B食クラバーは、学生さん方で混み合っている店、特に飲食店が苦手だ。いや、ハッキリ言って嫌いだ。
ドレぐらい嫌いかと言うと、自分自身が青春真っ直中で学生ライフをエンジョイしていた頃から嫌いだったと言う、筋金入りの学生人気飲食店嫌い。
若さに任せて無軌道にハシャギまくり、周囲の目も気にせず傍若無人に振る舞っている状況を目の当たりにすると、もう少し静かに出来ないモノかと、自分自身も彼らと同年代であったにも関わらず思っていた。
モチロン、学生さん方に大人気でも、ソコが静かな飲食店だったらベリーウェルカム。B食クラバーもソノ店に行ってみたくて仕方なくなるコトだろう。って、逆に一言も喋っちゃダメ!ってな店だったら、ソレはソレでまた困るのだが。
そんなワケで、学生に大人気!ってな具合に紹介される店に行くのには、常に二の足どころか三の足を踏みまくっている。
しかしココに来て、例え学生街のど真ん中にあろうが槍が降ろうがネコが歩こうが、どうしても無視できない店が現れた。何かで紹介される時、決まって美味しそうな唐揚げがシズル感タップリに登場する、『お食事喫茶希』がソノ店だ。
全日本唐揚げ同好会を旗揚げしようかと思っているぐらい唐揚げ好きなB食クラバーは希の存在を知ってからと言うモノ、あぁ〜なんて美味しそうな唐揚げなんだろう。食べてみたぁ〜い!でも学生に人気の店って紹介されてるし、場所的にも学生が多そうだし、いくら唐揚げが美味しいと言っても、イマイチ行く気にはならないよなぁ〜。と、イツモの様に優柔不断の押し問答を繰り返していた。
イツの世も、そうした閉塞空間を打ち破るのは、何モノにも揺るがない力強い情熱、パッションだ。ソレを手に入れるタメならば、何を犠牲にしても構わない。例えソレと引き換えに世界が滅びようとも、唐揚げを食べるコトを止められないぜっ!ぐらいの気概が無かったら、いくら美味しくても自分的には希になんて行けないぜっ!ぐらい思っていた、ハズなのに。
ある朝目が覚めたら、今日のランチは希で唐揚げを食べよう!との考えが頭に浮かび、アッサリと出掛けてしまった。一体今迄の苦悩は何だったのかと、自分で自分の思考と行動に自信が持てない。
店の前に3〜4台車を停められるコトは解っていたので、ソレが一杯だったら今日は諦めて後日にしよう!と、ココでもイマイチ良く効くブレーキ能力を発揮したB食クラバーであるが、まるで予約していたかの様に、1台分ダケ駐車場が空いていた。
もう心を決めて、学生さん達で溢れかえっているのであろう店内へ踏み込むしかない。常連の学生さん達と、まるで親代わりの様な店員さんとで和気藹々と盛り上がっている店内へ紛れ込んだストレンジャーに向けられる白い目線に、果たして耐えられるだろうか?と思いながら扉に手をかけてみた。
目に入ったテーブルには、向かい合った1組の学生さんが座って何かを食べていた。あぁー、ヤッパリ学生さん方で一杯の店なのかぁ〜と思ったが、辺りをグルリと見回してみると学生さんはソノ1組ダケで、他は社会人のお客さん方がいるダケであった。
学校の近くにあるから学生さん御用達の店なのかと短絡的に思ってしまったが、実際はそうでもないコトが解って一安心した。いや、たまたま今日コノ時間帯ダケ、社会人比率が高いのかもしれないが。
とりあえずユッタリとした気分で席に座り、念願であった鳥のから揚げ定食を注文した。以前得た情報ではランチは一律\650だったのだが、今日は\690となっていた。サブプライムローン問題に端を発した世界的な金融危機の枝葉が、こんなトコロにも姿を現しているのか。いや、もはや影響を受けていないモノの方が少ないのかもしれない。
油っこくなく、しかしカラッと揚がった感じの唐揚げが6ヶ程に、切り干し大根と山芋の小鉢が付いた唐揚げ定食。ゴハンの量も結構あってボリューミー。何とコレがおかわり無料と言う太っ腹具合。学生さん向けには欠かせないクロスセルか。
そんなコトはさておき、見た目通り油っこくなくカラッと揚がった唐揚げの、モチロン中身は肉汁タップリで大変ジューシー。マヨネーズを付けて頂く。味も濃すぎたりしないでポンポン口に入って行く。
B食クラバー的に残念なのが、ゴハンがカナリ柔らかめだったコト。あまりゴハンを得意としないB食クラバーとしては、外硬内軟のワンダホーな炊き具合か、でなかったら固めのゴハンが好きなので、ソノ辺がなんと言うかソノ。
改めて店内を見回してみると学生さんと言うよりも、少々ハイエイジな方々が多い様に見受けられたので、もしかしたらソレらお客さんの要求に応えていった結果なのかもしれない。(今日タマタマ柔らかかったダケなのかもしれないが)
そして相変わらず、2/3程食べたトコロでお腹一杯になるB食クラバー。他にもエビフライやカレーライスなど、最近のB食クラバーがチョットしたテーマを持って探している料理があるので、次回来店時はソレらにチャレンジしてみるコトにしよう。