯に来ていなかったと言うワケだ。

 ゆで卵が半熟になったコト以外、昔とは変わらない様に感じる。豚肉・イカ・ヒモ・茎ワカメなど、海鮮系の具もタップリ。ニンニクと辛子味噌をタップリと入れる。コレで体の内側からも、ホカホカ暖まりまくるに違いない。

 夜になり、気が付くと風邪をひいている様な気配は、ドコカへ消し飛んでいた。流石。コレからも、困った時は荒磯に頼るコトにしよう。そして今度こそは忘れずに、ピリカラを食べてみたい。ラーメン嫌いの後輩を思い出しながら。