品 名
チョコバターサンド

武藤製パン

住 所

秋田県北秋田市松葉町7-9

食べた日
2005/08/14
TEL.

0186-62-0362

営業時間

 

前 説


 鷹巣には、町民のソウルフードとも呼ぶべきパンがある。そして自分はそれを子供の時か
ら食べているが、それより美味しいパンにはめぐり会ったコトがないと、ある時のクラバーM
さんは言った。記憶が定かでは無いが、ある時と言うのは、3〜4年前ではなく、もっと前の
コトだったと考えられる。まさに、

 A long time ago, in a Takanosu, far, faraway ...

 と、大袈裟なファンファーレと共に、黄色い文字が手前から出現し、徐々に小さくなりなが
ら奥の方へと消えて行く。そんな壮大なシーンが頭の中で展開されて行くかの様だ。このス
トーリーを紡ぐには、エピソードT〜Yまでの6部作を、実に30年以上に渡って語り出さなけ
ればならないが、そんなコトすると、取り敢えず自分の寿命も怪しいので、とっとと短めにま
とめてみる。

 以上の様に、B食クラバーがソノ存在を知ってから、カナリの年月が流れているのだが、実
のトコロ未だに食べたコトがない。クラバーMさんが鷹巣に行く度に、今度買って来てよ!っ
て言うのだが、(そしてクラバーMさんも解った!って言うのだが、)一度も買って来てくれた
コトは無い。

 チャンと確認したワケではないがクラバーMさんは、自分の分として買って来たり、B食クラ
バー以外の人には買って来た形跡がある辺り、何となく納得がいかない。さりげに今回は
買って来なかったのかと何度か聞いてみたコトがあるのだがソノ度に、一日経つと柔らかさ
が消えてしまうからとかなんとか理由を述べている。

 それはもっともな理由っぽいケド、本当にそれが理由の全てなのかどうかは、当然のコト
だがクラバーMさん以外に知り得ないし、ソコんトコをハッキリさせる勇気は今のB食クラバー
にはない。

 クラバーMさんによると、小学生のお楽しみ会では必ず出るパンで、例えば故郷を離れて
一人暮らしをしている子供なんかに親が、段ボールで大量に送りつけたりしているらしいし、
クラバーMさんの弟なんかも東京に住んでいた時、帰省する度にそのパンを買ってから家に
帰って来ていたと言うから驚きである。

 そう言うパンとしては以前、盛岡の福田パンを食べたコトがあるが、鷹巣のパンはどうだろ
う?とにかく、自分で買いに行く以外、ゲットする方法は無い!と思い知っているので、いつ
鷹巣に行こうかなぁと、そんなコトを漠然とながら考え続けて、月日は流れていった。

Comment


 さて、いつもケチ臭い日数の夏休みしかくれないB食クラバーの勤めている会社であるが、
今年は特にケチ臭く、4日のお盆休みしかくれなかった。別に会社が忙しいとかそう言うコト
は一切無く、他の人が休んでいる間には、当然会社としても動きがあるワケでは無いのだ
が、一体何故出社しなくてはいけないのか、従業員のリフレッシュ効果など一切考えていな
いコノ会社と来たら、古くさいっていったらありゃしない。

 ソノ内の1日、能代に住む姉夫婦の家に遊びに行った。当初の予定では日帰りのハズだ
ったのだが、何故か帰りが1日々々と伸び、結局4日しか無いお盆休みの内、2泊3日を能代
で過ごすコトになってしまった。ちょっとしたお土産は買っていったモノの、滞在中の料理は
殆どが豪華。そして腹一杯。

 4年位前迄のB食クラバーならそれでも平気で食べていた様な気がするが、最近のB食ク
ラバーは食べる量が半分以下に減っているのでコレはキツイ。しかし、食べなさい&飲みな
さいと捲し立てる義兄や義兄の母親の勢いに抗えず、ソノ殆どを胃袋に流し込んだ。まぁ、
幸せなコトには間違いないが、体重が異常に増えてしまってないかと心配である。

 能代滞在の、初日と最終日は用事が結構あったのだが、真ん中の1日は殆どフリーデイ。
2泊3日の旅行であれば、自由行動に設定されている気分だ。しかし、アドリブに弱いB食ク
ラバー的には、突然何をしたらいいのか解らない。それでも、暑さにやられて頼りない思考
能力の果て、鷹巣のパンの話を思い出したので、行ってみるコトにした。

 クラバーMさんがチョコパンと呼んでいた様な気がするそれは、特にパン屋と言うコトで店
舗があるワケでは無く、スーパーなど、一般の店舗に気軽に転がっているモノらしい。どう言
うパンなのか、もうちょっと細かい情報を得ようと思ったのだが、フツーのコッペパンだし、行
けば解ると、それぐらいしか教えて貰えなかった。なんて言うか、イマイチ優しさが感じられ
ない様に感じられて仕方ないが、とにかく、行けば解ると言うのだから、ソノ言葉を信じて行
ってみた。

 鷹巣には、5〜6年前には仕事で訪れる機会が多かったのだが、その頃はパンの存在は
知らなかった。鷹巣に行かなくなってからパンのコトを知る辺り、すれ違いまくりと言う言葉
以外思いつかない。鷹巣のITOKUには売ってるらしいので、ソコをターゲットにした。

 商店街の通りに面したITOKUでは、駐車場など特に見当たらない。用事がある人は店の
前に車を横付けしているが、B食クラバーが着いた時にはITOKUの前はイッパイで、それが
出来づらかったため、ドコカ車を停められるトコロは無いかと探していると、商店街駐車場と
か言うトコロがあって、ソコが1時間\100だったので停めてみるコトにした。

 初めて入るITOKUでパンコーナーを探す。ソコには、タケヤとかヤマザキとかの他に、見慣
れないパンが並んでいた。コレか、コレなのか!とは思うがイマイチ自身がない。誰かに聞
いてみようにも、『コレがクラバーMさんがワタクシに教えてくれた、鷹巣町民のソウルフード
たるパンですか!』と聞いてみたって、相手がクラバーMさんじゃないから聞いてみたトコロ
で相手だって困惑するに決まってる。

 どうしたら良いのかと途方に暮れかけた頃、鷹巣の店ならドコにでも売っていると言うクラ
バーMさんの言葉を思い出したので、それを実行してみるコトにした。一旦ITOKUを出て、コ
ンビニっぽい店や他のスーパーなどに入ってみた。すると、どの店に入っても、タケヤやヤマ
ザキのパンに混じって、先程気になったパンがあったので、鷹巣町民のソウルフードはコレ
で間違いないとようやく確信。購入するに至った。

 ターゲットはチョコパン。しかしそう言う名前のモノは無く、チョコバ
ターサンドと言う名前のモノがあった。恐らくコレだろう。非常に簡素
なパッケージをみると武藤製パンと書いていて、辺りを見てみると、
パイナップルのとオレンジのと、他に2種類のパンがあった。コノ3種
類が武藤製パンのオールメンなのだろうか。早速購入して車へと
行ってみた。

 座席に座ると突然我慢出来なくなり、チョコバターサンドに噛み付いてしまった。想像以上
に柔らかいパン生地。クラバーMさんの言うコトも充分頷ける。そしてチョット酸っぱめで、若
干ヨーグルト風味なバターも良い感じ。美味しく食べ進めてみると、あれ?コレってチョコパ
ンじゃ無かったっけ?と、珍しく食事中に頭脳が回転する。

 おかしいな。ヒョットして半分がバターで、半分がチョコなのだろうかと食べ進めてみたが、
一向にチョコが現れない。チョコの入れ忘れだろうかとか色々考えながら良く見てみるとバ
ターの中に、黒いモノを発見。そう、今の今迄チョコとはチョコクリームのコトを指しているの
だと信じて疑っていなかったのだが、実はそうじゃなく、チョコチップのコトであったのだ!

 しかしコレがナカナカ、ヨーグルト風味のバターと、チョコチップの
甘さと、パン生地の柔らかさが、何とも言えずベリーグッド!瞬く間
に鷹巣町民のソウルフードは、B食クラバーのソウルフードにもなっ
てしまった。子供の頃からこんなパンを食べるコトが出来てたなん
て、鷹巣町民が羨ましくて仕方ない。食べ終わったB食クラバーは、更に3ヶを買いにITOKUへと向かってしまったぐらいである。

 勢いに任せて何個も買ってしまったが、サスガに続けて何個も食べられるワケはない。食
べきれなかった分は翌日の朝へと回してみた。袋を開けて口にしてみると、固い。前日の柔
らかさがイマイチ感じられなかった。軽くショックと言うか何と言うか。柔らかい状態の時は、
続けざまに3ヶ位食べられそうであったが、翌日のパンはそうでもない。クラバーMさんの言
うコトは正しかったのだ。

 その固いパンを姉も食べてみたのだが、特に感想的なモノは無く、昨日の内に食べさせ
れば良かったなと少々後悔。更にこのチョコバターサンド、1ヶ1ヶ形が微妙に違う辺りが何と
も。大体もう、どんなトコのコッペパンも、形は画一的なのだが。パンがどれ位柔らかいかと
言うと、恐らく商品陳列時にパンを掴んだ店員の指の後が若干残っている位で、コレも最初
買う時は気になったのだが、食べた後では納得の状況である。

 トコロで、お盆休みを能代で過ごしたB食クラバーは、スッカリ久しぶりに能代に帰省した
子供の様な気分になってしまったのであった。

 

チョコバターサンド \105  パイナップル  オレンジヨーグルト