上野と言っても最寄り駅は御徒町で、駅を降りるとソコにはアメ横が広がっている。アメ横
と言えば年末年始には必ずTVの中継が入り、人混みでごった返す中、ダミ声のオヤジが
商品の値段を息つく暇もなく連呼。お客さんが価格交渉して商売が成立すると言う様な、コ
レもやはりソノ様にインプリンティングされてしまっているかの様な情景が思い浮かぶ。
アメ横には数える程しか行ったコトが無いが、干物を売ってる店の隣で高級そうなコートを
売ってたりして、一体コレはどう言うコトなんだと頭を抑えずにはいられない。アメ横と言うの
はアメや横町の略称で、戦後の闇市でアメリカ進駐軍から出回ったモノを売っていたからつ
いた名前だと聞いたコトがあるのだが、ホントだろうか。真っ赤なリンゴを口元に近づけ、無
言のまま空を見上げたい気持ちになりながら、そんなコトを考える。
今回、アメ横には用がないので素通り。何だか異常に安い食品が販売されており、人だ
かりが出来ていた様な気がするが、うさぎやに行くコトしか考えていなかったし、今となって
はそれが何だったのかも覚えていない。
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少々道に迷いながら、うさぎやに到着。入り口の上にあるうさぎの飾
り物が目印だ。何故うさぎなのかと言うと、開業した人が卯年だからら
しい。雑誌やネット等で得た情報では、確実に買うには予約をしなけれ
ばならない程の人気店だと言うので、カナリの混雑を予想していたのだ
が、行ってみると、店内はガラ空きであった。
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あれっ?と拍子抜け。コレなら予約も必要ないし、買えないってコトもないだろう。雑誌って
時々オーバーだよねと思いながら、さて何個買おうかと考えていると、ソノ僅かの時間に3〜
4組程のお客さんが来店。B食クラバーが注文するよりも先に買って帰って行った。まるでチ
ョコマカ星人の中に、1人紛れ込んだスロモー星人の様である。ボロホテルつぶれ屋の跡取
り息子も真っ青である。
お土産の予算と人数のコトを考えると、若干オーバー気味だったため、目を閉じても瞼の
裏に焼き付いて消えない人達の分ってコトで、6ヶ入の箱を買うコトにした。チョット気が緩む
と、10ヶ入りの箱を2つ位買いそうで恐い。買った直後に今すぐ食べたい!と言う衝動に駆
られ、心の中で葛藤していると、同行していたクラバーMTがバラ売りを3ヶ購入。その内の1
つをくれると言う。ラッキー。今迄に見たコトのない、クラバーMTの新しい機能が発動。あり
がたく頂戴するコトにした。
6ヶ入りの箱を受け取ると、ほのかに温かい。焼きたてと言うコトだ。ますますスグに食べ
ないワケにはいかないだろう。店内でも食べるコトが出来るみたいで、両側の壁に長椅子が
置かれており、10人位はゆっくりと座れそうなのだが、慌ただしい店の中、ソコに座っても落
ち着けるワケが無く、取り敢えず店を出、近くにある小さい公園に向かった。
いかにも都会にありがちな、少々汚れた小さい公園の片隅設置されたベンチに佇み、どら
やきを手に取る。直に触るどらやきは、先程触った箱よりも、いっそう温かい。タップリの玉
子とハチミツが使用された皮は、キメが細かいコトもあって、ふっくら&まろやかな甘さ。更
に甘すぎないあんこが、出来立てだと言うコトを示す様にトロトロの状態で収まっている。
こんなどらやきを食べたのは、当たり前だが初めてである。そもそも焼きたてのどらやきを
食べたコトがないし。秋田に帰った次の日、クラバーMさんとAさんに、お土産と言うコトで渡
した。1日経って皮は若干固くなり、あんこのトロトロ感も無くなっていたのだが、2人共美味
いを連発していた。前日、一番美味しい時に食べていたB食クラバーとしては、2人の感想
が本心かどうか計りかねる部分があったのだが、更に次の日、女王様にどらやきを食べて
頂くと今迄にコンナに美味いどらやきは食べたコトがない!と大絶賛していた。
2日経った状態でソンナに美味いとは。ココに至って、1日前に食べたクラバーMさん&Aさ
んも、どうやら本気で美味いと言ったらしいコトが解った。うさぎやと言う店は都内に3軒あり
それらは親戚筋であるそうだ。日本橋にある店に本店と名前が付いているが、発祥の地は
上野店で間違いないらしい。各店で形、味、値段が違う様なので、次回東京に行った時は、
コレらにチャレンジしなければなるまい。
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