以前、大曲市内には、リーズナブルな価格の丼モノ専門店があると、ネット上で見かけたコトを思い出した。丼モノ専門店!ってダケでソノ情報が光り輝いて見えたB食クラバーだが、何年も前のコトだったので、店の名前や住所などは綺麗サッパリ忘れていた。にもかかわらず何故か、今度はソコへ行こう!と思い立ち、詳細情報を得ようとヴァーチャルワールドへと身を投じた。
しかし、いくら探してもお目当ての情報が見つからない。ページが消えたのか、店がクローズしたのか、ソレともPC画面を見ながら、こう言う店があったら良いな!って思ったB食クラバーが、勝手に頭の中で作り出した幻だったのか。
アハハ、まさかソンナこと!と、笑い話に出来ない体験を、数ヶ月前のB食クラバーはしている。とある昼下がり、友人宅からランチに出掛けるコトになった。財布、免許証、カギなどを忘れない様に指さし確認。最後に携帯を首からかけて出発した。
満足した食事を終え、友人宅に戻ったB食クラバーは、ある違和感に気付く。首元がヤケにスッキリしているな…。…。はっ!?
ケータイが無い!
今や、財布よりも携帯電話を無くす方が大変だ!って思う人の方が多いご時世で、いやぁ〜、でも財布無くす方がヘコむよな。ケータイのが大変ってどう言うコトだよ!とか思っていたB食クラバーだが、いざソノ身になってみると、恐ろしい程に取り返しのつかないコトをしてしまった!と言う感情が、さざ波の様に絶え間なく打ち寄せる。
アノ時は鼻で笑ってしまって、誰だか解らないデスけど、アンケート調査に参加した皆さんゴメンナサイ!アノ時の自分には厳重注意をしておくし、今後2度と、ソンナ調子っくれちゃった様なチャラいコト言わないから勘弁して下さい!自分が主演した映画について聞かれても(ソンナもの無いケド)、『別に』なんて言いません!だから携帯を返して下さい!
と、心の中に急ピッチで創設したB食神社に向かって、全身全霊でお百度参りを繰り返していると、友人がケータイを発見してくれた。ケータイを首からぶら下げて出掛けたと思ったB食クラバーだが、実際には持ち歩いておらず、ず〜っと友人宅に置き忘れられていたのだ。
なんたるコト。喪失感・悔恨の念・懺悔の気分など、人間が持ち合わせているであろう負の感情がオールスターキャストで次々に溢れ出し、もう爆発する!限界です!と、臨界点に達したトコロで、まるでスーパノバ直後の様に急速に減光し始めた。
なんだよモー、人騒がせな。モチョット落ち着けよなー。とか言って(自分がしでかしたコトではあるが)普段ならば笑い飛ばすトコロなのだが、そうやって一笑に付せない事情がある。確かに、確実にケータイを首からブラ下げたと言う実感が、指先にも胸元にも、シッカリと残っているのだ。
アノ感触が幻だなんて、今になっても信じられない。ケータイを持って出掛けた自分が突然次元の壁を乗り越えて、ケータイを持たずに出掛けた世界にトリップしたんだって言われた方が、全ての事象に説明が付いて腑に落ちる位だ。
あーヤバイ。きっとB食クラバーの何もかもが、間違いなく崩壊へと向かっている。
ソンナ危うい精神状態のB食クラバーであるが、あっ!コノ店良いな!ってトコを発見した。\525で定食を食べるコトが出来、しかもソレは結構なボリュームだと言う。コレコレ、こう言う店を探していたのサ!と、コレも幻だったらどうしよう?と、脳裏の片隅で思いながら、ウワサの店、めんこいなへと、クラバーRさんと共に出掛けてみた。
店先には、『おにぎりと定食の店めんこいな』と掲げられている。コノ時、おにぎりについては全くスルーした状態で店内へと足を踏み入れた。
テーブル席が3つにカウンター。奥の方にはお座敷席もある。店内も広いし、そう言えば駐車場もヤケに広かった。ふとメニューを見ると、夜は居酒屋になると書かれていた。成る程。お手軽価格で定食を食べられる店なのだし、夜も沢山のお客さんで混雑するのだろう。
カウンターに食材が沢山並んでいて、木の札にソレらの名前が書かれている。なんか変わってる構えだなーと思いながら席に着いたのだが、落ち着いたトコロで考えてみると、ソレら食材はオニギリの具のコトなんだと、ようやく薄らボンヤリしたB食クラバーの頭でも理解するコトが出来た。
あー、そっか。オニギリを売りにしている店なんだモンねー。と、ココでもオニギリについては軽くスルーした状態で、定食メニューを見つめる。
定食は、トンカツ・カキフライ・サバミソ・唐揚げ・しょうが焼き・ヒレカツの6種類が\525で、他に\840のジンギスカン定食がある。ジンギスカンにも惹かれたが、ともかくココは\525の定食を食べるコトが目的なので、唐揚げ定食にするコトにした。店員さんにソノ旨を告げると、小鉢は何にするかと聞かれた。
カウンター脇のホワイトボードに、サバミソ・メンチカツ・スパゲッティサラダなど5種類程のメニューが書かれており、ソノ中から選ぶらしい。定番的な肉じゃがを頼んでみた。クラバーRさんはしょうが焼き定食。
そして料理の到着。\500ランチとか言うと、変なトコ行ったら、いかにも安っぽいプラスチックの容器に入ってたりするモノだが、コチラはキチンと、正しい料理屋さんらしい器に、ソレゾレの料理が盛りつけられている。
ソレだけで素晴らしい!と思ったのだが、食べてみてマタ感激の波が押し寄せる。カリッと熱々の唐揚げが、非常に柔らかい。何もつけなくても程良い味付けだし、マヨネーズをつけたり、ソースをつけて食べても美味しい。クラバーRさんのしょうが焼きをいただいてみる。見た目には結構焼き目が付いていて、固さを感じさせるモノだったが、食べてみるとコチラも非常に柔らかい。とても\525と思えないクオリティに感激もひとしお。
続いて御飯を食べてみたのだが、コレも他の店では味わうコトが難しいだろうと思える程美味しい。多すぎず、少なすぎず、絶妙の水加減で炊かれたのであろう米粒の、一つ一つがツヤツヤに輝いている。オカズも美味しいし御飯も美味しいし、料理はあっと言う間に無くなっていった。
食べ終わって落ち着いたトコロで一息入れる。あー御飯美味しかったよね。よっぽど気を使って炊いているんだろうなーと思ったトコロでハタと気付く。そう言やココ、オニギリの店って看板に書いてあるジャン!
御飯粒のコノ美味しさは、オニギリを売りにしているからコソのモノなのかっ!と、ようやく気付いたB食クラバーのウッカリさ加減には、あばれはっちゃくのトーチャンでなくても涙を流すに違いない。こりゃー今度来たらオニギリも食べないとなーと胸に刻み込む。
ナカナカ他では味わえないコノ店の御飯。あきたこまちを使っているんだろうなー、どう言うテクニックを使っているんだろう?と、漠然と思っていたが、帰って来てから、もしかしたら県南特産の品種、めんこいな米を使っているんだろうか!と気付いた。
店名もソコから来ているんだとしたら納得するジャン!と、ボンヤリしすぎのB食クラバーは、今度行ったらオニギリも買って、そしてお店の人に確認してみようと心に決めた。