□Vertual Star Trek    The Night Sky Picture    05/10/14


 夜空には、いつだって人の心をときめかせる力がある。ワタクシが夜の世界に広がる星
ぼし達に、最初に憧れを持ったのはイツのコトだったろうか。子供向けTV番組とかゴジラ
とか、そんな様なメディアから、宇宙人=格好いい!とか、そんなコトは思っていたハズ
なのだが。

 思い返してみるとソレは、中学生の時だったかもしれない。当時の同級生である耶麻元
くん(仮名)が突然、星座の話やら何やら、あふれ出る言葉を押しとどめるコトも無く、次か
ら次へと流暢に語りだしたのだ。

 ワタクシにとってソレは、アマリにも突然の出来事だった。失礼だケド勉強もそれ程出来
る方ではなく、どちらかと言うと授業中、寝てるか友人達との会話に勤しんでいるか、そん
な印象しか持ち合わせていない耶麻元くんが、ある日突然、ホントに突然、星空博士に変
身していたのだ。

 目の前にいて、星の話をしている耶麻元くんが、昨日までの彼と同一人物なのかどうか
非常に疑わしい。もしかしたら本物の耶麻元くんは宇宙人にアブダクトされて遠い星の彼
方にいて、ココにいる耶麻元くんは、耶麻元くんの皮を被ったエクストラ・テレストリアルな
んじゃないだろうかと、一歩下がったトコロから、その繋ぎ目たるジッパーなんかが見つか
ったらどうしよう?とか焦ったりもしたが、ソコは現代文明よりも遙かに技術の進んだ宇宙
文明。ワタクシなどにはソノ綻びすらも、見つけるコトは出来なかった。
(ん?いつの間にか耶麻元くんがインベーダーだってコトになってるか?)

 
とにかく、突然変身した耶麻元くんが、妖しげな視線で語る宇宙の魅力に、ワタクシは
グイグイと引き込まれた。それまで、夜になるとそうなるモノとしか理解していなかった夜
空に、急激に、強烈に、物凄く興味を抱き始めた。

 放射能に汚染された地球から飛び立った戦艦が波動砲を撃ったり、星の形をした宇宙
要塞に、×の形をした戦闘機がプロトン魚雷を撃ちに行ったりしているアノ宇宙と、自分
の頭の上に広がっている宇宙が同一のモノだとは、まるっきり考えていなかったのだ。
(いや、正確に言うとモチロン全く違うモノだが。)

 見上げるとソコにある夜空が、古来より、幾多の人々の発想の源となり、様々な物語を
作り続けて来たコトに、今更ながら気が付いたのだ。当時のワタクシが、どれ程夜空と縁
が無かったかと言うと、流れ星なんてモノは、TVでしか見れないモノと思っていたって言
うと、その距離感が掴めるのではないだろうか。しかもアニメとか特撮の、やたらハッキ
リとした軌跡を描くアレ。

 TV画面の中で流れ星が確認されると、登場人物達は決まって、『あ、流れ星!願い事
しなきゃっ!』『…何願った?』『そーれーは、ヒ・ミ・ツ!』と言って相手の額を人差し指で
小突いたりすると思うが、
(少し、出っ歯の関西芸人の影響を受け過ぎだろうか?)そのTV画面
の中の流れ星を見ながら、ワタクシも一緒に願い事をすると言う、今にして思えば、なん
て可哀想な子供だったんだろうと、涙を禁じ得ない。

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