品 名

あんごま餅

 

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前 説


 その噂はしばらく前から聞いていた。八郎潟町に何やら美味しいお餅があると。しかし、八
郎潟町と言うのはB食クラバーにとって、能代へ向かう時に通過する町と言う印象しか無い
ため、なかなかソノお餅をゲット出来ずにいた。

 大概、今度能代に行く時は途中で寄ろう!と思うのだが、いざ現場に近づくと、生まれな
がらに持ち合わせた怠け者体質が全身を強襲。例えば行きだと、『帰りに寄ればいいや』っ
て思うし、もちろん帰り道には、『今日はもう遅いから次回にしよう!』って思うモノだから、冷
静な時に考えると、こりゃ一生買えないなって思わなくもない。

 コレは例えば、毎年夏休みが始まる前に、『今年はキチンと計画を立てて、何だったら始
めの一週間で宿題を全部終わらせよう!』って息巻いているクセに、今日はお母さんのお手
伝いをしたからとか、明日は従兄弟が遊びに来るからとか、何でもかんでも理由を付けて、
大切なコトを一日、また一日と先延ばしして行く小学生の気分にも似ている。別にB食クラ
バーの小学生時代がそうだったとは言わないが。

 誰か気の利いた人が、B食クラバーのテレパシーをキャッチして買って来てくれないだろう
かとまで思う辺り、怠け者体質にも程がある。コノぐうたら感には、ノビ太やチビ○子を彷彿
させるモノがあり、大人となった今では、彼、そして彼女の母親らの気分が少しダケ解る様
な気がする。ココんトコ、『少し』と『気がする』は、かなりポイントになる部分である。

 しかし、願った人にダケ幸福が訪れると言うか、信ずるモノは救われると言うか、そんなB
食クラバーの、いささか自分勝手な願いをキャッチしたらしい人物が現れた。仕事に追われ
疲れ果てた状況のやあまさんが、次の様な報告をしてくれたのだ。

 やあまさんのお話。
  お餅は畠栄でしたっけ?八郎潟の「あんごまもち」が近頃のお気に入り。
  「あんごまもち」は上新城の婦人会のような集まりで畠栄を真似て作っているのもよかっ
  たです。〈こっちのがいいかも)
  泉一の坪だったか、その辺の「彩菜館」とかで売ってるようです。

 素晴らしい。八郎潟にはナカナカ足が向かないが、泉ならば気軽に寄るコトが出来る。純
粋な思いは天に通じるのか。コノ調子で他の願いも叶えて貰いたいが、それはやあまさん
に可能なのだろうか。

 ※尚このページは、将来行くであろう八郎潟の畠栄菓子舗のコメントも書くコトを考えて、
いつでも追加できるスタイルにしています。って、ますます夏休みの子供の…(以下、省略

Comment

店 名

彩菜館

食べた日

2004/10/02

住 所

秋田市泉一ノ坪


 彩菜館と言うのはJAで展開している、農家から消費者への直売場のコトだが、敢えて野
菜直売場なんて言う呼び方をしないトコロが、他とは一線を画している。コレは全国のJAに
共通した呼び名なのかどうかも解らないが。とにかく、場所ダケは知っているソコへと行って
みた。

 店内のレイアウト的にはカナリ殺風景。本当に単純に、屋根と壁に囲まれたトコで野菜売
ってます!と言い切っている様な豪快さを感じる。自分で作ったモノを売るのに、余計な虚
飾はいらない!と、無言の内に語っている様でもある。

 そんな店内で若干浮いている様な気がしたB食クラバーだが、大概そんなモンは自意識
の過剰が招くモノだし、前髪を1mm切りすぎたと言って落ち込んでいる女子高生にも、『気
にすんな!誰も気付いていないよ!』って声を掛けてあげたい気分であるが、実際にそん
なコトしたら、ジェットモグラにターボを付けて加速させた上で、更に地中深くへと落ち込ま
せる原因にとなりかねないし、国際救助隊もそんなコトで引き合いに出されたらタマらない
であろう。

 とにかく、写真でダケ見たコトのあるあんごま餅を探して、店内を何周もしたのだが、見つ
けられず、今日は売り切れたのだろうと諦めるコトにした。後日、やあまさんに聞いたトコロ
によると、やあまさんが13:30頃に行ったら3パック程あったと言う。B食クラバーが行った時
間は確か16:00頃。何しに来たの?って言われても言い返す言葉が見つからない。

 もう1度13:00頃にトライしたが見つけられず、次は12:00頃に行ってみてようやく念願のあ
んごま餅をゲット!出来て感無量。予想外にも\400の大きいパックと、\300の小さいパック
があって、どちらを買うべきかB食クラバーの中で、他人には決して解るコトのない葛藤が。
結局どちらも選べなかったB食クラバーは、両方を買うコトにした。コレだからB食クラバーと
散財は、バリ島にハネムーンに来てる新婚さんの様に、切っても切り離せない仲なのだが。

 畠栄菓子舗のあんごま餅が好きだ!と言う、理美容師Sさんと共に食べるコトにした。モ
チロン小さいパックの方である。どれどれ?と何かを試す様にフタを開ける理美容師Sさん。
途中、んっ!?とか大きい声で言うので、何かおかしなトコでもあるのだろうかとコトの推移
を見守っていたが、『あっ、同じだ!』と次の瞬間微笑んだ。どうやら見かけは同じモノらし
い。だが、味の方はどうだろうか。

 パックの1面に敷き詰められた餅の上に、あんこが塗りたくられ、更にその上に隙間無くご
まが敷き詰められていると言う、マサに和菓子界の地下層。ソノ下には熱いマグマが煮え
たぎっているかの様である。

 一口食べた理美容師Sさんは、しかし信じられないコトを言った。『畠栄のがもっとシットリ
していて美味しい。』何ぃぃぃ〜っ!見かけは一緒でも味は違うのかとガッカリしたB食クラ
バーも続いて一口食べてみる。『(食べたコトは無いが)畠栄のが(きっと)もっとシットリして
いる。』と、理美容師Sさんと全く同じ感想。しかし、やあまさんは彩菜館のが好きだと言っ
ていた。人の味覚には差があるのだなと思いつつ、帰宅してから大きいパックの方を食べ
てみた。すると、…!

 小さいパックとは比べモノにならない位シットリしている。畠栄のは食べたコトがないが、
恐らく似た食感に違いない。コレならばしかし、やはり畠栄のも食べてみなければなるまい
と思うB食クラバーは、そう言えば食べた後にニィ〜っと笑ってお歯黒ぉ〜ってやってないな
と気付き、1人で鏡の前でやってみた。