2009年の暮れも押し迫ったある日のコト。さもしいB食クラバーの携帯電話が、高貴なる女王様からのメールを受信した。
何か重大なお知らせか!と思って見てみると、エクステリアにインテリア、メニューにスタッフと、全ての面に於いて女王様が抱いていらっしゃったイメージとのギャップが激しかったと言う店を紹介していただいていた。マグロのヅケ丼が美味しいらしい。
実は近年のマグロ不足の原因なんじゃないかと、一部で憶測される程女王様はマグロ好きでいらっしゃるが、ソノ方が美味しいと仰るなんて絶対美味しいに決まってる。コレは是非B食クラバーも食べてみたい!と盛り上がってみたモノの、そのメールを良く見ると、マグロのヅケ丼は先週で終わったと書かれている。
…。一体女王様はこのメールを読んだB食クラバーに、何を期待しているのだろうか?止ん事無きお生まれの方のお考えなど、路傍の石っコロに過ぎないB食クラバーになんか解る由もありはしない。そんなコトは解ってる。でも気になる。
女王様に対して、一体どう言うお心づもりなのですか?と問いかけてみたい気持ちを込めて、どの様なギャップがあるのかとお聞きしてみると、喫茶店の様なエクステリアなのに、中で出される料理は盛りの良い定食系がメインらしいコトが解る。
何て魅力的な組み合わせなんだろう!喫茶店なのに定食だなんて、ギャップがあるのにも程がある。シャアが黒い三連星のメンバーだったり、ビストロSMAPなのに嵐のメンバーが料理を作ってるぐらいのインパクトが!
…。チョット勢いにまかせて例えてみたが、こうして振り返ってみると、お互いがお互いの長所を見事に打ち消しあっているダケの様に感じられるのは気のせいか。
じゃなくって、近江牛のすき焼きをタマゴに付けないで食べるみたいですぜ!とか言ったらギャップと言うよりも、只単に勿体ないダケな話の様に感じられるのでなんともはや。
まぁとにかく、女王様の仰るギャップを自分なりに楽しもう!と思って、ソノ店秋桜(コスモス)へと出掛けてみた。
12月の24日と言う世界的にクリスマスムードがタップリな、ハッピーアニバーサリーデイのランチに定食はいかがなモノかと考えなくもないが、女王様から教えて頂いた店だからと、自分を納得させて店へと向かった。
外観は確かにチョット気の利いた喫茶店と言うかロッジ風。もう少し屋根の切妻の中心部分が横にずれていて、もっと窓が大きかったら、夜な夜なレオタード姿で芸術品を盗みに出掛ける仲良し三人姉妹が経営する店の様に見えなくもない。
しかし、店舗の前に広くとられた駐車場には、気の利いた喫茶店には不似合いな、いかにも仕事の途中で寄っています!と言うムードをソコかしこに醸し出している車が溢れんバカリに停まっていた。
ソレら車と、盛りの良い定食店だと言うコトからもしやとは思っていたが、扉を開けた瞬間、正しい社会人の、正しい社会人による、正しい社会人のタメの食事風景が、ホボ満員の店内で、今を盛りと展開されていた。
扉の外側から内側に入ったトコロで、美人三姉妹に鮮やかにイメージをすり替えられてしまったかの様に感じられなくもない。コンナに正しい社会人の方々バッカリがいる中に、ボンクラ代表とも言えるB食クラバーが入って良いのだろうかと思いつつ、空いている席に座る。
お座敷席があって、当然ソコからは和風なテイストが漂うモノの、テーブル席の方は外観から想像するに難くない感じの、喫茶店風と言うかロッジ風のムードが漂ってくる。もしかしてアッチとコッチは違う店なんじゃないだろうかと言う疑念を拭い去るコトが出来ない中、メニューを見てみる。
スタミナ定食・レバニラ定食・しょうが焼き定食など、絵に描いた様な定食屋のメニューが並ぶ。B食クラバー的に気になるのは、ハンバーグ・唐揚げ・オムライス辺りなのだが、ココではヤハリ、和風な定食を頼むのが正しいのだろうと、何にするのかを更に絞り込む。
壁の方を見ると、レギュラーなメニューの他に、今日(か若しくは今週)のであろうスペシャルなメニューが掲げられていた。ソレにはマグロの刺身定食・牛ステーキ定食・さばのみそ煮とからあげセット等が書かれていて、おそらくコノ間まではアノ中にマグロのヅケ丼があったんだろうなぁ〜と思うと、マグロを食べずにはいられない。良く見ると、ホルモンとマグロの刺身セットと言うのがあったので、ソレを頼むコトにした。
程なく料理が到着。みそ汁とたくあん付き。マサに正しい定食スタイルの中、唯一正しくないと感じたのが、マグロの刺身がキャベツの千切りの上に乗っかっているコト。マグロにキャベツの千切りが?と、ココでも小さなギャップが現れて驚く。キャベツの千切りはフライ系で、刺身にはやっぱり細切り大根が似合う。立方体に近いマグロの切り身は、刺身と言うよりもブツ切りか。
ホルモンには大根と豆腐入り。刻みネギが良いアクセントになっており、七味をかけていただく。もうチョット熱い方がB食クラバーの好みだが、コレもカナリ食べやすい。
B食クラバーが一番気になったのがどんぶりに入ったゴハン。あきたこまち程もちもちしていないし、かと言ってササニシキほどアッサリもしていない。稲の品種には他にも、ひとめぼれ・はえぬき等沢山あるが、一体何を使っているのだろう。とってもB食クラバー好みだったので、今度はゴハンだけでも食べに来たいぐらいだと、ココでも予想し得なかった小さなギャップが一つ生まれた。
イツモならばドンブリに入ったゴハンなんて量が多くて食べ切れないよーとか思うのだが、今日はなんなく完食するコトが出来た。今度訪れる時は、ゴハンの美味しさの秘密は何ですかと聞いてみたい。