夜に食べ物を見るのは危険だ。ソレは何も食べ物の実物のコトだけでは無く、各種メディアと共に現れる料理に対しても同じコトが言える。
コレが雑誌であれば、自分が見よう!と思わなければ目にする機会もないのだが、TV放送なんかは特に危険だ。CMで食べ物が映るコトは当たり前で、ソノ上夜の時間帯にグルメ番組が結構あるって言うのは、一体どう言うコトなんだろう?
サブリミナル効果とは言わないまでも、晩ご飯を食べて後は寝るダケと言う時間帯に、つられて何かを口にしてしまうって言う人は意外と多いのでは無かろうか。コレでは日本人のメタボ率も、高くなる一方だ。
まぁもっとも、もう少し夜が更けて時間が進むと、今度は健康器具だのダイエットサプリなんかの通販番組が始まるのだが。深夜時間帯のTV視聴は危険だ。様々なリスクと隣り合っている。
中でも一番危ないのが、当HPのB食倶楽部のコーナーを編集している時だ。料理が写っている大きい写真を小さくしたり、色合いが悪いかなーとチョット編集し、あ、こっちのがより美味しそうに見えるジャン!とかやっていると、さっきまで満ち足りていたハズのお腹が、突然激しい音を立てて、何か食わせろやーっ!と言ってるがの如く暴れ出す。
そして間が悪いコトに、ソノ時目に入ったのがチラシ寿司。夜中に寿司が食べたくなった人間は、一体どうすれば良いのだろうか。コンビニや夜遅くまで営業しているスーパーに行くのも手だが、大概の場合ソノ時間帯だと、売り切れているコトが多い。
何軒モノ食品売場をはしごし、ソレでも売っていない場合、最終的には自分の手で作るしかないだろう。御飯を炊いて酢飯を作るトコロまでは何とかなりそうだが、やっぱりソノ時間帯に刺身の盛り合わせが販売されているだろうかと言う疑問を拭い去るコトは出来ない。
魚を一尾買って捌いて寿司を完成させたとしても、ソレはソノ魚の寿司が出来たと言うコトであって、ちらし寿司では無い。チラシを作るタメに様々な魚を買いあさり、ようやく自分が食べる分のチラシ寿司が出来たとしても、残った魚を目の前にして、一体どうすれば良いのだろうかと、途方に暮れるような真似はしたくない。
一番賢明な策は、夜明けを待ってお昼を待って、そして寿司屋さんにランチを食べに行くコトだ。一晩かかって増幅されたチラシ寿司食べたい欲は、もはやコンビニで売られている寿司では満足出来ない程に膨れ上がっているし、夜の寿司屋は金額的に危険だし、何よりもマズ、ハッキリ言って夜まで待てない!と言うのが正直な気持ちだ。
秋田市でチラシ寿司と言えば真っ先に名前が挙がるのが、山王にあるみどり寿司だ。モノスゴク大きな皿に、コレでもか!って位にネタが乗っかって、お客さんの満足度もカナリ高いらしい。
某女王様もみどり寿司には良い印象を抱いている様だし、前から気になっていた店なのではあるが、こう言う精神状態&お腹状態の時にコソ、行くに相応しい店であろう。
明日メグり会えるであろうワンダホーなチラシ寿司に思いを馳せつつ、眠りに就いてみた。
明けて翌日。ボリュームと味で評判の店みどり寿司に向かうのに、天気もコレ以上は望めないであろうと思われる絶好のコンディション。ハンドル捌きも軽やかだ。
みどり寿司ってココだったよな?って勝手に思っていた場所には違う店があって一瞬迷ったが、何とかリカバリーに成功する。
店の前にはランチの内容を示す大きな垂れ幕。目的のちらしランチに握り寿司、さんま松前寿司に果てはあなごドリアなんてモノもあり、通常の状態であれば話のネタにもなるしココは一発あなごドリアで!とか思うトコロだが、今日は昨晩からのチラシ食べたい欲を抱えた体であるし、初志貫徹してちらしランチを頼むコトにした。
回らない寿司屋の扉を開けるのは、ソレが例え何回目であっても緊張する。震える指先に力を入れて扉を開けると、真っ先に目に飛び込んできたのは目にも鮮やかな阪神タイガースのグッツ。ココの店主はタイガース好きなのかと、誰しもが即座に解るコトであろう。
B食クラバーはサッカー好きだからアマリ関係ないが、例えば熱狂的な巨人ファンとかが何も知らずにコノ店に入ったならば、店主と客の間で激しいバトルが繰り広げられるのだろうか?ソノ場に同席するのは非常に興味深いが、絶対に疲れるだろうからヤッパリいたくはない。
L字型のカウンターに10名程と、奥にお座敷席。カウンター席をすすめられる。1人の男性客が、今マサに食べているのがちらしランチ。ヤハリものすごくボリュームがありそうだ。
初めて行った店で『毎度さん』って声を掛けられるのは、不思議だし新鮮だ。B食クラバーの毎度率は、誰もが想像する通りカナリ低いのに。ちらしを注文。カウンター席だから、丁度目の前でチラシが作られていく様子を見ながら待つコトが出来るコノ幸福感。
30cm以上はあるであろう横長の皿にシャリが盛られ、ソノ上にキャベツやモヤシなどの野菜が乗せられる。続いて寿司ネタが乗っかる。コレが、自分のために作られているモノだと思うと、ウレシクテうれしくて仕方ない。オートクチュールで服を新調した時だって、コンナに高揚するコトがあるだろうか。
チラシ寿司が完成し、受け取る。マグロ・しめさば・甘エビ・サーモン・イカ・玉子等の他に、タコを煮たモノや甘エビの頭を揚げたモノなどが乗っかりスーパーハッピーに。一体ドコから食べれば良いのだろうか?マズはシャリを食べなければなるまい!と、ネタを除けるコトから始めた。
\800でコレはワンダホーだ。野菜もタップリなので、チラシ寿司とサラダを一緒に食べた気分になる。キャベツにかかっているカレーっぽい風味のドレッシングも一捻り利いている。
半分程度食べ進み、精神的にも肉体的にも安定したトコロで店内を見てみると、有名人のポスターやら色紙やらがいくつか貼られている。そう言やココは、秋田放送や文化会館も近くにあるし(以前はNHKも!)、有名人が来るには丁度良い店なのかもしれない。
トコロでコチラの店のロゴが描かれている看板だが、パッと見ただ単純に『みどり寿し』って書かれている様に見えるが、チョイと見方を変えてみると、『みどり』ってひらがなで書かれた部分が、帽子を被った男性の横顔に見えてくるから不思議だ。
店主が野球好きであろうコトが想像出来るので、帽子はきっと野球帽で、どうやら阪神ファンらしいので、ソノ帽子は白と黒のしましま模様なのだろう。コノ完成度の高さには、『へのへのもへじ』と言う7文字で様々な絵を描く2人組、ヤポンスキーも真っ青に違いない。