クラバーRさんは、流しそうめんを食べたくて仕方ないらしく、食べるコトの出来る店を探し続けている。その様は、マサに取り憑かれていると言う表現がピッタリに感じられる。クラバーRさんが探し求める流しそうめんとは、竹の筒を通って水と共に流れてくるヤツだ。
始点と終点で高低差があり、その角度を利用して流れるタイプ。上にそうめんを流す係りの人がいて、食べる人は目の前を流れてくるそうめんを、チャンスを逃さずに待ち続けると言う、カジノのディーラーとお客の駆け引きにも似た緊張感が、クラバーRさんの心を捉えて離さないのかもしれない。
結構何処に出もありそうだケドなぁ〜とか軽く思ったB食クラバーも色々調べてみたが、世間の流しそうめんを売りにしている店の殆どが、円形の鍋の中で水がグルグル回流し、ソレに乗ってそうめんも一緒に流れるというモノで、クラバーRさんが望む形の流しそうめんを取り扱っている店は、全く以て見つけるコトが出来なかった。
考えてみれば、竹タイプの流しそうめんでは、そうめんを流す係りの人が必ず必要で、お客が食べ終わるまで店員さんが付きっきりってなコトになったら、店的には人件費もかさむし作業的な効率も徹底的に悪いに違いない。
お店では見つけるコトが出来ないが、夏に行われる各地域単位でのイベントでは、竹流しタイプのそうめんが大人気の様だ。全国各地で盛大に行われ、中には竹の長さが日本一だとか世界一だとかを前面に押し出しているモノもあり、充分ソレだけで、イベントが成り立つ性格のモノらしい。
と言うようなコトを考えると、ソノ様な形態で営業している店がナカナカ見当たらない理由にも納得が行くが、敢えてやってみたならば、大人気の店になりそうな感じもするが気のせいだろうか。
B食クラバー行き付けの理美容室店主の実家では、毎年夏になると一族郎党が集まって、竹を使っての流しそうめん大会を催すそうで、ちょっとソレに混ぜて貰おうかと思ってもみたりしたが、ただの客にしか過ぎないのにソンナ、サスガに厚かましいだろうと思って遠慮してみた。もうチョット仲良くなって、来年コソは参加してみたい気分もあるが
そんなクラバーRさんが、流しそうめんとの妥協点として発見したのがココ、岩手県にある洞窟、滝観洞に隣接するお休み処で提供している流しそば。長い竹の中を、そうめんの替わりにそばが流れると言うモノだ。実は去年も一度出掛けたのだが、ソノ時は営業が終わった時間に着いてしまったので、体験するコトが出来なかった。ソレで今回改めて、滝観洞迄出掛けるコトとなった。
去年1度通っている道なので、迷っているハズもないのだが、あれ?ホントにコノ道で良かったっけ?と心配になったり、去年間違えたトコと同じトコを間違えてしまったり、1年前の体験がまるっきり身になっていないコトを思い知ると共に、全く成長していない自分に身悶えしまくりながら運転を続ける。
ようやく到着した滝観洞は、1年前と同じ印象で出迎えてくれた。違うのは、去年とは違って観光客がイッパイいるコトだ。滝観洞探検は後にして、まずは腹ごしらえと、流しソバを食べるコトにした。
店の中に誰も人がいなく、少々不安になりながら足を進めていくと、後から店員さんが着いてきてくれた。さっそく流しそばを食べたい旨を告げる。少々お待ち下さいと言われ、席に着く。
1列のカウンター式に並ぶ座席には、対面する少々高いトコロに立つ建物から、18本の竹が突き刺さる様に向かって来て結構な迫力。竹には1〜22の番号がついている。4番と9番が無いのは何となく解るのだが、同じ様に14番と19番が無いのはどうかと思わなくもないが。
個人的に14番と言えば、1970年代にして現代サッカーの基礎を築いたヨハンクライフの背番号だし、9番と言えばサッカーではエースストライカーの証で、古今、多くのストライカーが9番の付いたユニフォームに袖を通すコトにプライドを感じているのだが。まぁ、サッカーの話は関係ないか。
5m位の長さの竹の、先端部分はアルミで出来ている。その終端部に蕎麦を受け止めるタメのザルを置いて、蕎麦が流れてくるのを待つ。茹で上がった蕎麦が運ばれ、遂に竹を通して流れてくる、ソノ瞬間がやって来た。
着いた席の番号が呼ばれ、そばが竹に流し込まれた。軽やかな音と共に、蕎麦が流れて来る。4回に分かれて蕎麦が流され、その度に一喜一憂を繰り返す。蕎麦が流れて来るのも楽しいし、何より蕎麦が少しずつ増えて行くソノ様子を見るのが溜まらない。もう1人前頼んで、8回流し込んで貰えば良かったかと少々後悔する。
蕎麦ソノモノの味については、まぁあんなモノかなぁとか思わなくもないが、滝観洞に流れる水を利用して流れてくる滝流しそばは、ソレだけでアトラクションとしても最高だ。流しそうめんの代案として来てみた店だが、ソンナ考えは大変失礼なコトだと改めて思った。滝流し蕎麦を堪能し、滝観洞も満喫したB食クラバーが、大満足をしたのは言うまでもない。
さて、滝観洞に着くには途中、カナリ細いグネグネした道路を通ったりして、結構大変だった。いやぁ〜辛かったねと思い返しながら、後で地図なんかで確認してみると、JR釜石線かみありす駅から徒歩5分とか書かれていた。
…何たるコト。最初から知っていればアンナ苦労はしなかったのに!次回行く時はJRを利用しようかと思う。楽なのはモチロンだが、滝見学の後にビールをブハー!とやった時の気分は最高だろうから。