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稲庭氏、秋田にまつわる恐怖体験を語る
稲庭淳二

 怪談話の語り手として知られる稲庭(いなにわ)さん(66歳)が秋田にまつわる怪談を語るというイベントが開催された。

 

 薄暗い会場の中では「僕があのホテル跡地近くを通った時…」や「あの峠を通った時…」「あのトンネルを通ろうとした時…」などの様々な恐怖体験が独特の語り口調で披露され、集まった観客達は思わず息を呑んで静かに聴き入っていた。

 

 怪談話が佳境を迎えた頃、稲庭さんが「僕はその時秋田駅にいて、そこから東能代駅に行こうとして電車に乗り込んだんですよ。でもまだ昼間なのに乗客の数はすごく少なくて、車内は妙にガラーンとしていて…。なんだかちょっと嫌な予感がして、嫌だなぁ嫌だなぁ、怖いなぁ怖いなぁ〜と思っていたら…。僕、奥羽本線と間違えて、男鹿線に乗ってしまっていたんですよね…。気が付いた時にはもう出戸浜駅を過ぎた後で…」という恐怖体験を語ると、会場からは思わず「やめてー!1時間に1本しか電車が来ないのに!!」という大きな悲鳴が上がった。

 

 

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