□Raiders of the lost mistery about can.


 そんな雪のトンネルを抜けると、外の季節はまた、秋へと戻って行った。いよいよ仙台
が、って言うかキリンビール工場が近づいて来た!キリンビール工場の見学では、ビール
の試飲が出来、しかも工場内のレストランでは、限定のビールがあると言う。せっかく秋田
からやって来て、コレを飲まないで帰るコトは無い。車は仙台駅前で降りて、ココからは電
車&バスでキリンビール工場へと向かう。

 日本海側に住む秋田県民にとって、太平洋側にある仙台は、秋田よりも暖かいイメージ
があり、今回もそうだろうと思って、イツモより若干薄着をして着たのだが、実際の仙台市
内は、秋田と変わらぬ気温だった。薄着で来たコトが恨めしい程寒い。街行く人々を見て
みると、完全に真冬の格好をしていたり、シャツ1枚で歩いている人もいて、自分の服装が
浮いていないコトが確認できてホッとする。

 仙台駅から多賀城駅迄電車で移動し、ソコから工場迄は無料のシャトルバスが送迎し
てくれる。そのバスを待っている間、寒さで震える。ようやくバスが到着した。乗客は我々
2人ダケの様だ。もしコノ時間にしなければ、シャトルバスがコノ時間にココに来るコトは
無かったんだろうなと思うと、少々心苦しくなる。

 キリンビール工場に到着。入り口で名前を確認され、
ウェイティングスペースへと移動する。前の回の見学を終
えたのであろう50名位の人々が、試飲のモノらしきビー
ルを楽しそうに飲んでいる。待ってろよ!もうすぐソノ輪の
中に入ってやるぜ!と思いながら待っているのだが、一
向に我々2人以外のお客さんが見当たらない。

 電話で予約をした時は、確かに『他の団体のお客様と
一緒になるのですが、宜しいですか?』と聞かれたのだ
が。コチラ的にはドチラかと言うと団体客と一緒の方が
ありがたい。団体客の後に、あたかもソノ一員の様にくっついて回り、他の人々がする質
問に、時々頷いていれば良いだけだ。コレ以上楽なコトはない。って、ココ言う風に書いて
みると、ホントに工場見学に興味があったのかと、そのハートを疑われ兼ねないが。

 おそらく、個人のお客さんはココで待って、他の団体客は、団体ダケに他の場所で待っ
ているのだろうと言う浅薄な結論を導き出し、しばしの間、スクリーンに映される映像を見
入っていた。

 キリンビール社員の方から声が掛かる。どうやら見学の時間が来た様だ。コレから見学
コースの始点へと行き、ソコで他の団体客と合流するのだろう。コノ社員の方は、ソコまで
我々を案内してくれているのだと、コノ期に及んで思っていた我々の前で社員の方は急に
立ち止まり、アンテナの形をした伸縮自在の指し棒を持って、場内の説明をし出した。

 工場見学は既に始まっている!動揺を巧みに抑えながら、りあさんの顔を見てみると、
覚悟を決めた様な表情が見て取れる。もう逃げるコトは出来ない。2人での工場見学へと
臨むコトにした。

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