店 名

旨味 太助

 

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住 所

仙台市青葉区国分町2-11-11

食べた日

2005/05/05

TEL.

022-262-2639

 

営業時間

前 説


 BSE、いわゆる狂牛病問題で、日本の食卓から牛タンが消える日も近い!と叫ばれ続け
ていた2004年。最初は5月で品切れになるとか言われ冷や汗をかき、次は8月で在庫が底
をつくと囁かれ背景にタレ線が下がっていたB食クラバーであるが、忙しさのアマリ、師も駆
けずり回る季節になっても、無くなった!って言葉が聞こえて来なかった。

 2005年になって半分近い月日が流れた5月になっても、牛タンが無くならないって言うの
はどう言うコトか。去年あんなに取り乱した自分が恥ずかしいと言うか何と言うか。一体ドコ
からどうやって牛タンを仕入れているのか気になるが、提供する側の工夫と、食べる側の我
慢が、今の状況を生んでいるのかもしれないと、まぁマスコミが伝えているコトをそのまま鵜
呑みにして信じてみる。

 そう言ったコトとは無関係に、2004年のいつ頃からだったか解らないが、どう言うワケか無
性に牛タンが食べたくなって溜まらなくなったB食クラバー。もちろんソレは、その辺の焼肉
屋で食べるコトが出来る薄っぺらいモノでは無くて(それはそれでモチロン食べたくもあるの
だが)、仙台名物の、ソレ見たコトか!ってぐらいの肉厚牛タンと、麦飯がセットになってる牛
タン定食を食べたくって、もうどうにも止まらない。

 なら、とっとと仙台行けよ!って話になると思うのだが、何度か仙台に行こう!って話が立
ち上がるモノの、何故かソノ度に立ち消えとなっていた。ならば手近に秋田市内で食べるし
か無く、牛タンを扱っている店何件かをリサーチ&ゴー!ヒタスラ秋田市内で、牛タン定食を
提供している店へと繰り出していたが、ドコに行っても満足できる定食には巡り会えるコトが
出来なかった。

 試しにどんなモノかと説明してみると、牛タンは焼肉屋で出てくるモノと同じ様に薄く、麦
飯も出て来やしない。南蛮漬けとテールスープは出してるトコもあるが、牛タン定食の基本
は、ムチャクチャ厚いくせに柔らかい牛タンと麦飯の組み合わせだろう!と勝手に思ってい
るB食クラバーは、秋田で満足できる牛タン屋に巡り会える日は来ないのだろうとの心境に。

 B食クラバーが仙台に行ける日と、仙台から牛タンが姿を消す日のドチラが先に訪れるの
か激しいつばぜり合いを見せていた両者のマッチレースであるが、明けない夜はない、冬
来たりなば春遠からじ。B食クラバーが仙台に辿り着く日が、ようやく訪れた。

Comment


 思い起こせば3年前!一所懸命応援したW杯の試合で燃え尽きて以来!!仙台に訪れ
る日は2度とめぐり来ないと思っていたが!!!道端で子犬の様な目で僕を見る君に手を
差し出した時の…と、ココまでヤケにハイテンションでワケも無く、右手の人差し指を頭上に
高々と挙げ、二郎さんに喋る隙も与えず捲し立てる欽ちゃんの様に喋ってみた。二郎さんも
ただ困って汗をかくだけでは無く、一刻も早く『飛びます!飛びます!』と、やり返して欲しい。

 そして3年前迄、仙台に来る時はイツも停めていた立体駐車場を目指す。つまり、3年前に
訪れた時もソノ駐車場に停めていたのだが、恐るべきコトにと言うか当然と言うか、ソノ立体
駐車場は無くなっていて、変わりに平面の青空駐車場が出来ていた。栄枯盛衰、時の流れ
を感じざるを得ない。

 その後暫く駐車場難民となり、仙台市内を彷徨ってみて解ったのだが、最近はどうやら、
20分とか15分で\100とかって駐車場が多い雰囲気である。しかも上限金額が決まってい
て\600〜\1,200の範囲の様だ。コレは低価格で、しかも利用しやすい。8時間停めて\600
も安いが、\1,200だって安い。駐車場天国仙台。ソンナ言葉が脳裏に浮かんだ。

 昼過ぎに仙台に到着して、最初に目指すのは牛タン屋!のハズが、何故か先にフォーラ
スに行ってしまい洋服チェック。腹減りの意識朦朧状態で、異常にグラマラスなデザインの
服屋に行ってしまったのは、もうじき訪れる逢魔が時の仕業だろうか。パワーを吸い取られ
気味のB食クラバーは、何とかその誘惑を逃れ、今度コソの思いで牛タン屋に向かった。

 仙台市内に牛タン屋は何件もあるが、3年間、飢えに飢えた後で初めて口にする牛タンは
元祖の店以外に考えられない。一目散に味太助へと足を向けた。が、その前には20人程
度の行列が。もう、腹が減ってるのにコレは待ち切らん!と思ったB食クラバーは、更に足を
のばして旨味太助へ。

 アマリ詳しいコトは解らないが、味太助と旨味太助と名前も似てて、しかも1分もあれば行
き来が出来そうな両店は、勝手に兄弟店だと思っているのだが、実際のトコロはどうなのか
サッパリ解らない。両者スンゴイ骨肉の争いの末分家したって可能性も捨てられない。

 旨味太助の前に着くと、4〜5人のヤングが、いかにもヤングらしい座り方をしながら入店
待ちをしていた。一瞬躊躇い、違う店へ行こう!と思ったが、彼らはスグに中へと案内され
たので、旨味太助に入る決心をした。

 店内は見事に満席状態。カウンターに案内され、お食事で良いですか?と聞かれ、有無
を言わさず牛タン定食の注文。しかしコチラも3年間、待ち望んだ牛タン定食を食べたくて食
べたくてようやくソノ機会に恵まれたのだから、断る理由も無い。むしろ本望である。武士の
本懐遂げたり。ってなコトを書くと少々大袈裟か。

 麦飯、テールスープ、牛タンが次々と目の前に。それらがダイヤモンドの様に輝いて見え
たのは、目から涙が零れたせいだろうか。肉厚の、しかも柔らかい牛タンを口にした自分が
ココにいることが信じられない。思い切って頬をつねってみようかとも思ったが、夢ならば覚
めて欲しくないので止めてみた。この喜びが現実的な実感を伴うまで、一噛み一噛みジック
リ味わうコトにしよう。

 ソンナ調子で落ち着きを取り戻すと、店内の様子も見えて来た。厨房の中では只々ヒタス
ラに牛タンを焼き続ける人、休むコト無くテールスープを器に入れ続ける人など、店員さんは
息つく間も無く働き続けている。そんな様子に気圧されて、イマイチのんびりとした気分で食
事って気分になれないB食クラバー。

 そうかと思うと、60歳位の常連らしき男性が、1人でやって来てカウンターで昼から酒を飲
み始めた。周りの慌ただしさとは一線を画す豪放さ。彼は2人前の牛タンを1人で食し、『こ
れっぽっちしか食べられないんだから、俺も歳をとったモンだな。』と笑った。ソレを聞いた店
員はすかさず、『そんなコト無いですよ!』と言ったが、B食クラバーも全く同じコトを思った。

 お土産用に更に3人前の牛タンを頼んでいた彼が、一体誰とソレを食べるのか解らないが
恐らく、昔っからその様にして通い続けているのだろう。アメリカからの輸入牛肉規制がナカ
ナカ解除にならず、いつ消えるかイツ消えるのかと叫ばれ続けている仙台名物の牛タンで
あるが、彼の様な人を目の当たりにすると、岩は風に揺らぐコト無しと言う格言を、現実に目
の当たりにしている様な気分になる。いつかB食クラバーも、その様になりたいモノだ。

 

牛タン定食 \1,200