店  名
 麺や ふくろう
食べた日
2008/04/22
住  所
 秋田県秋田市飯島道東2-14-7
営業時間
11:15〜15:00 18:00〜21:00
電話番号
 018-845-2296
定休日
木(水)

つけめん
つけめんの麺
つけめんの付け汁
店外観

Close Encounters of the First Kind

 【第一種近接遭遇】
 180メートル以内の至近距離での目撃事件の内、目撃者及び環境への影響を伴わないモノ。


 クラバーKから電話があった。晩ご飯を食べに行こうと言うお誘い。ドコに行くのか?なんて、行き先を聞いたりはしない。どうせクラバーKだって決めているハズがないのだから。解ったと言い、クラバーKの運転する車に乗り込んだ。

 途中で、(何処が最終目的地なのか解らないのに途中って言うのも変な話だ)クラバーKは秋田県のラーメン屋さんが沢山載っている本を買った。やはり食べるモノはラーメン(マタはつけ麺)で、目的地はコノ時点でまだ決まっていない様だ。

 ラーメン本のページを物凄いスピードでめくるクラバーK。時折ソノ指先が止まるのは、決まってつけ麺が載っかっているページだ。大概の店でつけ麺を食べたコトのあるクラバーKは、店や味の再確認をする風味で、アレやコレや色んなコトを喋っている。

 そのクラバーKの動きがピタリと止まる。どうやら気になる店が出て来たらしい。どれどれドコですか?とページを覗き込むとソコには、麺やふくろうと書かれていた。ワリと最近オープンしたての店で、B食クラバーズは行ったコトがない。今日の目的地が決まった。

 道すがら、そう言やふくろうって結構な人気店だった様な気がするなーと、漠然と思い出し始めるB食クラバー。しかしソノ思いは、突然降り出した雨に打たれて、道路の乾いた部分があっと言う間になくなって行く様な勢いでかき消されて行った。

 麺やふくろうに関する情報が入った引き出しを開けてみたケド、ソコには何も入っていなかったと言うのが実状だが、B食クラバー自身、以前から興味があったし早く食べたいなーと楽しんでいたせいでもある。

 ふくろうに到着した。しかし、気配がオカシイ。あっれぇ〜店やってないのかなーと思いながら近づいてみる。中から灯りは漏れいるけど。…コノ排他性の強さは一体?と首を傾げつつ更に接近して扉を見てみるとソコには、本日貸し切りと張り紙されていた。

 …。!?コノ店は夜、居酒屋にでもなるのだろうか。だから貸し切りなのか?そう思って店の周りを見ると、ヤケに飲み屋が多い。ソノ可能性も高いね。なんせ周りに飲み屋多いし。等と口々に言い合い、不確定な要素に自分達で納得の出来る理由をドミノの様に並べ立て、安心してみる。モチロンその安心は、1つがバランスを失うと、連鎖的に倒れて行く程度のモノだが。

 夜、居酒屋になるとしても、ラーメン屋のままであったとしても、とにかく貸し切りである以上、中に入るコトは出来ない。じゃぁ他に気になる店は…と、ようやく次のステップへ向けて頭を切り換えるコトが出来、次なる店へと向かった。

 コレがB食クラバーとふくろうとの、第一種近接遭遇。


Close Encounters of the Second Kind

 【第二種近接遭遇】
 目撃に伴い、車のエンジンがストップしたり着陸痕が地面に残るなどの物理的影響が確認されるモノ。


 しばらくして、またもやクラバーKから電話があった。晩ご飯を食べに行こうとのお誘い。ドコに行くのか?なんて、行き先を聞いたりはしない。クラバーKがドコへ行きたがっているのか、大体の察しはつくからだ。

 クラバーKが運転する車に乗り込んでシバラク走った後、一応確認の意味で今日の行く先を聞いてみる。案の定、目的地はふくろうだった。

 前回とは違い、多少の情報を引き出しの中に入れるコトが出来たB食クラバーは、ソレを1つずつ紐解く様にクラバーKに話しかけてみる。土日は開店前に行列が出来るとのウワサもあるし、スープや麺が切れて早じまいするコトもあるらしい。

 もしかしたら今(土曜日の夕方)行っても、そんなコンナの結果で閉店しているかもしれませんぜ。いや、何だったら営業している可能性の方が少ないですぜ親分!と話しかけてみたが、ソレもコレもとにかくコノ目で確認しなければ始まらない!と思ったのかどうか、ハンドルを握るクラバーKの腕は、方向転換する気配を見せなかった。

 着いてみるとヤッパリ、店の暖簾はしまわれ、灯りは消えていた。駐車場に車を停め、ウワサは本当だったのかと項垂れるクラバーK&B食クラバー。次の店を向かおうと車のエンジンを掛けた時、さっき付けっぱなしだったハズのカーステが起動しなかった。

 コレがB食クラバーとふくろうとの、第二種近接遭遇。


Close Encounters of the Third Kind

 【第三種近接遭遇】
 内部の搭乗員や乗降が目撃されるモノ。


 クラバーKから三度晩ご飯のお誘い電話が。行く先は間違いなくふくろうだろう。聞くまでも無いし、実際聞きもしない。一体ふくろうの何が、ソコまでクラバーKを惹き付けるのか。

 土曜の夜、クラバーKの車に乗り込むのはもはや、小学校を卒業したら中学校へ進学する位決まりきったコトの様に感じられる。

 はなっから諦め加減のB食クラバーは会話の切り出しから、いやぁ〜ふくろうはヤッパリ閉まってんじゃないの?と話しかけてみる。ま、今回もダメだったら諦めるってコトで。との返答があった。ヤッパリ目的地はふくろうなのかぁ〜と、ヤヤうつむきながらコメカミを押さえてみる。

 クラバーKの頭の中は、三度目の正直!って言うことわざ(慣用句?)でいっぱいなのに違いない。繰り返される無駄なドライブ。消費される意味のない時間。こう言うコトを無くすトコから、温暖化対策をしてみるべきなんじゃないだろうかと自問してみる。

 まぁもっとも、B食クラバーだとて心のドコカ片隅では、開いているんじゃないかと期待している部分はある。だからクラバーKの誘いに乗るのだ。…クラバーKからの誘いでなければ土日祝の夕方、ふくろうに行こうなんてコレっぽっちも思わないが。

 着いてみると、なんだかイツモとチョット気配が違う。駐車場から店の入り口に掛けて、人影らしきモノが動いている。おぉっ!店員さんか!ってコトは今日は営業しているのか、なんて言うラッキー!そしてコレぞマサにサードタイムズチャーム!

 と、興奮しつつ駐車場へ入ってみる。しかし、店からは営業しているオーラが一切感じられない。先程の人影は?と思って見てみると、玄関の前に立って写メを撮っている。どうやら今日も営業して無くて、彼らも店に入られないお仲間らしい。

 今のB食クラバーズに相応しいことわざ(慣用句?)は三度目の正直よりも、二度あるコトは三度ある、だ。宇宙の終わりまで延々繰り返されそうなコノ無限ループから、果たして逃げ出す術はあるのだろうか。

 コレがB食クラバーとふくろうとの、第三種近接遭遇。


Close Encounters of the Forth Kind

 【第四種近接遭遇】
 乗員と話をしたり、一緒に搭乗したりする。コンタクト・ケース。


 ソノ次の土曜日、クラバーKからのお誘い電話は無かった。サスガのクラバーKも諦めがついたか。しかしこうなると、クラバーKとは切り離した上で、ふくろうへ行くコトを考えなければならない。

 ハテどうしたモノか?なぁ〜んて考える迄もなく、平日に休みがあったりするB食クラバーは、ソノお昼時に行ってみるコトにした。B食クラバーにとっては、クラバーKと一緒じゃない方が、かえってふくろうに行きやすい。クラバーKも有給とか使ってみれば良いのにね。…つけ麺食べるタメに。

 明るい陽射しに照らされるふくろうは、イツモ見慣れている夕方の(しかも営業していない)寂しさを微塵も感じさせない。壁一面に書かれた手書き風文字が、ふくろうへの期待感を後押しする。

 今迄開けるコトの出来なかった扉を、いよいよ開けるコトが出来る喜びは、様々な苦労の末ようやくグレイ達に迎え入れられたリチャード・ドレイファスもかくや!と言った風情でもある。

 扉を開けると、イキナリ現れるフクロウの置物。しかも一体や二体では無く、店内至るトコロに設置されている。一瞬ダケ、ん?と思ったが、そ言やふくろうって店名だったなと、スグに合点がいった。

 フクロウと言うとB食クラバー的には、夜行性だったり首が180°回ったりしてちょいと気持ち悪げなイメージだったりするが、森の賢者って言われたり、魔法学校の生徒達のペットだったり、一般的には知的な印象が持たれていそうだ。

 ソレにフクロウ=不苦労と言う言葉と掛け合わされていたりするし、実は幸運の象徴だったりするのだろうか。とまぁ、そんなコトを考えつつ考えなかったりしつつ、念願のつけめんを注文した。コチラで提供してくれるお茶はルイボスティー。実はルイボスティー好きなB食クラバーは、食べ終わるまでに何杯も何杯もおかわりを繰り返した。

 入り口で靴を脱いで入る店内は、板張りの上に4人掛けにしては少し大きめのテーブルが2つと、あとはカウンターが6席程。混んでる時間帯ならあのテーブルは、6人掛けとか8人掛けとかで活躍するのだろうか。

 つけめんの到着。秋田のラーメン本で見た通り、カナリ太めの麺。つけ麺にはヤハリ、太い麺の方が合う様な気がする。麺の上には、チャーシューとメンマと海苔2枚。

 スープは何だかチョット少な目だよなーとか思ったりしたが、店内の掲示物を見ると、長時間強火で炊いた後に、ゼラチンを乳化するまで煮込んで出来たモノだそうで、ソレらについて一体、何がどう言う効果を生むのかサッパリ解らないが、とにかく手間暇かけまくって完成したスープだと言うコトは解ったので、コノ量にもヤハリ、相応の意味があるのだろう。

 めんをスープに入れて、食べる。すると、麺が熱いコトに気付き驚いた。あっれぇ〜、あつもりじゃなくてつけめん頼んだよな〜。間違ってんだろうか?と思い、麺が盛られている皿を改めて見てみると、湯気が立っていてビックリ。

 ちょっと、つけめん頼んだのに、あつもり来ちゃったよ。どうしてくれんの!とは、小心者のB食クラバーは言えないので、確認の意味も込めて麺をスープに付けずにソノママ食べてみた。すると、麺が温かくないコトが確認できた。

 ?じゃぁコノ湯気は何?と更に注視すると、ソレはメンマから発せられている様に見えた。いやマサカ。熱いメンマって無いでしょ、ソンナの。と思いながら食べてみると、確かに、確実にメンマが熱いコトが解った。

 うっわ、コンナに熱いメンマ食べたの初めてだよぉ〜と、微妙に興奮する。ソレで気になってチャーシューを食べてみると、コチラは脂身の部分がモノスゴク柔らかい。コンナ柔らかいチャーシュー食べたの初めてかもぉ〜と、更に興奮度も加速する。

 冷たい麺を入れて食べても、温度が下がったコトが気にならないスープは素晴らしい。自慢の超濃厚スープが、東京から仕入れているとか言う太麺に見事に絡む。

 麺を半分食べたトコロで、卓上にある原了郭ってトコの黒七味を麺に振りかけるとマタ違った風味を楽しめるとのコトでかけてみる。確かに辛味と、ソレ以外にもある沢山の風味で味がカナリ変わったが、B食クラバー的にはノーマルの方が好きだったり。

 最後はスープ割りを頼んで、全てのスープを飲み込む。始めから数えて長かった、B食クラバーとふくろうとの出会いの物語が、ようやくココに終焉を迎えるコトが出来た。

 そして今日、最初に来た時貸し切りだったコトの答えも得るコトが出来た。入り口脇に、格安で各種宴会を受け付けます!と書かれていたのだ。

 どうやら先日貸し切られていた時、店内でラーメンパーティが行われていたワケでは無いらしいコトは解ったが、(いや、やっぱり行われていたのだろうか?)ラーメン以外に宴会もこなすと言う営業スタイルに、店の懐の深さを感じる。

 以上、全ての謎を解き明かした気分のB食クラバーの頭に浮かんだ言葉は、童話の終わりの決まり文句だった。

 【And They Lived Happily Ever After!】