ソコから数日待ち、ようやく喜久福が職場に届いた。早速食べるぞ!と血圧が急上昇。し
かし受け取ったソレは、指先にヤケに冷たかった。よく考えれば当然のコトかもしれないが、
何と冷凍状態で配達されて来たのだ。待ちに待った喜久福を、遂に食べられると思ったのも
束の間。コレから解けるまで待つなんて。いっそのコト凍ったままの状態でガリガリ食べてし
まおうかっ!等と言う、フォースの暗黒面に落ちたアナキンの気持ちが手に取る様に解りそ
うな気分が込み上げてくる。
しかし、待ち望んだモノはヤハリ完璧な状態で食べたい。そうでなければ自分1人が間違
った情報を持ってしまって、世間からは浮いてしまう。コレこそマサに、簡単ダースベイダー
製造法って感じがするのでヒタスラ我慢。ソノ間、仕事が全く手に着かなかったのは想像通
り。チラッチラッと横目で見ては溜息の繰り返し。
一生懸命働いている人にも、そうでない人にも、時間は平等に過ぎていく。2時間をうわの
空で過ごしたB食クラバーにも、遂にソノ時が訪れた。2時間が過ぎた頃、クラバーAさんが
おもむろに動きだし、喜久福に手をかける。その後B食クラバーの元にやって来て、コレはマ
ダ食べちゃダメかと聞いてきた。ソノ様子を見るに、2時間を無為に過ごしていたのはB食ク
ラバーだけでは無かったコトが容易に想像できたが、ソレを特にクラバーAさんに確認はしな
かった。
マダ冷たい感じはするが、コレは箱が冷たいダケに違いないと言うクラバーAさんの、一体
どういう根拠に基づいた仮説なのかは理解できないが、とにかくソノ言葉に従って、箱を開
けてみた。今にして思えばコノ時、静かな威圧感に圧迫されていたのかもしれない。ソレを
裏付ける出来事がコノ後発生する。
ホンマに大丈夫なんかいな?と半信半疑のまま、個別包装された袋を開けてみる。すると
冷たいのは袋だけで、中身の喜久福は食べるのに充分な状態であった。先程何の根拠も
無いと疑ったクラバーAさんの言動であるが、ヒョットして何かの裏付けがあったのか!と思
っていると、何やら熱い視線を感じる。
気になってソノ方向を見てみると、なんとクラバーAさんとMさんが2人揃って、B食クラバー
の方を覗き込んでいた。自分で大丈夫!言っておきながらクラバーAさんは、果たしてホント
にオッケーなんだろかと不安でしょうがなかったのだ。その可否をB食クラバーを使って判断
しようとしていたのだ!恐るべし、クラバーAさん。そしてマンマと踊らされた格好のB食クラ
バー。
クラバーAさんの言葉を100%では無いが信頼して実行してみたのに、コレは一体何たる
仕打ちであろうか!?コレからクラバーAさんと対面する時は、常に何か裏があるのではな
いだろうかと勘ぐらなければならないであろう。
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さて、初めて食べた喜久福であるが、中のアンコが透けて見える
薄目の餅が、食べてみると異常に柔らかく、伸びる伸びる。10cm位
は伸びた気配がある。水分をチト多めに含んだ様なコレも柔らかい
アンコ。更にソノ中に抹茶クリームが入っている。今こう言うコトを言
うと、はぁ〜?とか言われるかもしれないが、初めて萩の月を食べ
た時くらいのインパクトを感じた。
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また注文をしなければ!って思うと共に、喜久福同様、美味しい食べ物がまだまだ一杯あ
るのだからと、再び仙台への情熱が戻り始めたのであった。
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