店  名
 あさひや
食べた日
2007/05/11
住  所
 秋田県秋田市添川字地ノ内175
営業時間
11:00〜15:00 17:00〜21:00
電話番号
 018-834-1173
定休日
月曜日

ピリ辛冷やしつけ麺
麺
つけダレ
具
手作りぎょうざ

前  説

 受け入れがたい現実が、目の前に存在している。

 外食したい気分のB食クラバーが、さて何を食べよう!って考えた時ソノ上位には必ず、つけ麺がランクインしている場合が多い。ソレもカナリの頻度でベスト3に入っている。

 コレもクラバーKの策略か。案の定、B食クラバーをつけ麺体質に変化させたクラバーKは、近頃御飯を誘って来ない。B食クラバーをつけ麺好きに洗脳できたコトに満足した(であろう)クラバーKはもしかしたら、次の獲物を狙っているのかもしれない。なんか最近アノ人、つけ麺バッカリ誘ってくるなぁ〜って感じたら要注意。是非ともソノ人との関係を、足元から見直して貰いたい。

 つけ麺が流行っているからかどうか解らないが、街インフォメーション誌のラーメン特集で、何軒かつけ麺を提供している店が紹介されていた。あ〜、ラーメン特集ね。新店紹介だったり、順位付けだったり、毎日の様に新店がオープンする大都会とは違い、ソレ程変化の無い秋田で、毎回々々大変だよなぁ〜とページを送っていた指先がピタリと止まる。おぉ〜、美味そうぅ〜とか思っていると、ソレが決まってつけ麺を紹介しているトコだと気付いて突然嫌気が差す。

 あぁっ、B食クラバーをつけ麺漬け(ややこしい)に変身させたクラバーKが憎い!憎いったらありゃしない。でも雑誌で紹介されているコノつけ麺を食べたい!食べたくて食べたくてどうにもならないのっ!と、どうしようもない焦れったさが込み上げてくる。あぁ誰でもいいから、コノ疼きを静めて頂戴よっ!ってな感じでもしかしたら団地妻は、クリーニング屋の兄さんとの情事に溺れたりするのだろうか。って、そりゃー安っぽい週刊誌の読み過ぎですか、そうですか。

 以前ラ・カスガが入っていた建物が、ラーメン屋に変わっていたのは暫く前の話で、『手作りギョーザの店』とか書かれていた看板だかノボリだかを見る度に、一度入ってみたいと思っていたがナカナカ行く機会がない。『チャンスなんて作るモノよ。』と、過激なガンマ乗り、ステップ削りの通り名を持つサチならこう言うのだろうが、残念ながらB食クラバーには2輪の免許は原付しかないし、フォルテの記号が入ったメットも持っていないので、自らチャンスを作り出すコトは出来ない。

 只々、全てのベクトルがソノ店、あさひやに向かうのを待つしか無かったのが雑誌を見た瞬間、隙間だらけだったB食クラバーとあさひや間に横たわるジグソーパズルの空きピースが全て埋まった。

 …チャンスは作られた。


Comment

 風除室の扉と玄関の扉が織りなす不思議なセットバックワールドを乗り越えて店内へ。内部の構成はラ・カスガの時とさほど変わらない様だが、一番奥に小上がりが出来ていた。やはりラーメン屋には小上がりが欠かせない。

 最初っからつけ麺以外のモノは食べるツモリは無かったのだが、習慣的に一応メニューに目を通す。とソコに、つけ麺の文字を見つけられずに焦りまくる。あれぇ〜確か4月下旬からって書いていたんだけどなぁ〜と思い、狼狽えながら意味もなく店内を見回すと、壁につけ麺と書かれた貼り紙がしてあったのを見つけ、安心して注文する。元々コノ店が気になっていた原因であるトコロの、手作りギョーザも頼んでみた。

 麺・タレ・具がそれぞれ、違う器に盛られてやって来た。具はメンマ・ミニトマト・千切りキューリ。見た目からピリ辛を想像させるに易しいタレは、赤みがかっていて、ネギなどの薬味的なモノがあらかじめ入っている。麺は、つけ麺にありがちな太麺ではなく、細麺でもないフツーの太さ。透明感が高く、ツヤツヤしている。山のような形に盛り上げられた麺には、刻みノリがかかり、チャーシューが2切れ。

 麺が山の様に盛り上がっていたり、千切りキューリが添えられていたり、メニューに冷やしって謳っているコトも考えると、コチラで提供しているピリ辛冷やしつけ麺は、つけ麺と言うよりも冷やし中華の変形バージョンと考えた方がいいのだろうか。しかしB食クラバーは冷やし中華好きでもあるので、むしろ望むトコロだ!って気がしないでもない。

 適度なピリ辛具合に刺激され、コシのある麺がツルツルと喉を通って行く。噛み応えもたまらない。そうして食べていくと、冷やし中華とは随分違うんだなぁと思うに至った。

 B食クラバーが考える冷やし中華には、富士山の形に盛られた麺の周りに、千切りキューリの他にピンクのハムと錦糸卵が乗っかっている。ゴマがパラパラと振りかけられて、皿の隅っこに練り辛子なんかあったら申し分ない。タマ〜にクラゲなんか乗っかっていると、贅沢なコトこの上ない。そして何より、アノ甘酸っぱい付けダレに食欲をそそられる。

 子供の頃はアノ甘酸っぱい付けダレが口に合わなくて、ソレで冷やし中華が嫌いだったんだよなぁ〜と思い返してみる。暑ぅ〜い夏でも、周りの人が涼しげに冷やし中華を食べる中で1人、熱いラーメンを食べては、ソノ付近の温度を2〜3度は上げていたのではなかろうか。ハムもキューリも錦糸卵もパサパサに乾いちゃったりなんかしているのを目にしては、世間の人ってよくコンナの食べるよなぁ〜って思っていたハズなのに、一体イツから冷やし中華好きになったのかサッパリ解らない。大人になると、子供の頃嫌いだったモノばかり好きになるってコトなのか。

 そう言えば、美食好きで有名なアノ陶芸家も、『冷やし中華だとっ!?ふざけるなぁっ!!』とか怒髪天にも届くのか!って勢いで罵倒しまくった後結局、冷やし中華も新しい中華料理の可能性…ってな感じで認めたりしていたよなぁ。なぁ〜んてコトを考えていたら、今目の前にあるピリ辛冷やしつけ麺と冷やし中華では、随分印象が違う様に感じられた。コチラのが圧倒的に上品だ。冷やし中華の変形…なんて言ったら、店主に怒られてしまうに違いない。コレはヤハリ、冷やしつけ麺なのだ。

 冷たいスープ、冷たい麺、冷たい具で美味しい麺料理を作りたい!と望んだ、美食好きで有名な陶芸家のアノ放蕩息子も、納得の一品ではなかろうか。

 しかしB食クラバーは、乾いた具・胸焼けがする程甘ったるいスープ・ソレに浸ったヘロヘロの麺って言う、いかにも!って感じの冷やし中華が大好きになっているのでソコがヤハリ、究極と至高を追い求めて美食にチャレンジし続けるアノ親子達とは違う。だからコソ、美食ではなくてB食なんだなぁ〜って改めて思ってみたり。