店 名
カニ屋

CLOSED

住 所

秋田市広面字堤敷61-5

初回訪問日

01/08/19
TEL.

018-834-0000

営業時間

前 説


 最近絶好調に活動中の、食いしん坊隊隊長より報告のあった店。チョット前まで一庵と
言うチョット高くて味はまあまあのソバ屋(更科系)があったトコロが、しばらく空き家に
なっていたのだが、カニ専門という何ともゴージャスな雰囲気を醸し出す飲食店が、ソコに
オープンしていた。

 カニ = 高い!と言う先入観が頭に浮かび、精一杯背伸びしてもワシントンホテルの
食い放題くらいしか食えないよ!と思っていたのだが、食いしん坊隊隊長の報告によると、
一人\4,000も出せばカナリ腹一杯になるとのコト。

 夏はカニだよね、とワケの解らないコトを口にしながら、ソノ重い扉を開けてみた。

Comment

 玄関には、赤い幕が掛かっている。ソレはノレンの様でもあるし、旗の様でもある。
なんにしろ、その赤さはカニの甲羅の色を連想させ、カニ専門店であるコトのオーラを辺りに
撒き散らしている。玄関前に張り出されているメニューで値段を確認。それ程高くはなさそう
だと確認し、ホッと胸を撫で下ろす。

 余談だが店に入る前のコノ作業は、B食クラバー全員が身につけている基本動作である。
コレを如何に自然にコナせるかで、ソノ人のB食度を推し量るコトが出来るのだ。

 店に入り、店員の案内に従い歩き出そうとしたソノ瞬間、店員は入り口の傍らにあった
太鼓を2回叩いた。『2名様ご案内で〜す。』『は〜い、いらっしゃいませぇ。』と店内のあちら
コチラから声がする。この、太鼓の音や店員の掛け声全てに張りがあればいいのだが、
全てがナヨナヨしている。この状況を言葉で言い表すのは難しいので止める。トテツもない
虚脱感にさいなまれ、食欲もヤヤ減退の兆候を見始めていた。

 店内は、暗い。まるでカウンターバーのようである。どうやらカニを食べる店ではなく、
カニをつまみに飲む店のようだ。テーブル中央には小さいローソクが灯されている。
メニューを開くと、アルコールから始まっている。ソレがメニュー全体の半分のページを使っ
ているぐらいの充実ぶり。しかもお通しの食前酒として梅酒が運ばれてきた。もはや飲む
以外に道は残されていないようだ。ビールを頼む。

 梅酒とビールを口にすると、先程まで減退気味だった食欲も回復してきた。アルコール
マジック。外でカニを食べるコトに慣れていないため、何を注文して良いか解らず、とりあえ
ずってコトで、焼きカニを頼んでみた。カニおじや、カニスパゲッティ、カニグラタンなど、
今思い返せばカニ専門店でなくてもありそうなモノばかり頼んでいた。恥ずかしい。

 しかもイタリアンは熱い内に食べなきゃダメだ!とか言って、カニよりも先にスパゲッティを
食べ始めてしまう始末。カニに向かった時には、スッカリ冷め切ってしまっていた。何やって
んの!と、後の高いトコロからブライトに怒鳴られてる気分もするが、全ては後の祭り。
ガッカリしながら口にしてみると、それでもウマイ!ヤケにウマイ!

 冷めてもコンナに美味しいんだから、暖かい内に食べたらモット美味いんだろうな、と
後悔先に立たず。枝豆なんか注文している場合じゃなかった。

 トコロでコノ店には、お客さんが来るのを店先でズ〜ット待っている係の人が居る。
呉服屋の番頭さんみたいな感じで座っているのだが、長時間正座しているのはツライのか
座布団などを挟み込んで座っていた。やめるか椅子にすればいいのに、と思わざるを得ない。

 とりあえず満足したトコロで会計を済まし、店を出ようとする我々の背後でまたもや太鼓の
音がする。『ありがとうございましたぁ。』忘れていた虚脱感が再び襲いかかってくる。しかも
店員が一人、車が出るまで店先で待っていて、ちゃんと出るのを見届けているのだ。

 カニその物は良いのだが、ソレ以外の部分については?????。
1/2トワイライトゾーンに迷い込んでしまった、変な気分に包まれつつ店を後にした。

 後で食いしん坊隊隊長に報告したトコロ、何やってんの!とブライト張りにノノシられた。
どうやらカニは刺身を食え!と言う事らしい。お腹一杯で食べるコトが出来なかった
カニアイスクリームと共に、次回行く時迄の宿題とする。

ズワイ焼カニ