最近、ソバが食べたくて仕方ない。しかし、美味しいソバ屋にはナカナカ行けないし、行ったトコロで結構な価格だし、そうそう何度も食べられない。そう、そうそう何度も食べたいのだ。日本人の主食は米であり、多くの人達は朝昼晩の三食、米を食べていると思われるが、ソレと同じ様な比率でソバを食べたくてどうしようもない。
三食ソバ。耳で音だけ聞くと、あたかもソレは、赤・青・黄の三原色をした麺の様に想像される。…スパゲッティならありの様な感じもするが、それでも青ってどうだろか?そんなソバは到底美味しそうだとは考えられず、我ながら気持ち悪い想像をしてしまったなと、目頭と共に思わず、胃の辺りを抑えてしまう。
秋田市内にソバ屋はモチロン、カナリの店舗数があるが、まぁ、美味しいと思われるトコロは行っちゃった様な気がするし、実はイマイチの物足りなさも感じていた。簡単に言うと、秋田にはモリソバの店が無い!ってコトだ。
モリソバを2〜3枚頼んで、ワサビと一緒に食す。ツ〜ンと来たトコロで日本酒で流し込む、なんて言う風情のある食べ方の出来る店が、もしかしたらあるのかもしれないが、B食クラバーには聞こえてこないし、行ったコトもない。そしてもしそんな店があっても、きっと高いだろうから、そうそう行くコトは出来ないと言う、思考の悪循環。
そう言うソバが食べたいなぁ〜と思いながら、カップそばや、お湯を入れるダケのソフト麺ソバとか、1分位茹でれば食べられるお手軽なソバをスーパーで買って来たりしているのだから始末に悪い。結局美味しいソバ屋でなくても満足している様にすら感じられてしまうのだが、ヤハリそれは、美味しいソバを心ゆくまで堪能したいケド、実際問題そうは出来ないと言う、行動の裏返しなのだと、自分ダケが解ったツモリでいたりして。
まぁソンナ感じでお手軽ソバを食べまくっていたある日、以前行こうと思って行けなかったソバ屋のコトを思い出した。鹿角にあるソノそば屋は、グルメな全国誌なんかに紹介されていた。ソバ不毛の地と言われている秋田にも、コンナ店があったのか!と力強く思い、鹿角で仕事がある時行ってみたのだが、何たるコトかの休業日。定休ではなく臨休だった辺りが接点の少なさと言うか、B食クラバーの運の無さ全般を物語っている様で悲しみも人一倍。
最近は休日出勤バカリで土日休みのないB食クラバーは、次の休みはココのソバを食べたい!何としても食べたい!と思い立った。コノ情熱は誰にも抑えられないぜ!♪ヘーイヘヘイ。とか思ったりもしたのだが、転ばぬ先の杖とでも言うか予感が走ったとでも言うか、何となく気になったので調べてみると、その日はなんと定休日。
事前に定休日が解り、無駄足を踏まずに済んだコトを喜ぶべきなのかもしれないが、相変わらずの運の無さを嘆く気持ちの方が断然強い。しかし、ソバを食べたいと言う気持ちは抑えきれず、こうなったら岩手とか山形とか行っちゃうか!と思いながらも更に調査を進めた結果、全国紙に載ったかどうかは解らないが、カナリ評判の良いソバ屋が大館にあるコトが判明。鹿角に行こうとしていたのが、大館になるのはソレ程大きな変化ではない。既定路線の、少々の修正と言うコトで、大館のソバ屋、松くらに向かうコトにした。
最近のB食クラバーの、B食ツアーのお供と言うか、ハッキリ言って犠牲者と言えば謎のRさん。何もかもを知り尽くしているのか、或いは状況が良く飲み込めていないのか。ホントのトコはどうなっているんだかサッパリ解らないが、とりあえず一緒に行ってくれるみたいなので、考える隙を与えず、出掛けるコトにした。
以前には無かったコトだが、最近はどこかに出掛ける度に何故か、道に迷ってしまう。知らない土地や、久しぶりの場所で迷うならまだしも、日常的な生活の範囲内で道に迷ってしまうと、もしかして自分の脳内に、喪失を伴う障害が発生しているんじゃないだろうかと真剣に疑ってみたりする。
方向音痴は治せるハズだ!もっと理路整然と考える力を持ってすれば、道に迷うコトも無くなるハズだぜ!とか思ったりもするのだが、最近のB食クラバー的には、道に迷うのも楽しいコトじゃないかい?等と言う、他人から見たら呆れる程迷惑な感情が発生。道に迷うコトも含めて、ソレが全てB食クラバーなんだ!と、無理にテーマを大きくして自分を包括しはじめる始末。コンナB食ツアーに参加してくれると言うか無理矢理参加させていると言うか、とにかく、謎のRさんには気の毒な感じがしないでもないが、アマリ深く考えるのはやめて、車を走らせてみた。(コノ辺を治せば道にも迷わないで済みそうだが、ソコは考えない方向性で。)
しかし意に反してと言うか、店には意外な程アッサリ着いた。どのぐらいアッサリしているかと言うと、塩の入れ忘れた味噌汁みたいだ。…イマイチ解りにくい。塩を振りかけていない枝豆みたいだ。…ヤッパリ解りにくい。塩をかけずに食べるスイカみたいだ。…どうしても解りにくい上に、いい加減塩から離れたらどうだろうかと自分でも思ったりする。
とにかく、店は国道7号線沿いにあるので、見失わない様に気を付けてさえいれば、誰でも辿り着けるハズである。(絶対に迷う人などいない!とも聞き取れる発言をして申し訳ありません)そんな調子でアッサリ着いてしまった。最近のB食クラバーは、道に迷ったコトも含めて、ソノ店の印象として記憶に残すと言う習性があるため、若干の物足りなさを感じないだろうかと不安な気もする。
カナリ広い駐車場に、ガッチリとした造りの入り口。見た目から判断するに、大きく期待が持てそうだ。入り口の風情からも容易想像できる、ドッシリした木のテーブル。店内の全てに趣のある木材が使われていて、じっとしているダケで、その匂いが鼻をくすぐる。こう言う重厚感があって、でも堅っ苦しさの無い店で食べるソバは素晴らしいに違いない!と勝手に気分も高揚。数種並ぶメニューの中から、自分的に一番豪華そうな、海老天ざるを頼むコトにした。
お昼時間を過ぎてから入店したためか、コレからそばを打ちますので30分程待って下さいと言うコトだった。30分はチョット長いかもしれないが、打ち立てが食べられるのならば、ソレに越したコトはない。ありがたく30分待たせて貰うコトにした。ついでにと言うか、そばアイスと言うモノを頼んでいた。コレがあれば、あと30分待つぐらい全く以て平気に違いない。
コノそばアイスが美味い美味い。そば粉が練り混まれているのだろうと思うが、ソバの味わいと香りがするアイスは、ソバが入っているせいだろうか、他のアイスに比べて若干固い様な気もする。
が、ソレは粘りとか言って良いのかもしれない。独特の風味に感激し、美味い!を連発するB食クラバー。その様子を見て、実は注文していなかった謎のRさんも好奇心を刺激されたか。慌てて自分の分も注文しだした。
気が付くと30分以上経過し、他のテーブルでは一体イツになったら来るんだ!と、怒りだしたお客さんもいた。B食クラバーはと言えば、空腹も限界に達し、喋るコトも、座っているコトもままならない。こう言う時怒る元気がある人は、スンゴイ体力がある人なんだろうなと、チョットだけ羨ましい。
そして、待ちかねたソバ到着。十割の手打ちソバ。少し短めの切り。ワサビを箸に盛り、そばと一緒に頂く。十割とは思えない程ツルツルしたソバが、空腹も手伝ってかあっと言う間に胃の中に収まっていく。今のB食クラバーは、こう言う根性のあるソバが食べたかったのだ!と実感する。比内のハイテク製粉所「おぐら製粉」の微粒粉使用。
謎のRさんは、海老天ざるを食べたいけれども、ヒョットしたらお腹に収まり切らないかもしれないと言う危惧があったため、野菜天ざるにしてみた。しかし、海老が野菜だろうが、天ぷらに差は無く、結局全てを食べ切るコトは出来なかった。自分の分を食べ終えて、でも少しの物足りなさを感じていたB食クラバーの目に、ソレは絶好の標的として映った。
もしもう食べないのなら、残すのはお店の人に悪いし、B食クラバーが食べてあげるよ!と言うと、感謝の表情と共に、謎のRさんの分が、B食クラバーの眼前に届いた。いやいや、もっとイッパイ食べたいなと思っていたトコロに、ワザワザ差し出して頂いて、感謝したいのはコチラの方である。