店  名
 れすとらん ちんくる
食べた日
2009/10/06
住  所
 秋田県秋田市中通6丁目7-9 畜産会館1F
営業時間
11:00〜14:00 18:00〜21:00
電話番号
 018-835-6212
定休日
日曜日・祝日




前  説

 畜産会館の1Fに食べ物屋があるってコトは、結構前から知っていた。しかし、畜産会館にあるって言う事実が、B食クラバーの足を遠ざけていた。

 畜産会館って建物は子供の頃からあったし、入り口の上の方にある、背筋を伸ばして凛とした佇まいも立派な黒牛像を見て、変なの!(失礼)って横目で眺めつつ通り過ぎたコトも数え切れない。でも結局、畜産会館って何するトコロだか解らないって言うのが、B食クラバーが畜産会館(ならびに1Fの食べ物屋)に足を向けなかった理由か。

 畜産会館って名前からして、畜産業を営む方々のタメの建物なんだろうコトは想像出来る。でも例えば、国立科学博物館とか上野動物園なんかとは違って、名前を読むダケではどう言った内容の施設なのか判断するのは難しい。

 畜産業を営んでいる方々が、月一(あるいは週一か)で現在の自分達の状況を報告に来たり、何か陳情の受付窓口だったり、いずれにせよお役所的固そうなイメージを消し去るコトが出来ない。

 いや、お役所ならばあらゆるコトに対しての公的機関なので、(一応)誰でも入るコトは出来るが、畜産業に関連のある人しか入れなさそうな感じがある分だけ、排他性は上回っている印象がある。

 そう言う建物の1Fにある食べ物屋って、一般企業で言うトコロの社食みたいなモンじゃないだろうかとか、畜産業を営んでいる証明カードみたいなモノが無ければ入れないんじゃないだろうかとか、もし入るコトが出来てもB食クラバーみたいなチャラチャラした薄っぺらい人間はソノ中で浮きまくるんじゃないだろうかとか、色々な考えが泡の様に浮かんでは消えていく。

 畜産会館1Fの食べ物屋の名前は、ちんくると言って、雑誌やチラシなんかでも情報を得る機会が多くなった。なにやら美味しいらしいし一度出掛けてみたいケド、ヤッパリ色んなイメージを抱いていたのでナカナカ足を向けよう!って気分にはならなかった。

 そうやって過ごしていたある日のコト。某土曜案内!的な名前を持つ秋田のローカルTV番組で、ちんくるが紹介されていた。木訥でありながらも、心の中には曲げられない何かを持っていそうな店主が、ソノ人柄が伝わる言葉で、自身の店について語っていた。

 古い喫茶店の様な、落ち着いた雰囲気の店内を見るに付け、自分が今迄ちんくるに対して持っていたイメージが、実際のモノとは真逆であるコトに気が付いた。

 ああっ、なんてコト!今迄のワタクシの行いを許して下さい。コレからは変な色眼鏡で見ずに、勝手に凝り固まった印象を抱かない様に注意します!と、心の中の何かに誓い、早速クラバーRさんと共に出掛けてみた。


Comment

 店の前に立つ。外観からして古い喫茶店の様な印象って言うか、どっちかって言うと歴史のある洋食屋さんのオーラがカナリ滲み出ている。コンナ感じだと逆にお客さんは皆常連さんバカリで浮いちゃうんじゃないかとか、店を目の前にして更に躊躇う気持ちが芽生えて来た。

 Oh! NO!ついこないだ先入観は持たないって誓ったバカリじゃないか!と自分で自分を責めるB食クラバーの心に浮かんだのは、東京に住んでいた頃しょっちゅう通っていた近所の洋食屋のコトだった。

 茶色い床に白い壁。大きなカウンターとテーブルがいくつか。イツでも間接照明に照らされたソノ店は、マサにオールザッツ洋食屋と言う印象だった。店主は無口で、輪をかけた様にB食クラバーも無口だったので、通っていた何年かで、注文と会計以外に話したコトって一度もなかった。(天候の話題ですら!)

 そう思うと、今目の前にあるちんくるが、東京の洋食店のイメージと重なり、何だか急に親しみが湧いて来たので、ソノ勢いのママ思い切って店内へと入ってみた。

 TVで見た通りな印象の店内。ファミレスとかカフェとか、大きな窓があって明るい店!って建物が多い中、こう言う店は貴重だろう。喫茶店みたいって言うよりは、伝統的な洋食屋スタイルと言った方が正しいのか。

 店内は殆どが女性客。B食クラバーの今迄の勝手な統計によると、洋食好きな男性って思いの外少ない。現在、スイーツ男子とかって言葉がメディアを賑わせているが、洋食男子って言葉がそろそろ出て来ても良いのではないだろうか。

 年代を感じさせる店内の、年季を感じさせるテーブルに着く。手書きのメニューが、らしさを増幅させる。クラバーRさんも件の番組を見ていて、ソコで紹介されていたステーキグラッセを是非食べてみたい!と思っていた様なので早速注文。B食クラバーは何にしようか…としばし考える。有頭海老フライという文字が目に入ったので海老フライにしよう!と考えてみるも、メニューにあるのは有頭海老フライだけで、頭の付かない海老フライは見つけられなかった。じゃぁと言うコトで、ハンバーグと有頭エビフライセットを注文した。

 料理到着。真っ直ぐ揚がった頭付きの海老フライが、ハンバーグ、オムレツ、スパゲッティの上に乗っかっている。ハンバーグと海老フライは解っていたが、オムレツとスパゲッティが(少量だが)付いているのは嬉しい限り。椅子に縛り付けられた上で、洋食好き心を存分にくすぐられている気分だ。

 B食クラバーは、海老フライの尻尾は必ず食べるのだが、頭はどうして良いモノか解らない。ソンナ時B食クラバーは、決まってある出来事を思い出す。ソノ昔クラバーKと関西系のお好み焼き屋に入った時、海老が乗っかったお好み焼きを注文したのだが、焼いてくれている店員さんに対してクラバーKが、尻尾って食べて良いんですか?と呑気な質問をぶつけたコトがあった。

 鉄板の熱で少し汗ばみながらも店員さんは、一生懸命焼いているんで食べて下さい!と返し、あぁそうですよねとクラバーKは食べたのだが、その後クラバーKが海老フライの尻尾を食べる人間になったかは定かでない。(多分なってない。)

 そう言うヤリトリを思い出した場合は頭も食べて、思い出さない時はモチロン食べない。コノ時は思い出したので食べてみた。海老フライの尻尾はソンナこと無いのだが、頭はヤハリ危険だ。とんがっている部分も数多くあり、注意しないと口の中が血だらけになりかねない。今回もそうだった。

 有頭海老フライと頭の付かない海老フライと2つメニューにある場合、B食クラバーは決まって頭の付かない海老フライを注文する。有頭海老フライに需要はあるのか?無頭海老フライが竹だとすれば、有頭海老フライは松なのか?などと、イツモ通りどうでもいいようなコトを考えつつ食事を進める。

 続いてハンバーグを頂く。程良い柔らかさのハンバーグは結構好みで、上にかかっているデミグラスソースも素晴らしい。非常に好みな味なのだが、若干甘めなのが気にかかる。クラバーRさんのステーキグラッセもつまみ食いさせて頂く。強めに焼かれた表面からは想像も出来ない程柔らかい。噛む程に肉のうま味が広がる。そしてコチラにも若干甘めなソースがかかっている。

 嫌な甘さとかクドイ甘さとかでは無く、クセになってしまいそうな甘さで、このソース一つとっても、創業25年の歴史を感じる。

 メニューの中にトルコライスを見つけたので、早くも時間来店時に思いを馳せるB食クラバーはきっと、周りから見ればモノスゴク上の空に見えていたに違いない。