店  名
 陳麻家 秋田外旭川店
食べた日
2008/09/03
住  所
 秋田県秋田市外旭川字八幡田121-1
営業時間
11:00〜0:00
電話番号
 018-869-9655
定休日
無休

坦々麺セット
坦々麺(並)
ハーフセット
陳麻飯(半)
極上小龍包
陳麻アイス \180

前  説

 驚きは、いつも突然訪れるから驚きなのか。何食わぬ顔をして日常を装いながら近づき、気が付いた時には何をどうやっても取り返しなんてつかない。そんなコトの、繰り返し。

 最近活況著しい外旭川エリア。B食クラバーも意外と車で通り過ぎる機会が多い。車の窓から見える景色も最早日常的だが、ソレでも擦れ違いざまに、エェ〜!まさかソンナ!と驚くコトはある。

 つい先日まで営業していたジンギスカン屋が閉店し、あぁ〜ヤッパリな!と思っていたB食クラバー認定の外旭川サルガッソースポットに、赤く派手派手なデコレーションも目に眩しい、どっからどう見てもラーメン屋さんがオープンしていた。看板を良く見ると店の名前は陳麻家。陳麻飯・坦々麺と書かれている。

 坦々麺!…以前秋田市内にあった赤山が閉店して以来、どの坦々麺を食べても満足出来なかったB食クラバーに、コレは福音となりうるのだろうか!トコロで陳麻飯って何だろう?と心の片隅で思いつつ、いつもながら大袈裟にヨロコんでみた。

 じゃぁー次、ラーメン食べたくなったらココね!と思いながら通り過ぎるB食クラバーだが、しっかしコノ場所、ホントに良く店が変わるよなーと言う思いも隠すコトが出来ない。

 秋田市内に何ヶ所か存在が確認されているサルガッソースポットは、しかし以前に比べるとソノ勢力をやや弱め、サルガッソーから脱却している土地に遭遇するコトも珍しくない。

 新しい店好きなB食クラバー的には少々ガッカリしないでもないが、営業されている店主の方にとっては当然のコトで、モチロンB食クラバーにとっても、美味しい料理を食べさせてくれ店がず〜っと続くのはありがたいコトだ。

 しかし繰り返しになるが、ガッカリしているB食クラバーが存在するのも事実だ。本音は必ずしも一つとは限らない。大人社会の縮図を自分自身の心の中に凝縮しているかの様だ。

 トコロで、以前のジンギスカン店は道路を挟んで向かい側にある店の主が、じゃぁジンギスカンもやったるぜ!ってな心意気で営業していた様だが、今度の店はどうなんだろう?もしかしたらジンギスカン屋の前に存在した店や今回の陳麻家も、ジンギスカン屋と同じ方が経営を続けているのかもしれない。だとしたらココもサルガッソーってワケじゃないのかもなって思ったりもする。

 とにかく、美味しい坦々麺を食べさせてくれる店を探す身としては、一刻も早く訪れてみなくてはなるまい。しかし、坦々麺なんて辛くて沢山汗をかきそうなモノを食べるのに、天候的にはマダマダ似つかわしくない程に暑い日差しが振る注いでいる。もう少しダケ時期を待った方が良さそうだ。


Comment

 帰宅したB食クラバーが陳麻屋をググってみたトコロ、どうやら全国チェーンのラーメン店らしいコトが解った。ココの名物は坦々麺と、ゴハンの上に麻婆豆腐が乗っかった陳麻飯だとか。

 本場の四川山椒を独自に調合したオリジナルのラー油を用いた陳麻飯は限界の辛さだと言うし、坦々麺には四川七味(塩・酸・辣・甜・麻・苦・香)が全て投入されていると言う。

 本場!限界!!全て!!!オリジナル!!!!など、B食クラバーの食欲を刺激する言葉の数々に、胃袋をギュッと捕まれた風情のB食クラバーはもう、陳麻家を中心にした何kmかの範囲内でしか動けなくなってしまった。そしてソノ行動半径は日を追う毎に、時間を追う毎に短くなって行く。

 まるで陳麻家を棲処とする土地神がいて、ソノ吸引力に引き寄せられているかの様だ。そしてその力は勢いを増すバカリ。もうダメだ。この力を振りほどく程のフォースをB食クラバーは持ち合わせていない。こう言う時は流れに身を任せるのが一番だ。もちょっと涼しくなってから出掛けようと思ったが、9月とは言えマダマダ残暑の厳しいある日、B食クラバーはついに、陳麻家の前に立っていた。

 オープン日からソレ程日にちも経っていないせいか、店内には沢山のお客さんがいて、B食クラバーは少しの時間待つコトになった。しかしクーラーの利いた店内は、熱いラーメンを食べるタメにB食クラバーの体を冷やしてくれる、格好なインターバルポイントになった。程なく、テーブルに案内して貰えた。

 坦々麺に目が眩んで訪れた陳麻家だが、どうせならば陳麻家の看板メニューのツートップであるトコロの、陳麻飯と坦々麺を両方食べてみたい。でも両方なんて食べきれないよなーと思いながらメニューを広げていたB食クラバーの心を見透かしたかの様にソコには、陳麻飯と坦々麺を半分ずつ食べられる、ハーフセットなるモノが載っていた。

 おぉっ!ココの土地神は店に来たモノの願望を具現化する力を持っているのか。どうせだったら、今目の前に1億円を!とか思えば良かった!などとヤヤ後悔しながら更にメニューを見てみると、普通サイズの坦々麺に陳麻飯(半)が付いた、坦々麺セットなるモノも載っていた。

 本来、坦々麺が食べたくて来たハズなのに、陳麻飯も食べたいからって坦々麺も半分にしたんじゃ、B食クラバーの坦々麺心が浮かばれない。ココは坦々麺心を満足させるタメにも、坦々麺セットを頼むべきだろう。

 じゃぁ店員さんを呼んでイザ注文を!と思った瞬間、B食クラバーの目が視界の隅で捉えたのは、極上小龍包の文字。しかも3ヶで\350だと言う。

 ご・ご・ご・極上〜〜〜っ!?ソンナ冠が付いた、しかも小龍包に巡り会えるなんて、ココの土地神のパワーはとどまるトコロを知らないのか!あぁ〜、やっぱり3億円を目の前に!とか願えば良かったぁっ!などと更に悶絶するコト数秒。

 まるで金縛りにあったかの様に動けなかったB食クラバーだが、どうにか正気を取り戻して坦々麺セットと極上小龍包を注文した。注文する時にはモチロン省略なんかしたりせずに、キチンとフルネームで極・上・小・龍・包(ハート)と発音した。あぁ〜気持ち良い。発音してコレ以上に甘美な言葉ってあるのだろうか?B食クラバーは他に知らない。

 程なく、料理到着。先ずは坦々麺セットがテーブルの上に乗せられた。坦々麺も、陳麻飯も、どちらも赤い。辛さを連想させるに充分なそのルックスに、条件反射の様に早くも汗がにじみ出す。

 坦々麺は、B食クラバーが願う理想的なルックス。コレで大きな青梗菜でも添えられていたら言うコトなしなのだが、コレ以上は望んだらバチが当たりそうだ。箸で摘み、口の中に入れる一瞬前、大きく唾を飲み込んだ音が、周囲に漏れてやしないだろうか。

 坦々麺の味が舌に乗り、風味が鼻に抜けてくる。あぁ成る程。コレが塩・酸・辣・甜・麻・苦・香の7種類が混ざった四川七味の味なのかと納得。すっぱみも苦みも、しょっぱさも辛さも同時に味わえる。麺も細目の棒麺風味で申し分なし。

 喜びに溢れつつ陳麻飯も食べてみる。コチラについても、山椒を独自に調合したラー油だと言うのが解る。一口食べる毎に唐辛子ではない、山椒独特の香りが広がるが、もしかしたら人によっては苦手だって向きもあるかもしれない。

 胃袋が落ち着いたトコロで遂に、いつの間にかメインゲストと化した極上小龍包の到着。待ってましたよ小龍包さん、なんたってアンタ極上なんだからネ〜!と、蒸籠のフタを開ける。白い水蒸気の中に、極上小龍包が姿を現した。大事に大事に箸で摘む。

 多くの小龍包はココで(蒸籠から取り出すトコロで)、皮の下の部分が破けて底からスープが漏れたり、箸で摘んだ部分から裂けたりするが、ココの小龍包にはソンナこと無し。秋田で目にする分には、こんなコトだけでも素晴らしいと思えてしまう。

 小龍包は本来ならば、頭の部分を少し割ってソコからスープを飲んで…って食べ方をするべきだろうが、今のB食クラバーは違う。大きい小龍包(大きいのに小だって)を一口で頬張り、噛んだ瞬間口の中にこぼれるスープを感じた瞬間、熱ぃ〜っ!と絶叫してみたいのだ。

 ソンナB食クラバーを、止める者など誰もいない。意を決して小龍包を口の中に入れた。弾力のある皮が破れ、温度の高いスープがコボレ出す。熱ぃ〜っ!と、絶叫したいトコロだが、そうすると口からスープが溢れ出して大惨事になるのでそうも出来ず、代わりに悶絶しまくった。

 ウレシイ。秋田でこのレベルの小龍包を食べられるコト自体が素直にウレシイ。今日食べた坦々麺・陳麻飯・極上小龍包は、全てB食クラバーのお気に入りになった。繰り返し繰り返し食べに出掛けたい気分だが、B食クラバーの周囲で陳麻家にもう一度行こう!と、自ら誘ってくる人はいない。

 山椒とか四川七味とか独特だからだろうか…?などと思ったりもするが、まぁソコはソレ人それぞれ好みってモノがあるしね!と納得するしかない。

 B食クラバーがコンナにも陳麻家を気に入ったのは実は、ココの土地神に魅入られたのが、最も大きな原因なのかもしれないな、などと思ってみたりもする。