民家食事処ブーム!!
このトコロの秋田市内には、民家の一部を改築してか、あるいは解放して料理を提供するスタイルの店が、特に多くなっている様に感じられる。もしかしてコレは秋田市ダケでなく、全国的な潮流なのだろうか?
このスタイルを取るメリットがなんなのか、一小市民たるB食クラバーにはサッパリ解らないが、こうも数が増えてくると、『どっから見ても民家!絶対ぇ解らねーよ!(笑)』とか言って騒ぐのは、ラーメン伊藤以上のビジュアルを見てからでないと出来ない。(あ、伊藤は秋田市じゃないか…。)
一軒の建物全てが食事処、複合施設のテナントとして存在する食事処、と言うのが今迄B食クラバーが馴れているスタイルだが、コレからは民家の一部が食事処って言うのも、当たり前になって行くのだろうか。(既に当たり前になっている?)
トコロでコノ、民家で営業をするって言うスタイルは、食事処に限定されるモノなのだろうか。いや待てよ、確か何かあるよなーと考えるB食クラバーの頭に浮かんだのは、習字とかピアノとかのお稽古事ワールドだった。
不思議とお稽古事については、民家で行われるコトになんの違和感もない。…。こりゃあ組み合わせに関係があるのか!と思い、他にも何かあるだろうかと考えてみる。
民家でブティック!商品展示数が少なくなるかもしれないが、いけそうな気がする。自分でデザインした服を売る!何て言うのもありかもしれない。同じ様に、自分で書いた小説を売る本屋さんや、自分が歌っている曲を販売するCD屋さんなんてのも考えられる。
民家で映画館!…どんだけ広い家なんだよって感じがしないでもないが、シート数が5〜6席位の超ミニシアターってコトで成立しないだろうか?まぁ、配給元にお金を払える程儲かるとは到底思えないが。
民家で銀行!
…出来んのかソンナこと。
民家で総合病院!
…絶対無理。
民家で日本酒製造!
捕まるって。
民家で大麻栽培!
土俵の上だったらよかったのにね。
…やっぱり民家でお食事処って言うのがギリギリの線だろう。しかしこうなって来ると、民家風お食事処が進化したとして、ソノ行き着く先はドコになるのだろうかと気にならなくもない。
例えばもうホントに、フツーの家でフツーのカーサンが作る料理を、お金を払ったら食べられる様になったりはしないだろうか。今日は4丁目の佐藤さん家でゴハンを食べて、明日は3丁目の鈴木さん家で食べよう!なぁ〜んてコトが当たり前になってしまうかも。
高橋さん家にゴハンを食べに行ったらカーサンが所用で出掛けていて、でもお客さんを待たせちゃ大変!って言って、ソノ家の17歳になる長女が慌てて料理を作ちゃったりなんかして。…コレは女子高生食堂とか言って、別な意味で話題になりそうな気がするが。
まぁソンナことは置いといて(?)、今回お邪魔した釜膳こんのも、そんな様な民家お食事処の一軒。他と少々違うのは、コチラでは陶芸教室も開催されているらしいコト。釜飯と陶芸って、共通点がある様に感じられる。
釜膳こんのってドコにあるのかなーって探し歩くよりも、確かコノ辺に今野さんのお宅があったハズ…と言う気持ちで向かうのが正しい。ソンナ気分でいたB食クラバーは、モチロン迷うコト無く辿り着くコトが出来た。
趣のある木の板に、白文字で釜膳こんのと書かれた看板が、民家の壁に立てかけられている。釜膳こんのは木〜土の3日間しか営業しないので、ソレ以外の日はおそらくコノ場所にコノ看板は無いのではないだろうかと考えられる。他の日には『陶芸教室こんの』とか書かれた看板があるのではないだろうか。
民家を正面に見て左手に、大きく空間を取った部屋があり、ソノ中には沢山の(陶芸教室で作られたのであろう)器が並んでいた。このスペースを利用して、陶芸教室が開かれているんじゃないだろうか。
店内(敢えてこう表現)に突入。陶芸教室を開くコトを前提に作られているからだろうか、玄関もカナリ広めに作られている。人の良さそうなカーサンが出迎えてくれた。
入ってスグ右手に大きなテーブルが置かれている部屋があったので、ソコに通されるのかと思ったが、アチラへドーゾと、奥にある別の部屋へと案内された。
ソノ部屋は奥にあるダケあってお客さん用の部屋って感じがバンバンするのだが、さっきの部屋にはカウンター越しに厨房があった。一体どんな風に作るんだろうと興味津々だったB食クラバーとしては、ソッチの部屋のが良かった様な気がしないでもないが、まぁ落ち着いた気分でゴハンを食べられるんだと思えば良いか!と考え直すコトにした。
奥の部屋(お座敷ね)には4人掛けのテーブルが2つあり、一方のテーブルには2人組のマダムがいて、色々なコトをあーでもないこーでもないと話し続けていた。そのテーブルをチラ見すると、お茶以外のモノがなかったので、あぁ、先にあっちの料理が出来てからコッチのを作るんだなと、ごく自然な流れで思った。
メニューは鶏・うなぎ・海鮮の釜飯3種類のみ。コレにコーヒーが付いて\850。更にワンランク上の釜飯御膳は\1,600だが、釜飯の他にオカズの皿が付く様だ。B食クラバー的に昼食で\1,600は払えないし、珍しいかなーと思ってウナギの釜飯を頼んでみた。
ソレからシバラク時間が過ぎた。正確に何分とは計ってないが、カナリの時間が過ぎた。テーブルに置かれた急須に入ったお茶も、一体何杯飲んだのか解らないぐらいオカワリして飲み干したのに、それでもマダ隣のテーブルにすら料理が届く気配がない。
あとドレぐらい時間かかるんだろう?もう待ち切れないよぉ〜と思った頃、ようやく料理が運ばれて来た。あぁ〜でもアレってお隣さんの分なんだよなぁ〜と、きっとモノスゴク鋭い目つきで眺めていたB食クラバーの眼前に、しかしソレは運ばれて来た。
え?何で?って一瞬思った後、隣のテーブルのマダム達が、お茶が入った急須のオカワリを要求したので全てを理解した。あのマダム達はとっくに食事を終えていて、ソノ上でお茶を飲みながらマッタリしているのだと!
マダム達がああ言う風に佇めるのは、一種の才能では無いだろうか。B食クラバーにとっては一生かかっても、って言うか生まれ変わったとしてもあんな風に佇むコトは出来ない気がする。
しかし今の場合、もしホントに隣のテーブルに料理が運ばれていたら、うっわウマソー、早く食いてー!とか思った心の声が、腹の虫の力を借りて大きな音を出してしまっていただろうから、チョットした勘違いであったコトに、今となっては感謝したい。
運ばれて来たのは一人用(?)の釜とソレをよそうお茶碗、みそ汁、サラダ、漬物、(何かの)魚の唐揚げ(か竜田揚げ)白髪ネギ乗せ。釜の蓋を開けて中を見る。ウナギが鎮座した釜飯が目に入る。待っていた時間との相乗効果か、ドイツもコイツも美味そうだ。
よくかき混ぜてお茶碗によそう。すると一部にお焦げがあった。おーサスガ釜飯。コノお焦げが釜飯の醍醐味だよねーと思いながら食べようとした時、あーっ!だから時間がかかったのか!と気が付いた。
オソラクではあるが、チャンとコノ釜で作った釜飯なのではないだろうか。別に炊いてあった御飯をコノ釜に移し替えるダケ、なぁ〜んてセコイことをやっている様には感じられない。コチラのゴハンは本気でふっくらツヤツヤで、コノ炊き加減を例えば炊飯器で実現できているんだとすれば、スイマセン、どのメーカーの何て言う商品ですか!と聞きたいぐらいだ。
待ったかいがあったよー!と思いながら、己の浅薄さ加減やモノの考え無さ加減を反省しつつ食べまくる。しかし残念ながらお腹が空いていたので、釜飯はあっと言う間に無くなってしまった。
食後にはコーヒーと一片の蒸しパン付き。手作り感タップリの蒸しパンだよなーって思うと、料理に使われている食器なんかもヒョットして手作りなんだろうかと思えてきた。
そう言えばコチラは陶芸教室もやっているんだし、考えられないコトじゃない。そう思うとマスマス、さっき食べた釜飯は絶対に釜で作ったんだよ!と思えて来た。あーホントにさっきの自分を捕まえてきて、首根っこひっつかまえて謝らせたい気分だ。
厨房には男性がいたが、イメージ的には彼が陶芸教室の先生で、今日食べた釜飯を作ってくれた人に違いない。あっと言う間に食べ切って、先に来ていたマダム達より先に帰るB食クラバーを見て、『今日は何かお急ぎですか?』と声を掛けてくれた。
あぁ、そうか。ココはユックリごはんを食べて、マッタリと過ごすタメの場所なんだなーと、ようやくソノ時になって理解するコトが出来た。いや、只お腹が空いていたダケなんですぅ〜とはサスガに言えず、えぇまぁチョット!とか言いながら店を出てしまったが、なんか失礼なコトになってやしないだろうかと少々心配しないでもない。
そう言えば今回、ウナギの釜飯が珍しいと思って注文したが、海鮮の釜飯だって珍しい様な気がする。今度行く時はノンビリした気持ちで、海鮮釜飯を食べに行くとしよう。