店  名
 枸茉梨(クマリ)
食べた日
2004/05/16
住  所
 秋田県秋田市広面字蓮沼90-1
営業時間
11:00〜23:00
電話番号
 018-825-2010             枸茉梨のBilogへ>
定休日
月曜日

セット
プリセット
カレー
ドリンク

前  説

 秋田市内に何ヶ所か存在するB食サルガッソーの存在は十六坊で既に報告済みだが、このクマリもその1つ。B食クラバーが記憶にある一番最初の店はラーメン屋だったが、何て名前だったかは覚えていないし、モチロン味も覚えていない。

 その後も何軒かの店が閉店と開店を繰り返し、つい2〜3年前だったと思うが、秋田市内はもとより県北方面でも結構人気のラーメンチェーン店、宝介が入ったので、遂にサルガッソーも断末魔の叫びをあげて、ブクブクと泡を吹きながら消えて行くのかと思ったが、ダークサイドの力は思ったよりもカナリ強大で、他の店は繁盛してどうしようもない状態であるにもかかわらず、コノ店ダケが闇の世界へと飲み込まれて行った。

 B食サルガッソーは存在する。それを誰もが疑いもせず確認した瞬間であった。地図の上でサルガッソーを線で結ぶと、大きな五芒星でも現れるんじゃなかろかと戦慄するB食クラバーをよそに、新しいラーメン屋がオープンしたが、それも間もなく消えて行った。話によるとサルガッソーを殲滅せんがために(?)宝介と同じ人がやっていたと言うコトだが、一度も行ったコトが無いし、今となっては確認のしようもない。

 その後暫く、このポイントは暗黒地帯と化していたのだが、チョット前から、何やらお色直しをしている風景が見て取れた。また新しいチャレンジャーがいる。以前ならば『頑張れよ!』とか思っていたトコロだが、宝介後ではそんな気も起こらない。

 馬にまたがって斧を振りかざし、風車に向かって突進して行くラマンチャの英雄の姿が思い起こされ、いたたまれない気持ちになっていたのだが、壁になにやら怪しげな模様が描かれる段になって、その思いは変化した。(ホンのチョットだけ。)

 普段見慣れない、複雑な曲線の重なりによって描かれた紋様は、一瞬ココが五芒星の中心なのか?と思わせるに充分であったが、明らかに中央アジアの香りが漂うタッチ。新しくできる店はどうやらインド料理店らしいと解り、期待のベクトルが少々上昇した。

 その後ヤッパリ、クマリの存在を忘れて過ごしていたトコロ、女王様からクマリに関するお話を聞いた様な気がした。しかしソノ後も、話は聞いていたハズなのにスッカリ忘れていた。何度店の前を通っても、何度話を聞いても忘れてしまう存在感の薄さは、クマリのコトは忘れるようにとの呪いでもかかっているんじゃないかとか思ったり思わなかったり。

 早くも梅雨の訪れを感じさせる5月の日曜日。呪術、五芒星、サルガッソー等のキーワード全てが交錯しながら、何かに引き寄せられる様に、クラバーKを伴ってクマリへと出掛けた。


Comment

 『入り口入って「えっこんな席が!」カウンターで「この椅子はなに!」と思うこと確実(^・^)』 『窓際で落ち着いていたら、「あ!奥に個室が!」(-_☆)キラーン』

 と言う話を聞いていたので、どんな店内なのか異常に気になっていたのだが、以前のラーメン店の面影などドコにも無い。コレまでの店は、基本的に以前の店のレイアウトをそのまま生かしていたのだが、カナリ大胆に変更されている。

 入り口付近には2人用のテーブル席。ココは天井からインドシルクの様なモノがダラ〜ンと掛かっていて、エキゾチックインディア!と言う感じを醸し出している。何故か足の平が設置されているのだが、ココはウェイティングスペースなのであろう。

 不思議に思いながら店内に進むと、床から巨大な手のひらがコレでもか!って位何本も伸びている。チョット怯んだが、コレはどうやらカウンター用の椅子らしい。全て木彫りのコレは座る面にクッション等も無く、一体どんな座り心地なんだろう?と気にもなったのだが、スンゴイ痛くて座られたモンじゃ無い!って思ったら、2度と来たくないって思うだろうし、コノ店の印象も悪くなるに決まっているので、中央部にある至ってフツーのテーブル席に座った。

 窓際に掘り炬燵席が並んでいるのが気になる。店内に流れる音楽も相まって、ソコ以外はインドのムードをいっぱい醸し出しているのだが、純和風の一角が浮いている様に感じられなくもない。しかしコレは、全てのアジアを取り込もうと言うモチーフの現れか。

 店内には2人の日本人女性がいて、それぞれに赤いサリーと白いサリーを着ている。フワフワ感が何とも言えない。厨房には2人の中央アジア出身と思しき方々。コノ4人で切り盛りしている様である。女王様の話によるとファミリーだと言う事だが、それぞれがどの様な関係なのか少々気になる。以下、注文の様子。

 B:『タンドールMIXと、あんこナンと、マサラポーク下さい。』
 店:『はい。』 
 (B食クラバーと店員の会話がまだ終わりきらない内に。)
 K:『マサラチキン下さい!』

 と珍しく、クラバーKが自己主張する様に、自分が食べたいモノを喋った。コノ時は何とも思わなかったのだが、後から考えると、コレが辛い出来事の伏線だった。

 タンドールMIX、あんこナン、マサラチキンと、順調に料理が運ばれてくる。マサラポークだけが運ばれてこないのだが、何か特別な調理法でもあるのだろうと考え、珍しいあんこナンを食べるコトに没頭していた。あんこナンは名前の通り、ナンの中にあんこが入っているモノだが、あんパンのような、たいやきのような、日本人の口には慣れた味である。

 商品を表す名前として、コレ以上に簡潔なモノは無いよなと思っていたが、あんこナンが無くなりそうになってもマサラポークが来ない。厨房の方を見ても作っている雰囲気など微塵も感じさせない。ん〜だよ店員、忘れてんのかよ!と思った瞬間、注文時の状況が走馬燈の様に思い出された。

 B食クラバーが『マサラポーク下さい。』と言い切らない内にクラバーKが『マサラチキン下さい。』と言ったモノだから、マサラポークじゃなくてマサラチキンが欲しいんです、とアピールしたんだと、店員は勘違いしたに違いないと思うに至った。

 店員を怒るワケにもいかず、平静を装いながら呼びつけ、改めて注文してみた。すると、店員は爽やかな笑顔でオーダーを受け付けてくれた。やはり店員は勘違いしていたのだ。ココのカレーは1〜5HOTと\100払うと辛さを選べる様になっているのだが、先にマサラチキンを食べていたクラバーKが、『アマリ辛くない。コレなら2HOT位の方が良いだろう。』と何の気なしに言った言葉が耳に残っていて、『2HOTで!』と頼んでしまった。コレが更なる悲劇の元に!

 運ばれて来たマサラポークを1口食べたB食クラバーの背中に、嫌な予感が走った。1口食べたダケだとスッキリした口当たりのコノ辛さは、しかし食べ進むに従って強烈な辛さとなってB食クラバーに襲いかかってくるだろうと容易に想像させた。

 案の定、半分位進むと、コレ以上1口も食べたくない程に舌が痙攣。脳天から汗が噴き出し、目からは涙が零れ、鼻水もじゅるじゅる。人間の体から液体が出る穴が、一体幾つあるのか解らないが、現在8割以上はそうなっていると推察される。そう言えば以前にもコンナ状況にめぐりあったなと、薄れかかった意識の中で思った。

 初めて行く店では基準が解らないと判断できないとの理由で、いつもはスタンダードなモノを注文するのだが、今回は見事にクラバーKの術中にハマった。タマに自己主張をすると、周りを混乱に巻き込むクラバーK。大体今迄コウ言う役は、クラバーKの独壇場だったハズなのに。

 とにかく、料理を楽しみ店を後にしたのだが、日曜日のディナータイムにも関わらず、我々の他にお客さんは一組いるダケである。開店したバカリと言うのにコノ空きようは一体…?サルガッソーの王道を行く状況を目の当たりにすると、目頭に熱いモノが込み上げてくる。ヒョットしたらホントにココが五芒星の中心なのかもしれないと、実際に地図に線を引いてみたくなった。