naoさんから情報を得てスグ後、早速出掛けてみたのは言うまでもない。しかしコノ時は、
店に着いた時間が遅かったせいか、既に売り切れていた。また次回来てみようと当然思っ
たB食クラバーは、それ程日にちを明けずに再び訪れたのだが、その時も売り切れていた。
そう言うコトが何度か続いた後、コレはもっと早い時間に来なければならないのかもしれな
いと、ようやく学習機能が働き始めたポンコツ脳味噌で気づく。しかし、何て言うか早い時間
からワザワザたい焼きダケを買いに出掛けるってのは如何なモノかとポンコツ脳味噌が指
令する。って言うか只単にぐうたらなダケであるのだが。B食クラバーのぐうたらさ加減と来た
日には、某未来世界の猫型ロボットの親友と変わらないモノがある。
何となく、以前食べた惜しい感じの鯛焼きの印象が頭の中に残っていて、そのせいでイマ
イチ積極的になれなかったのかもしれない。冷やし鯛焼きのコトが頭の片隅にありつつも、
また今度で良いや!と、未来世界の孫からその人生を心配され、猫型ロボットを送りつけら
れるお祖父ちゃんと変わらない位のぐうたら感を持って毎日を過ごしていると、今度はユカイ
さんから大塚やの紹介があった。
その紹介に釣られて、大塚やのサイトを見てみると、ティラミス、抹茶、イチゴなど、およそ
今迄の鯛焼きでは考えられない中身の詰まった鯛焼きが紹介されていた。しかも写真を見
るに、他の有名ドコのたい焼きの様な、ソリッド感溢れる皮に包まれている印象を受ける。ソ
リッド感のある皮に変わった中身。更にコレが冷たいとなると、B食クラバーの食べたいボル
テージが、あからさまに無闇に急上昇する。早速次の休みの日出掛けてみた。
店の前には、自販機を整理しているカーサン。鯛焼きを買ったコトはないが、このカーサン
が大塚やの店員であるコトは知っている。『鯛焼きありますか?』と聞いてみる。するとカー
サンは、『あら〜、今日売り切れちゃったのよぉ。』と、B食クラバー的に何度も聞き慣れた言
葉を、聞き慣れた口調で返して来た。思い返せばコノやり取りは、B食クラバーが冷やし鯛
焼きを求めた最初の時から今回迄、あらかじめそうと運命づけられていたかの様に繰り返さ
れていた。
この、油断してたら宇宙の終わりまで延々と繰り返されそうなシークエンスをドコかで断ち
切りたい。その為にはヤハリ、朝早くから出掛けなければならないのか!とか思っていると
先日、休日出勤した分の代休を貰えるコトに気が付いた。コレだ。一般の利用客が少なそう
な平日ならば、手に入れやすいかもしれないし、コレを逃せば、又とコノ機会は訪れないか
もしれない。B食クラバーが冷やし鯛焼きと遭遇する、運命の日は決定した。
その日、店内に入るB食クラバーの足先はたどたどしく、声は震えていたかもしれない。店
内に入り、店のカーサンに向かって、『たい焼きありますか?』と聞いてみる。ココまでは、
今迄の流れと何ら変わるモノはない。しかし次の瞬間、店のカーサンは明らかに今迄とは
違う反応を返して来た。遂に新しいダンジョンへと踏み込む時が来たのだ!
と言うB食クラバーの盛り上がりとは別に、店のカーサンは訝しげな表情を見せている。一
体何が起こっているのだろうと戸惑っていると、『冷たいタイ焼きですよね?』と聞いてくる。
『はい。そうです。』と答えてみると、『そちらに並んでますが…。』と腕を向ける。その先を見
ると、コンビニやスーパー等で良く見かける冷蔵の棚の上に、透明な袋で1つ1つ丁寧に包
装された鯛焼きが並んでいた。
Here comes the
time!6種類程の鯛焼きが、3〜4ヶ程ずつ陳列されている。店のカーサ
ンは恐らく、ソコに並んでいるのに何言ってんのアンタ、ってな心境だったに違いない。しか
しコチラは、何度も足を運んで、ようやく冷やし鯛焼きにめぐり会えたのだ。少々のコトには
目をつぶって頂きたい。
各種類を1つずつ購入。会計を終えると\1,000を越えていた。鯛焼きに\1,000以上かけて
良いのだろうかと思わなくもないが、待ち望んでいた鯛焼きなのだし、もうコノ勢いは止まり
そうに無い。店のカーサンとの会話に新しいステップを得たB食クラバーは、次に鯛焼きとの
間に新しいステップを得ようと車に乗り込んで1口食べようと、店を出ようとした。その時、冷
蔵棚に並んでいる鯛焼き達が目に入った。
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透明な袋に入って、白い棚に並び、冷たく冷やされている鯛焼き達
を見ると、一日百日の如く鉄板の上で焼かれ続けて嫌な気分になっ
ちゃって、中には店のおじさんと喧嘩して海に逃げ込んでしまうかも
しれない鯛焼き達にも、新しいステップが訪れたのかもしれないと思
ってみたりする。
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