店  名
 太陽漢
食べた日
2008/09/10
住  所
 秋田県秋田市山王3-1-7 東カンビルB1
営業時間
11:00〜14:00 17:30〜22:00
電話番号
 018-866-5822
定休日
不定休

軟骨ソーキそば&おにぎり
軟骨ソーキそば
太陽漢そば
おにぎり

前  説

 未だかつて沖縄の地に一歩たりとも降り立ったコトの無いB食クラバーが、それでも沖縄と最大接近したのは東京で働いていた時のコト。当時の会社の先輩に、宮古島出身の人がいた。大体は標準語を話してくれるが、時々コボれる沖縄弁で周囲を和やかにし、子供の頃は蝉を食べていたとか、鳥に石ぶつけて狩りをしてたなど、ニワカには信じられないコトを喋ってはB食クラバーを唖然とさせていた。

 飛行機で東京←→秋田間を移動すると一時間位で着いたりするが、東京←→宮古島間の、更に先輩の実家への移動だと、飛行機を何度も乗り継ぎ、フェリーに乗ったりして、ドアツードアだと10時間以上かかるとか言っていた。移動だけで一日が終わるので、年末年始とか夏期休暇とかであっても、帰省したコトは何年も無いと言っていた。

 はぁ〜、でもソレって残念ですよねぇ〜。時々は帰りたいですよねぇ〜。お父さんとかお母さんに会いたいですよねぇ〜と、人の心も乾燥しまくっている東京砂漠で一人、人知れず涙を流して頑張って働いている(であろう)先輩を心配している可愛い後輩を装いながら、タマには沖縄に帰って本場のお土産を買ってきて下さいよぉぅっ!と言うプリティなテレパシーを送り続けるコト数年。遂に先輩がソノ気になって、宮古島の実家に帰省してくれた。

 やった!数年に渡ってチョットずつサブリミナル効果の様に送り込んだ思念が、遂に現実の行動を伴って結実したのだ!今迄気付かなかった自分の秘められたパワーを発見して悦に入りつつも恵比寿顔で待っていたB食クラバーの目の前に、お土産として置かれたのはしかし泡盛だった。

 …。沖縄のお土産にどれ位の種類があるのか解らないが、このチョイスは一体何?とB食クラバーは、コレが自分へのお土産だと言うコトを、ニワカには受け入れられない。何かチョットしたお菓子的なモノを期待していたダケなのに。

 何を思ったのか先輩は、泡盛の4号瓶を、5〜6本買って来ていて、ソレを社内で配っていた。4号瓶が6本ってコトは、1升瓶を3本買って来たケド、帰り我慢できなかったからチョット飲んじゃった。テヘ。ってな位の重さと大きさだ。ソレをフェリーに乗ったり飛行機を乗り継いだりしながら10時間以上も持ち歩くなんて並の根性じゃない。

 一体何故コンナにも重い思いまでして泡盛を何本も運んだのかと気になって聞いてみると、以前都内某所で行われた会社の飲み会で泡盛を飲んだ際、他の皆が、おぉ〜結構飲み易いじゃないの、美味しいねぇ〜等と口々に言い合いながら談笑している光景を間近で見ていていた、一人本場の味を知る先輩は、泡盛はコンナんじゃ無ぇ〜!全然ちゃうわぁ〜!!と、何故か関西弁で絶叫したモノの、まぁまぁ落ち着いて下さいよ、とか言って、我々がまるっきり取り合わなかったコトが相当気になっていたらしく、ソノ飲み会への不満と屈辱をエネルギーにして、1升瓶3本相当の泡盛を1人、何時間もかけて運んで来たのだとか。

 何と言うパワー。フォースのダークサイドとは、コンナにも人の心に影を落とし、影響を与えてしまうのか。イツモはニコヤカな笑顔を振りまいてくれる先輩の、心のベースラインには常にコノ復讐心があったのかと思うと、本当に人間って何を考えているのか解らない。

 貰った泡盛は確かに、先輩が言った様に全く飲みやすいモノでは無く、ロックで飲むなんてとんでもなく、烏龍茶で割っても烏龍茶の風味が全く感じられないモノだった。最終的に飲みきったのかどうか、今となっては覚えていない。

 ソノ後、秋田に帰って来たB食クラバーと沖縄の接点なんて無きに等しい。時折秋田市内にオープンしてはあっと言う間に閉店していく沖縄料理店を何軒も見ては、あぁ〜もうっ、あと一ヶ月待ってくれたらB食クラバーも行けたのに!と悔しがるぐらいだ。

 コノ夏、秋田市内にオープンした何軒目かの沖縄料理店を目撃した時、今度コソ必ずや行ってやるぜっ!と激しく心に誓い、そしてソレは、初めて実現した。


Comment

 今回秋田市にオープンした沖縄料理店の名前は、太陽漢。日本で一番太陽が似合う都道府県はドコカと日本国民に聞くと、殆どの人が沖縄って答えるだろうと思える程、沖縄のイメージに直結しているし、漢って言う文字にも、洗練された都会には無い、無骨さと力強さ合わせもってコチラに迫ってくる様な強烈なイメージがある。

 太陽漢には、B食クラバーが行く前にクラバーMさんが既に行っていて、沖縄そばを食べたケド、とっても美味しかったと言っていた。久しぶりに感じるフットワークの軽さ。そう言えば今迄あった沖縄料理店は大概お酒を飲むトコロだった。日常的に外で飲む習慣がアマリ無いB食クラバーにとってはソンナことも、ソレらの店が撤退する前に辿り着くコトの出来なかった原因の一つであったのは間違いない。

 太陽漢はコレ迄の店とは違い、夜には居酒屋形式になるモノの、ランチタイムには沖縄そばをメインで提供してくれる店らしいので、ソノ時間帯ならばB食クラバーにとっても気軽に行ける感じがする。モチロン、B食クラバーの狙いは沖縄そばだ。

 カップ麺のソーキそばを、そう言えば宮古島出身の先輩に頂いて食べたコトがあるが、何だかボンヤリした味でハッキリしないなぁ〜などと感じていた。しかし、ソレはカップ麺だからに決まっている!って思っていたので、いつかはチャンとした沖縄そばを食べたい!と考えていた。B食クラバーにとって太陽漢は、マサに望むべくして登場した店であった。

 行こう行こうと思いながらも日数が経過し、実際に出掛けたのは夏の暑さも少しバカリ威力を抑えはじめた9月の上旬だった。東カンビルの地下一階とはアマリ行きなれないが、ソンナに広いトコでもないし大丈夫だろう!なぁ〜んて思っていたB食クラバーだったが、太陽漢を見つけられずにヤヤ焦る。

 あっれ、東カンビルで良いんだっけ?と、自分の記憶力を疑いはじめた頃、入り口となる階段から丁度対角線上の位置に、太陽漢を見つけるコトが出来、ホッとする。ツマリ一番遠いトコロにあったワケだ。最近ボケばっかり連発する自分の脳味噌を、もう少しだけ信じてやっても良いかもしれない、って気がしてきた。

 入ってすぐはカウンターが数席。ん?店ってコレしか座席無いの?と思ったが、奥の方にお座敷席がある様だったのでソコへ向かうと、4席あるテーブルの内1つダケがあいていたので座った。

 メニューを開くと、メインのそばは沖縄そば・軟骨ソーキそば・こ松菜ーそば・太陽漢そばの4種類があり、ドレにするか悩む。一番ベースとなるのが沖縄そばで、油をとことんまで抜いた三枚肉(豚肉ね)が入っている。こ松菜ーそばはソノ名の通り小松菜が入っているので、嫌いじゃないケドそんなに好まないB食クラバーとしてはアマリ食べたくない。だから、三枚肉・ソーキ・小松菜の全てが入った太陽漢そばも選択肢から消えた。以前カップのソーキそばを食べてガッカリしたのだから、違いを確認する意味でもココはやっぱりソーキでしょ!と言うコトで、軟骨ソーキそばを注文した。

 しばし待って料理の到着。コチラではそばを頼むとおにぎりをサービスで付けてくれるとのコト。コレはありがたい。ソレと言うのも、パッと見た感じの軟骨ソーキそばは、ものすごくヘルシーでサッパリしている印象を、B食クラバーに真っ先に抱かせたからだ。

 抱いた印象の通り、サッパリ&アッサリしたヘルシーな感じのスープに浮かぶ、ウドンの様な麺。ソレもソノはず、そばと言いながらも沖縄そばの麺には、そば粉が使われていない。例えて言うならば、チョット細くて平べったいウドンの様だ。

 柔らかくなるまで煮込まれ、コラーゲンの固まりですからっ!と、強烈に自己主張している風情のソーキは、厚くて大きいブロック肉の様に見えるが、食べてみると非常にサッパリしている。総じて沖縄そばは、麺もスープも具もアッサリ&ヘルシー風味だ。

 大概のラーメン屋さんで、麺の他にゴハンを食べた場合お腹がいっぱいになってどうしようもなくなるのだが、太陽漢ではオニギリも食べたモノの、B食クラバーのお腹は満腹サインを全く出さない。なんだったらもう一杯くれ!ってな感じである。

 食べてみて、もうチョット暑い日だったら沖縄そばも美味しく感じたのに違いない!って思えた。日差しが強く、暑くて熱くてどうしようも無い程に食欲もなくて、ソーメンぐらいしか喉を通りません!ってな時に、丁度食べるコトが出来るぐらいのサッパリさ加減だろうと。

 ソーメンだと炭水化物しか摂取するコトが出来ないが、沖縄そばならばソノ他に、動物性タンパク質も得るコトが出来るので素晴らしい。そう考えると、年間を通しての平均気温が秋田よりも確実に高く、B食クラバーが住んだとしたら年の半分は夏バテで食欲がない!ソーメンぐらいしか食べる気がしない!ってなワガママな状況に陥るであろうコトが手に取るように解る中、沖縄そばの存在は貴重だ。

 ツマリ、暑い地域に根ざした料理なんだなぁ〜と感じられた。逆に、秋田の郷土料理であるトコロのしょっつる鍋なんかを、多くの沖縄県民の方々は受け入れられないんじゃないだろうかと思ったりもする。

 コノ仮説を証明するためには、B食クラバーが単身沖縄に乗り込んでしょっつる鍋屋さんを開業するしかあるまい。しかし、暑さにやられて動けなくなるので、オープンしてから1ヶ月もしない内に店を畳むのは目に見えている。