店  名
 あざみ亭
食べた日
2009/05/26
住  所
 秋田県秋田市山王1-12-20
営業時間
18:00〜22:00
電話番号
 018-865-8660
定休日
日曜日

名物牛タンしゃぶしゃぶ
7種類の塩
秋田県産豚上ロース
タレ・薬味
野菜
お通し
シャーベット

前  説

 牛タンしゃぶしゃぶ等と言う聞き慣れない料理がコノ世に存在すると小耳に挟んだ。名前の通りソレは、牛タンを使ったしゃぶしゃぶ料理だ。

 仙台の牛タン料理や、焼き肉屋のタン塩など、牛タンと言えば焼いて食べるモノと言う認識がB食クラバーの中にあったが、果たしてしゃぶしゃぶにして食べると一体ドンナ味がするのだろうかと言う興味を隠しきるコトは難しい。

 B食クラバーがキャッチした情報によると、秋田市の官庁街であるトコロの山王地区で、牛タンしゃぶしゃぶを提供してくれる店があると言う。官庁街に(高級そうな)牛タンしゃぶしゃぶの店なんて、似合い過ぎの様な気もするし、若干引き気味にならないワケでも無い。

 色々情報を集めるとそのイメージ通りと言うか、ヤッパリお値段の方も官庁街っぽくお高い感じだ。B食クラバーが、じゃぁチョット週末にでも出掛けてみようか!なぁ〜んて気楽に行ける感じではない。まぁそもそも、B食クラバーは普段、週末飲みに行こう!って気軽に言う人格は持ち合わせていないが。

 東京に住んでいた時は電車通勤の気楽さと、今よりも断然暖かい懐具合も手伝って、週3で飲みに出掛けたコトもあったのがウソの様だ。いやもしかすると、ホントに全てが夢だったのかもしれない。都道府県別に見る、給与所得者の平均年収が一番高いのが東京で、秋田は下から数えた方が早くて、しかも東京のようやく半分強だなんて。どっちかって言うと、現在のコノ境遇の方が夢であって欲しい。

 全国の中卒平均年収よりも、高卒・大卒まで混じっている秋田の平均年収の方が低いなんてデータを見るに付け、宝くじの当選本数を、所得の低い地域に集中させてもバチは当たらないんじゃないかと思ってみたり。って言うか、そう言う操作をしないと永遠に全国的なバランスがとれないんじゃないかと思ってしまうと、みぞおちの辺りに何とも言えない不快感が。

 まぁ、秋田の一小市民(超極小市民)に過ぎないB食クラバーとしては、ソンナ現実に片目をつぶりながらもナントカ生きて行くしかない。せめて美味しいモノでも食べて浮き世の憂さを晴らそうじゃないの!モチロン会社のお金で!

 と言うワケで、社員全員がまるっきり初めて体験するコトとなった業務が終了した後、気が付くと皆、1ヶ月間も休みを取れていなかった。夢中で突っ走ったって感じもあるし、途中の幾日かは惰性で過ごしてたって言う様にも感じられる。

 やっている最中はもうコンナの嫌だ!2度とやりたくない!!って思っていたのに、終わってみると結構楽しかったよね、機会があったらマタやっても良いよね、なぁ〜んて話していたのが、否応なくそのビジネスにドップリと浸かってしまっている現状をどう捉えたらいいモノか。

 とにかく、30人31脚ヨロシク全員一丸となって一応のゴールを迎えたに辺り、ココらで一発〆の打ち上げをしようじゃないの!どぉ〜んと派手にやっちゃいましょうぜ!ねぇ親分!ってな方向に話を持って行き、ソレをまんまと牛タンしゃぶしゃぶの店で行う様に仕向けたのは、まぁ普段からの根回しのかいであると、言い切って良いモノか。

 皆の都合を合わせたとある平日、秋田市で牛タンしゃぶしゃぶを食べさせてくれる店、あざみ亭へと赴いた。


Comment

 夕暮れに沈む官公庁の程近くで、あざみ亭はいかにも排他的なオーラを醸し出してB食クラバーを待ち受けていた。この頃はしゃぶしゃぶなんて、\1300の食べ放題店でしか食べたコトのないB食クラバーが、自分で勝手にソノ様なフィルターを通して見ている可能性はカナリ大きいが。

 しかし、他の誰もが自分から進んで扉を開けようとしない辺り、ソノ場にいた全員が同じ思いを抱えていた可能性も否定できない。意を決して扉を開ける。モチロンその役目はB食クラバーがかって出た。

 床と壁半分が茶色く、天井を含めた残りの部分が白あるいはクリーム色。ハッキリしないのは店内が、間接照明によってのみ照らされているからか。スタイリッシュなテーブルは黒く、椅子は白い。BGMにはジャズが流れるなど、\1300の食べ放題店とは明らかに違う!良いのかコンナ店にB食クラバーなんかが入って!と店内へ進む足は躊躇いを見せたが、後から入って来る他のメンバーに押し出されそうになったので、自分の意志とは無関係に歩き出すしか無かった。

 蝶ネクタイをキメて品の良さげな店員さんに案内されて席に着く。ココまで来たらもう何も臆するコトはない。只提供してくれる料理を楽しむダケだ。

 今回予約していたのは、\5000の飲み放題コース。アラカルトで注文できるのかどうか解らないが、コース料理の値段設定から考えると、ソノ場合カナリの高額になりそうだ。飲み放題は常時やっているワケでは無いっぽいので、このタイミングでめぐり逢えたコトに感謝したい。

 お通しの後、豆苗と共に盛られた牛タンしゃぶしゃぶの登場。仙台の牛タンの様に厚くなく、焼き肉屋の牛タンの様なルックス。まぁ、しゃぶしゃぶなんだから厚くないのは当然か。

 まだ緊張がほぐれていなかったのか、ソレとも先程の乾杯であっと言う間に酔いが回ったのか、上品な感じの店員さんの説明はイマイチ聞き取りづらかったが、男鹿産・ペッパー・レモン・ガーリック・カレー・バジル・一味と、7種類の塩をお好みでかけて食べて下さいとのコトだ。一体どんな味がするのか、楽しみ半分、緊張半分で早速牛タンを鍋の中に入れてみた。

 まずは秋田県民としては外せない、男鹿の塩でいただく。…チョット塩の量が足りなかったみたいだ。もっとタップリかけて頂く。常日頃、仙台の牛タンが食べたい!って思い続けているB食クラバーにとっては(通常の焼肉店もそうだが)厚さが足りなかった様だ。しかし、他のメンバー達は次々に称賛の声を上げている。

 順番に塩をかけて食べてみる。なんかアマリ味が変わった感じがしないなぁ〜とか不届きにも思ってしまったのは、牛タンを食べ始める前にビールをお代わりしてしまったコトと無関係ではないだろう。いくら飲み放題だからって調子に乗りすぎだ。やや後悔しつつも、B食クラバーがビールを飲み進める速度が落ちるコトは無かった。酔っている舌には、カレーとガーリックが心地よく感じられた。

 続いて豚肉の登場。赤身と脂身による白とピンクのコントラストも素晴らしい。プラチナポークとか太平山ポークとか、最近評判の豚肉に共通して見られる鮮やかさ。牛肉よりも豚肉好き!を公言してはばからないB食クラバーは、誰よりも早く豚肉を鍋に突っ込んだ。

 豚肉は従来通りポン酢とゴマだれで頂く。薬味もネギ・モミジおろし等定番だなーとか思っていたら、赤く見慣れないモノは豆板醤だとか。甘さと柔らかさが口の中一杯に広がる。思わず、豚肉もう一皿オカワリ!とか言いたくなったが、酔えば酔う程気弱になるB食クラバーに、ソンナ言葉は言えなかった。

 野菜皿にはマイタケ・ニンジン・ミズナ・ナス・エノキ・ネギにプラスしてマロニーなど。煮過ぎたら溶けて無くなってしまうマロニーが出てくると、B食クラバーはいつも気になって鍋を楽しめなくなるので、マロニーは最後の方で入れてみた。

 程良くダシが出まくったトコロでラーメンの登場。コレを茹でた後、ポン酢かゴマだれに付けて、つけ麺風味で頂く。飲みに行った時の〆のラーメン迄楽しめた感もあってとってもグッド!最後にシャーベットがつくと言う、(一軒で済ませる向きには)至れり尽くせりの内容。コレで\5000とはありがたすぎる。

 しかし、B食クラバーの所得水準ではナカナカ簡単には来るコトが出来ないお店なので、次に来るのはヤハリ、\5000で飲み放題コースが設定された時に限られるだろう。