高速秋田自動車道の、能代南IC出口のトコロに出来たラーメン屋のコトは、イツも気になっていた。しかし、能代に用事があって出掛ける場合、麺四郎がある地域については、帰り道の途中と言う印象がB食クラバー的に強く、店に立ち寄るコトは無かった。
例えば引き続き午後も能代市内で用事がある日のお昼時に食べてみよう!とか思ってもアソコまで行くんだったら帰りたいよな、って言うか体が自然に反応して帰ってしまいそうになるコトが容易に想像できるため止めていた。
当然、仕事終わりで麺四郎の前を通っても、後は帰るだけ!って思ってしまい、素通り決定。B食クラバーにとって麺四郎は、ラーメン屋と言うよりも、能代市の境界線を示すランドマークと化していた。
タマに、準B食クラバーN3さんなんかと能代市内に出掛ける用事があって、麺四郎に寄ってみましょうよ!とか言ってみても、普段単独で能代市内で働いている時に、ワリと食べてるらしいN3さんは、ナカナカ首を縦には振らない。
コノママだと、麺四郎の店内に足を踏み入れる日は永遠に訪れないんだろうなと、思い始めていたのだが、遂にその時がやって来た。
本日は義理の兄のトコで仕事。お昼は外にラーメンを食べに行こう!と言う話になった。義理の兄と言う設定上、一緒に外食しに行く場合はデフォルトで義兄のおごりと言うサービスがセットで付いてくるのは言うまでもない。
真剣な表情を装い仕事をしながら、しかし内心はほくそ笑んでしまい仕事が手に着かないB食クラバー。義兄のトコは時間が自由に使えるため、恐らく昼前の、11:30位に出掛けるコトになるだろうと、セルフスケジューリングもバッチシである。
お腹も良い感じに減って来た11:20頃、そろそろ義兄が出掛けよう!と言い出すハズなのでいつでも区切りが良くなる様に仕事のペースもカナリ分断化。Hey brother! I'm alreadyto start!とアイコンタクトを送ってみるが、全く気付かず、一向に出掛ける気配が無い。
11:45分位に空腹レベルメーターがピークに来る様に調整していたので、もはや限界。一見仕事もしている風だが、一体何をやっているのか自分でも解らない。腹が減っては戦は出来ぬと慣用句にあるが、戦どころか他の何事も出来そうにない。仕事をしているワケでも無く、只ソコに存在しているダケなバカリか、酸素を消費して二酸化炭素を吐き出すのみのボウフラ以下のモノになり果てたB食クラバーに、ようやく義兄から言葉が掛かった。
『じゃぁソロソロ出掛けよう!』と言う義兄の声に、空腹がもたらす虚ろな視線で時計を眺めてみると、ジャストトゥエルブオクロック!コレじゃ世間一般の他の方々と同じ昼休みじゃないですか、時間が自由に出来る特権を何一つ有効に利用してませんぜ!と、心の中で思ったのだが、言葉にする体力すら残ってなく、夏休み中の姪っ子に連れられて、ヘロヘロな足取りで出掛けるコトになった。
移動の車中で義兄が、麺四郎に行ったコトはあるかと聞く。ニワカに色めき立つB食クラバー。いつも行きたいと思っているんだケド、行ったコトは無いと正直に伝えると、じゃぁ今日は麺四郎へ行こう!と言う話になった。ヘトヘトなB食クラバーに、僅かながら生気が戻った。
到着したのは12:20位。よりにもよって一番混んでいるんじゃないかと思われる時間。20台位は置けそうな駐車場はほぼ満車。ファジィな停め方をしている車もいて、その混雑具合に拍車を掛けている。
店内に入ると、まず靴を脱ぐシステム。そして厨房が目の前に広がる。店内には7人程の行列が出来ているが、その人達は皆椅子に座っており、我々は丁度立って待つコトになった。暇なので壁をボケェ〜っと見ていると、麺四郎イチオシの白とんこつらーめんは、モンゴルでとれた天外天塩とか言うのを使っているので、まろやかで深い味を醸し出すとか書かれている。最近は何か、モンゴルという言葉にヤケに縁があるなぁと思いつつ、白とんこつらーめんを食べるコトに決めた。
席に着いたのが12:40。ココまで約20分待ち。食堂部分はフローリングと畳に分かれている。この頃になると、初めて麺四郎に来た!と言う感動も興奮も忘れ、お昼休み直前に感じていたヘッポコさ加減が蘇ってくる。虚ろな表情にも更に磨きが掛かり、会話は徐々に少なくなって行く。姪っ子の表情が心なしか寂しげだが、横に親もいるので気にするコトは無かろう。ラーメンが出来上がるまで、ヒタスラ体力を温存するコトに努めた。
ようやくラーメンが到着。ココでウレシイ誤算が!B食クラバーのへタレ具合を感じ取った義兄が、白とんこつらーめんでは無く、白とんこつチャーシューを頼んでくれたのだ。しかもココは麺の量が少々少な目なのでってコトで大盛りにしてくれていた。全てが期待以上の展開に、プリティーウーマンにでもなったかの様な気分が込み上げてくる。しかし冷静に考えれば、アチラは超高級ホテルのスイートに宿泊し、高級ブランドの服に身を包んだ上にオペラを観て泣いているし勝負にならないが。
天外天塩が利いているせいなのかどうか解らないが、スープにはとんこつ独特の臭みは無い。いやぁ〜、あの匂いが良いんだよね!って言うとんこつ好きには物足りないかもしれないが、とんこつが苦手な人には丁度良いかもしれない。チャーシューは4枚入っているが柔らかくてとろけそうで良い感じ。麺は最初ちょっと柔らかいかなぁとか思ったのだが、食べ進んでいく内に、モチモチしている様に感じ、それがグッドテイストになって行った。コレからはランドマークとしてでは無く、ちゃんとラーメン屋として利用しなくてはなるまい。
待っている時に、厨房が丸見えだから解ったコトなのだが、この日のスタッフは全て女性。いつもそうなのか気になり、義兄に聞いてみたのだが、普段はどうやらアマリ気にしていないらしい。女性だけの店だと、一般的にもっとこう、家庭的なイメージを前面に押し出したりするモノなのだが、コノ店にはそれが無い。フツーのラーメン屋として営業している辺り、潔しと感じてしまう。
まぁ、家庭的と言えば、コノ店も最近よく見かける、民家の一部を店舗にした様なインテリア。2階へ上る階段には、関係者以外立入禁止の札が掛かっている。ソコから先はプライベートエリアなのだろうと思ったのだが、義兄に聞くと、日曜日とかの混雑時には、2階へもお客さんをいれるらしい。B食クラバー的にはちょっと不思議度が高いラーメン屋になった。