一番最初に見た時は、なんなんなんだ、コノ緩さは!我慢ならネェぜっ!とバカリに意味もなく興奮していた秋田県のローカル番組。土曜を案内します的な意味のタイトルを持つソノ番組を、今となっては毎週楽しみに待っている様になるとは、当時の自分もお釈迦様も、なんだったらアポロンやアルテミスにだって解る由がない。
番組全体に共通するエッセンスと言うか、ハッキリ言って緩さは昔から普遍(不変)だと思うが、コレを何の無理もなく受け入れられる様な体に、数年かけてB食クラバーは変化していったのだろうか。
ソレとも何か、通常の人間には感知できないサブリミナル効果的な手法を用いての放送内容が電波に乗り、秋田県内にB食クラバーみたいな人間を、少しずつ増やしていく魔の手法が取られているのかもしれない。
(あらぬ妄想をしてしまい、番組関係者の方に深くお詫びします。)
ある日の放送を見ていると、秋田市の仁井田地区が紹介されていた。仁井田に何かソンナ面白そうなコトってあったかなーと思いつつも、何でもない日常的な事柄について、全てのモノは奇跡の連続で成り立っているんだよ!的な風味で紹介してくれるコトがタマにある番組のコト(失礼)、いやぁ〜今日も天気が良いよねぇ〜と、TV画面よりも窓から見える青空の方に多く注意を払いながら過ごしていると、とあるお寿司屋さんの紹介コーナーでB食クラバーは番組に釘付けとなった。
由緒正しき一般住宅の庭先に、ソレとは不釣り合いなルックスのプレハブを建て、ソコでお持ち帰り専用で営業している寿司屋があると、番組は伝えていた。
マジですか。民家の様なイタリアン・民家の様なラーメン店・民家の様な中華料理店など、民家の様なお食事処と言うのにはB食クラバーも興味を持ち、今後どの様に発展していくのか、どのような可能性を秘めているのかと楽しみにしていたのだが、民家の庭先に寿司店とは、イカに日頃詰まらない想像を張り巡らせるコトが得意&妄想好きなB食クラバーと言えども、全くもって1mmドコロか1ミクロンも考えたコトがなかった。
ドコの世界にも猛者はいる。常に新しい事を考え、我々に新鮮な驚きを与えてくれるのだ。番組によると、以前は秋田市の官公庁街であるトコロの山王付近で、プレハブではない正しい店を開いていたらしいが、1ヶ月程前だかに今のスタイルで営業を開始したのだとか。
番組内で紹介されていたのは3人前で\2,000と言う安さのお持ち帰り寿司で、ザット見た感じで30貫位はありそうだった。\100の回転寿司を食べるコトの多いB食クラバーにとって、コレは見逃すコトの出来ない料金設定だ。
秋田の地場産のモノを使っていると言うし、コレはもう食べなきゃなるめぇ!べらんめぇ!ってな気分で出掛けてみた。
番組内で紹介されていた地図はB食クラバーの頭の中で展開されるのに容易で、店の場所を間違えるコトはないだろう。確か年中無休と紹介されて、20:00迄やっていると紹介された気もするが、個人の自宅で営業される寿司店のコト、何らかの理由で休みになったり、営業時間前に終了する場合もあるだろう。
なぁ〜んてコトを珍しくも考えたB食クラバーは、今日の夜は与志の寿司を食べたい!と考えたソノ日の昼の内に、与志の寿司さんへと予約の電話をかけてみた。営業してなかったら大変だし、夜の店先に行って注文してみても、今日はもうネタが切れちゃって…とか言われたら目も当てられないし。
珍しく予約の電話をかけてホッとしたB食クラバーは、一体どんな評判の店なんだろうとググってみるも、持ち帰り寿司与志のの話題を探すコトは出来なかった。代わりにと言うか、山王にあった時のと思しき情報は得るコトが出来た。
チョット高いケド美味しいし、珍しいネタも提供してくれたり、おしゃべり好きな方が握る寿司店だと言うコトが書かれていた。おしゃべり…は持ち帰り寿司だから今回は関係ないし、値段は安いって解っているし、そうなると今のB食クラバーに関わってくるのは美味しいってトコと珍しいネタの部分だ。
コレはもう間違いないだろう。いや、普段\100前後の回転寿司しか食べていないB食クラバーが、以前は回らない寿司店を経営していた方に対してコンナ物言いは失礼に当たるのは百も承知だが。
色々と用事を済ませ、予約の時間が近づいてきた。与志の寿司さんの近くまで来ているが、時間的に20分少々早い。コノ場合もう一回電話をかけて、チョット早いケド良いですか?とか聞くのが正しい手法だろうが、あいにく与志の寿司さんの電話番号を控えていない。
ホントは寿司を受け取ってから行こうと考えていた次の予定地へ先に行き、ソレで最終的に与志の寿司さんへ行けば良っか!と考えるも、自分の時間管理のずさんさを全く計算に入れていなかったB食クラバー。結局到着したのは、電話で予約したよりも30分以上後だった。
あぁ〜世の中ってホント上手く行かないよねーと、自分のスケジュール管理能力の低さを全て棚の上にうっちゃった感じで呟いてみる。店の場所は間違えちゃいないよなーと思いながら進むも、ドコまで行っても一般民家しか見えてこない状況に、不安の色を隠せないB食クラバー。
こんなトコで道に迷うハズ無いっ!て安心していた、ソノ油断からヤッパリ道に迷ってしまったんだろうか?と、オデコの垂れ線が30本から50本に増えようとした時、暗い路地の間に何やら光るモノを見つけた。
何かの看板らしきモノと、一般民家の庭先には不釣り合いな程の明るさ。もしかして…と注視する。ソレがプレハブであると認識出来た時、ソコが与志の寿司であるコトが解った。
プレハブの店先に向かって歩いて行くと、視界に入ってから10秒程しか経過していないのに、それでも何だかとっても楽しそうな性格をしていそうな印象を与えるのに充分な感じの店主が寿司を握っていた。あっれもしかして今握り始めたのかな?とか思いながら、電話したモノですケドと名乗ってみると、B食クラバーの分は当然のコトながら既に出来ていて、奥さんらしき人が渡してくれた。
何かメニューのチラシとか無いのかな?と思って辺りを見回して見るも、ソレらしきモノは特に見当たらない。コノご主人ならばおしゃべり好きそうな感じするよなぁ〜と思いながら寿司を受け取った。
家に帰り、寿司タイムの始まり!いつも回転寿司に行く時、ホントはビールなんか飲みながら食べたいよな〜とは思うモノの、大概は車の運転をしなきゃならないから諦めるのだが今日は違う。家に帰ってから寿司を食べるので、車の運転をする必要はない。ビールを飲みつつ、寿司を食べ始めた。
マグロ・タマゴが4貫に、ウニ・イクラ・ホタテが2貫ずつなど、数えてみると全部で33貫の寿司が入っていた。3人前だとすれば1人11貫の計算か。これだけあれば しゅうにいっかいたべても まいにちたべられるけいさん…と、よつば風に考えてみる。
普段回転寿司に行っても食べないイカとか蒸しエビを食べるのも新鮮なら、実はB食クラバーはカリフォルニアロールなるモノを生まれて初めて食べた。
カリフォルニアロールと言えば、生魚に慣れないアメリカ人向けに開発されたナンチャッテ寿司という印象が強く、日本人の食べるモノじゃねぇぜっ!と今迄思っていた。ソンナ自分にも遂にカリフォルニアロールを食べる時が来たか!と思いながら口にしてみる。
まぁしかし、特にアメリカ発の寿司だからどうと言う感想がない。アボカドとかキュウリとかカニかまとか、そんなアメリカ人騙しな食材ではなく、マグロが使われているのも一因か。食べ終わる頃には満腹で、サスガは元、回らない寿司屋さんの握る寿司。大変な満足感を得るコトが出来た。
中トロ・アワビ・カニミソなど、B食クラバーが(\100の)回転寿司屋さんに行くと、決まって食べるモノが無かったのがチョイ寂しい感じもするが、まぁソレもコレも含めた上での値段設定なんだろう。もう少しネタに巾があったら…とかはキリがないからやめとくか。
寿司と言えば\100前後の回転寿司しか自ら進んで食べるコトのないB食クラバーだが、コレからは新たな選択肢が出来てウレシイ!とか思いながら、満腹のお腹をさすってみた。