□離陸まで45分


 さて、何を隠そうこのワタクシ、別に隠していたワケでも無いのですが、海外旅行は初め
ての経験なのでゴザイマス。初体験。…コノ単語を聞く度に、胸の奥底から沸き上がって
来る甘酸っぱい様な照れくさい様な、このムズムズ感は一体何なのでしょうか。最早前日
の夜からですね、心がウキウキしているワケですよ。

♪明日の〜夜はウキウキウォッチング♪アチコチそちこちソウ〜ルよ

 なぁ〜んて気が付くと鼻歌まじりに軽く歌ったり踊ったりしてた様な気がしないでも無い
のですが、遠足前日の小学生の様に、って言うかまだ彼らの方がおとなしいイヤ、正確に
言うと大人っぽい態度でいそうな程、ワタクシの精神年齢はコレ以上下がり様が無いって
位、例えて言うならば、地面にダラしなく広がったスライムの様になり果てていたのでした。

って言うか今時スライムなんて言葉が通じるのか。

 出発当日のワタクシは自分では平常心でいたつもりなのですが、
他の人から笑顔が引きつっていると言われて動揺。

 そこからまるでアンドロイドになったかの様でした。ワタクシ同様
初めて海外旅行に行く同僚がですね、緊張しているのかどうか既
にビールを何杯も浴びる程飲んでおりまして、

1.国際線は乗ったら靴を脱がなければならない。
2.雲の中に信号機がある。
3.上空から赤道が見えるが、ソレは今迄見たコトが無い位赤く発光している。
4.秋田→ソウル間では日付変更線を越える。
5,日付変更線はモチロン黒い。
6.日付変更線を越える瞬間、電圧の関係で一瞬機内の電気が消える。

 等とあるコト無いコト触れ回り、楽しい一時を過ごしていたのですが、フト気が付くと、周り
の方々の白い視線が集中しておりまして、とても気まずい思いを感じてしまいましたが、
旅の恥は掻き捨て。一期一会。コノ一球は無二の一球なりとか宗方コーチの教え迄引き
出して来てですね、どうせ2度と会うコトの無い人達だ!オッケーオッケー!とカナリ強気
に出たのですが、その後恐ろしいコトが待ち受けておりました。

<BEFORE(Road to Korea)

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