女王様からの連絡を心待ちにしていた、その日が遂にやってきた。夕方、仕事が終わって
から会うコトになったのだが、その時間を待つのもまだるっこしい。B食クラバーとしては、今
スグにでも受け取りたくて仕方なく、胸が切なく甘く、キュ〜っと締め付けられる様な気分に
なったのだが、女王様にはロイヤルな執務もあるし、それはワガママと言うモノだ。
勤務時間が終わり、女王様に会うべく、ソッコーで車を走らせた。某パブリックオフィスの
駐車場に停めようと思い行ってみたのだが、どう言うワケか駐車場は満車。パブリックオフィ
スの駐車場に停めるコトが出来るのは、彼らが働いていない休日のコトで、平日は彼らの車
で溢れているコトを忘れていた。
路駐するワケにもいかないし、結局パブリックオフィスの周りを2周半して、ようやく車を停
められるスペースを発見した。その間、一体どれ程の時間が流れていたのか、B食クラバー
には解らない。結構な時間が経過していたと思うのだが、正確には知りたくなかった。おそ
らく、もしハッキリと何分遅れたとか解っていたら、女王様に会おうなんて気分は、真夏のア
スファルトに撒いた水の様に、一瞬の内に蒸発していたに違いない。
女王様と目が合うと、案の定開口一番、『遅い!』と言う言葉が発せられた。結局一体ど
れぐらい遅れたのか解らないが、素直に謝るしかない。女王様が気分を害されて、ポテトチ
ップチョコレートが貰えないなんて事態に陥らない様に願うバカリである。(いや、もちろん女
王様が無事に帰って来て良かったなと、それを一番に考えていましたよ。そんなコト当たり
前じゃないですか。)
少々疲れた様子の女王様から、旅の思い出の、楽しかったコト、楽しくなかったコト、怒り
たかったコトなんかを聞いて、B食クラバーも北海道に行ってみたくなったのだが、近々シャ
レにならない事態に陥る可能性があるので却下。(…コレはまた、別の話。)
女王様からポテトチップチョコレートを頂き、遂に御面の時間がやってきた。コノ、袋を開け
ようとする瞬間の気持ちは、何かに似ているなと思ったら、学年が1つ変わって、新しい教科
書を開く時の気持ちに似ていた。汚れていない新品の本。開いた時に感じる独特の匂い。
難しい内容だったら2度と開きたくないってトコまで一緒だと言う点も、いちいちディティール
感に溢れていて心憎い。
開けた袋を手に持った瞬間、何かに似ていると心がざわめいた不思議な気持ちは、口に
した時に確信に変わった。ザラザラとして甘い触感は、チョコフレークを彷彿させるのだ。ポ
テトチップの塩が、もう少し利いているのかと思ったが、ロイズ特製クリームチョコレートの効
果かそれ程には感じられない。
帽子を被った無口な絵描きの様に、♪フムフム〜と思いながら食べていると、いつの間に
か1袋の半分位食べていたコトに気付き驚愕。恐るべし、ポテトチップチョコレート。TVのCM
でも、北海道の新じゃがを使ったポテチは美味いと言っているし、この組み合わせは北海道
ならではのモノであろう。
手に持って改めて見つめ直すと、意外に厚いポテトチップの、片面にだけチョコが塗られて
いる。解っていたコトだが、一体コレはどうやって塗っているのか、そのテクノロジーが気に
なって仕方ない。まさか人間の手で塗られているワケでは無いだろう。一度工場を見学した
い気分である。って言うか、ロイズでは工場見学って実施していないのだろうか。
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