店  名
 洋食屋ゼペット
食べた日
2007/03/03
住  所
 秋田県能代市二ツ井町小繋字恋ノ沢44-1
営業時間
9:00〜22:00
電話番号
 0185-73-6507
定休日
不定(火か木)

オープンオムライスとコンソメ
オープンオムライス
コンソメ
ゼペットオムライス
ポタージュ
ゼペットオムライス(開)

前  説

 セイレーン。ソレは、美しい歌声を聴かせて船乗り達の心を惑わし、遭難・難破させる、ギリシャ神話に登場する伝説上の生物。一度その歌声に魅入られしモノは、1人残らず死に至らせしめられる。

 ソンナ伝説と似た様な体験を、B食クラバーは色んな場所で、何度もしたコトがある。ソノ内の一つがココ、洋食屋ゼペットだ。国道7号線を北上する時、道路脇に設置されたゼペットの看板が視界に入ると、先を急がなければいけないのにも関わらず、さっき御飯を食べたバカリなのにも関わらず、ついついフラッと車を停めてみたくなる、ソンナ魔力を感じずにはいられない。

 いつか行こう、いつか行こう!と思いながらもナカナカ行けずにいるトコロも、魔力を増幅させるのに充分だ。オムライスが美味しい店!って言うのには何故こうも、人を惹き付ける小悪魔的な魅力があるのだろうか。コノ因果関係、いつの日か究明しなければなるまい。

 ゼペットがある二ツ井町は、恋文の町として有名だ。住所が恋ノ沢って言うのは、全くの偶然なのか、それとも後に変更されたモノなのか、ドチラなのか気になるが。

 かつてコノ地を訪れた明治天皇を、時の皇后がお書きになった手紙が待ち受けていたらしく、ソノ内容が、和歌にしたためられた恋文だったそうで。ソノ手紙と、訪れた時に見た景色の美しさに感動された明治天皇が後に、コノ地をきみまち坂と名付けられた。と言うのが二ツ井町を恋の町たらしめている所以だ。

 きみまち全国恋文コンテストって言うのを数年間に渡って開催し、入選した作品を集めて出版された、日本一心のこもった恋文って本はカナリ評判になったらしいが、恥ずかしながらB食クラバーは読んだコトが無い。

 しかしながら、セイレーンの歌声に魅入られる船乗りや、美味しいオムライスに心惹かれるB食クラバーも、恋に似た感情を抱いているのではないだろうかと思ってみたりする。あぁそれでも、明治天皇の素晴らしいお話と、コンナ与太話を一緒にするな!と、ドナタかに怒られそうな気がしないではない。


Comment

 能代市に住む姉夫婦から仕事の依頼を受け、ワリとしょっちゅう出掛ける機会の多いB食クラバーは、ソレ以外の用事で余り能代市迄出掛けたい気持ちになるコトが無い。休みの日に何かレジャーをするのなら、普段は余り行ったコトの無い場所に出掛けたいと言うのは、誰もが持っている欲求では無いだろうか。

 最近そう言えば能代市に出掛けて無いなぁ〜と思い、ソノ期間がどれ位なのかを数えてみると、2ヶ月半程だと判明した。ホンのソレぐらい出掛けてない程度で久しぶりだと思うなんて、B食クラバーと能代市の、密度の濃さが伺いしれそうな気がしないでも無い。

 そう思うと急に能代市に出掛けてみたくなるなんてぇのは、本気でB食クラバーの短絡思考度が思い知らされ、コメカミを押さえたくなる。じゃぁ夕食はゼペットで食べようか!と、食欲方面にも引っ張られ、出掛けてみた。

 能代市での用事も終わり、念願のゼペットへ突入。大変落ち着いた印象のする店内。同じ様に落ち着いた印象の女性店員が出迎えてくれた。茶色の照明が、目に優しい。メニューの表紙はモナリザ。変わってるなぁ〜って思い、何げに隣のテーブルを見てみると、ソコに置かれているメニューは浮世絵だった。コレは一体どう言うコトか。表紙をめくってみると、オムライスには3種類ある様だ。

 1つ目がタイトルロール、ゼペットの名を冠したゼペットオムライス。次がオープンオムライス。そしてオーソドックスオムライスと言うモノ。コレらのメニュー、一体何が違うのかが気になったので聞いてみると、ゼペットオムライスがライスの上にオムレツが乗ったモノで、オープンオムライスはトロトロ卵をライスの上に乗せたモノだと、爽やかに、微笑みながら教えてくれた。

 ライスの上にオムレツが乗っかっているオムライスと言えば、オムレツを真ん中から2つに割ると、中から半熟トロトロの卵が出て来てチキンライスを覆うってヤツに違いない。同行のクラバーRさんがソレにしたので、B食クラバーはオープンオムライスを頼むコトにした。よく見るとメニューに、ソレらの情報がキチンと書かれていた。コンナ質問にも笑顔で応えて頂き、大変申し訳ない気持ちでいっぱいに。嫌みの全く無い対応を言葉で例えるならば、B食クラバーとは全く無縁なエレガント、とでも言えばシックリ来る様な気がしないでもない。

 オムライスが登場する迄の時間も待ち遠しい。しかしソノ時は他にお客さんがいなかったので、厨房で料理を進めている音が聞こえたり、チキンライスを炒めている香りなどが漂って来て、ソレすらも楽しい時間だった。香りダケで、相当美味しいチキンライスであろうコトが想像出来た。そして遂に目の前に、オープンオムライスが登場した。デミグラスの中に浮かぶトロトロ卵。そして卵中央部には、トマトソースが添えられている。黄色と赤。コレはもしかして、世界で一番食欲をそそる色の組み合わせなのでは無かろうか。

 ゼペットオムライスは、チキンライスの上にオムレツが乗っかり、その上からデミグラスソースとホワイトソースがかけられている。ちなみにコチラはソースを、デミグラス、トマト、ケチャップから選ぶコトが出来る。真ん中から丁寧にオムレツを割るクラバーRさん。とろけ出た半熟卵を見つめるクラバーRさんの笑顔も、トロトロにとろけている。一口食べる。弾力のあるチキン。香ばしいタマネギ。そして柔らかい半熟卵。コノ世の幸せが一堂に会した様な、ソンナ気持ちを感じずにはいられない。オムライスにはもしかして、人を幸せにする力が秘められているのだろうか。

 オムライスに添えられるスープは2種類で、コンソメかポタージュを選ぶコトが出来る。コンソメの方には何か、香りの強いモノが入っている様で、貧乏舌のB食クラバーには最初、コノ味は昆布だ!と感じられたのだが、飲み進めていくと、どうも違う様に感じられる。最終的にはセロリだと思ったのだが、果たして当たっているのかどうか、全く自信がない。

 ややもすると、卵が柔らかいですよ!って部分ダケを強調して、完全に卵ソノモノの味に、チキンライスとかソースとかが負けてしまうオムライスが多い中、コチラのオムライスはベリベリ☆グッ!卵の味、ソースの味、チキンライスの中でもチキンの味とタマネギの味がそれぞれする癖に、ソレらを口に入れてみると、コレ以上無い位の一体感に襲いかかられ、舌がうれし涙を流し続けて止まらない。って、ソレはヨダレか。

 トコロでこちらゼペットは、大変営業時間が長い様だ。朝は9:00〜11:30迄がモーニングセットの時間。11:30〜14:00迄がランチタイム。〜17:30がティータイム。ソノ後がディナータイムらしい。コンナに長い時間お客さんを迎え入れてくれるなんて知らなかった。気になるケーキはfromイタトマだし、(神戸ドーナツって言うのも気になった。)コレからはコノ方面に用事があった時には何時でも良いからゼペットに寄ってしまおう!とさえ思ってしまいそうだ。

 久しぶりに出掛けた能代市で、美味しいオムライスに出会えた満足感に浸っているコノ時のB食クラバーは、能代市に来い!と3日後に義兄から連絡が来るとは、マダ知る由も無かった。