店  名
 中国家庭料理 香
食べた日
2008/09/26
住  所
 秋田県秋田市南通築地4-19
営業時間
11:00〜14:00 17:30〜21:00
電話番号
 018-853-9201
定休日
月曜日

麻婆茄子ランチ
麻婆茄子
麻婆豆腐ランチ
麻婆豆腐
扣肉(豚の角煮)

前  説

 以前、天山と言う中華料理店のあった場所に、新しい店が出来ていた。天山の評判は素晴らしく、店の前を通りかかった時などに見てみるとイツだって、駐車場に車がほぼ満車になっていた記憶がある。

 秋田の駅前に通じる、交通量には見合わない狭さの道路に面した天山は、食事時になると店に出入りするお客さんの車が交通渋滞に拍車をかけてる印象がある程だった。

 天山に行ったコトがある人の話を聞くと、大概は美味しい!とか大満足!とか言う話を聞くし、人によってはボリュームがスゴイ!何ても言っていた。

 そう言う話を聞くにつけB食クラバーは、主にクラバーKと一緒に天山の前を通過した場合などに、『今度は天山でっ!』と、合い言葉の様に交わしていた。しかし、ソノ合い言葉は実行に移されるコトは無かった。そう。B食クラバーは一度も天山に行ったコトが無い。合い言葉は合い言葉だけで終わってしまっていた。

 新社会人の時から苦楽を共にし、仕事が上手く行った時も、上司にしかられた日も、大好きな人が出来た時も、振られた時も、イツだって一緒に過ごして来た、もはや大切な友人となった感のある同僚との送別会での最後にありがちな、『また飲みに行こうよ。今度連絡するから。』ってセリフと、『今度は天山で!』が、同じレベルの社交辞令と化しているコトに、B食クラバーは気付かないでいた。

 何年も営業を続けている人気店だから、コレからもイツまでも続いて行くだろうし、天山の料理を食べるチャンスもイツだってやって来るに違いない!と考えていたB食クラバーの耳に、天山閉店の知らせは突然届いた。

 店主の方がご高齢のタメ、天山の閉店を決意されたのだとか。惜しい。アマリにも惜しい。そして、イツだって次のチャンスがあるから大丈夫!と安易に考えていた自分の迂闊さが苛立たしい。

 振り返れば今迄の人生、コンナ迂闊さの繰り返しだ。チャンスの神様には前髪しかない。だから通り過ぎてからじゃ捕まえるコトが出来ないんだよ!と、コンナことが起こる度に何度も何度も唱えて来たハズのに。

 まぁ、そう言うチャンスを見事に捉えていたとすれば、今のB食クラバーも無いのだろうし、ソレはソレで良しとしよう。(もしかしたらチャンスを捉えた結果で、今があるのかもしれないし。)

 そんなワケで、天山の後に出来た店であるトコロの中国家庭料理 香には、スグにでも出掛けよう!と思っていた。全ての作用がプラスに働いていても、何かのアクシデントが発生して叶わない場合だってある。

 ブラジル代表には決定機が数え切れない程訪れるが、日本代表には1度か2度しか訪れないだろう。B食クラバーはブラジル代表ではない。日本代表ですらない。だからと言って、ケイマン諸島でもギニアビサオでもない。

 B食クラバーのポイントをFIFAランクのポイントに換算すると、クック諸島かアンギラみたいなモノだろう。そうしたFIFAランキング下位のチームは、イツだってジ〜ッと待っていて、チャンスの目を逃さないプレーをするモノだ。

 そう思っていたのにもかかわらず、B食クラバーが香を訪れるまでに1年以上の時間が流れるとは…。自分をクック諸島かアンギラみたいだと評したコトが、大変失礼なコトの様に思えて来た。


Comment

 やや雨交じりの天候の中、香の扉を開ける時がやって来た。天気が悪いのは気になるが、だからと言って、ソレが香に行かない理由にはならない。そう言えば高校生の時、雨が降ると決まって学校を休むクラスメイトがいたのを思い出す。

 ソレ程仲が良かったワケでも無いので、ホントに休む理由が雨によるモノかどうか確認したコトは無いが、雨の日にクラスメイトが1人足りないコトに、違和感を抱くモノは誰もいなかった。

 あぁ、アノ時のクラスメイトの気分が、今になって何となく解る気がする…なんてコトが無くも無いが、とにかく、今はソンナことは忘れて香の料理を楽しむコトにする。

 訪れたのはランチタイム。本日のランチは、A〜D迄の4種類ある。ガッツリ肉的なモノを食べたい!って思っていたB食クラバーだが、麻婆豆腐や野菜炒めなど、どのメニューもイマイチヘルシー風味。豆腐よりはナスかな?って思い、麻婆茄子を選んでみた。やっぱ肉も食べたいよなぁ〜と思ったので、豚の角煮も追加した。

 中国ご出身のご夫婦が経営されていると言うコチラのお店は、マサに看板に偽り無し。開店した当初に店を訪れた女王様からグッドインプレッション!との報告を頂いていたし、期待しないのが無理と言うモノだ。

 先ずは豚の角煮が到着。当然と言うか何と言うか、箸で持つと簡単に崩れる程柔らかくて良い感じ。コレはランチの方もグッドな感じに違いない!と、ワクワクしながら待つコトにした。…が!

 料理が到着して驚く。なんとオカズの量が通常の1.5倍(B食クラバー比)。店員さんによると、更にライスとスープのオカワリは自由なのだと言う。食べ切れるのだろうか…。箸を付ける前から不安で胸が一杯に。

 麻婆茄子の一切れ一切れがカナリ大きい。噛み締める度に伝わる、茄子の旨みと甘味。しかし甘味の方は、麻婆部分の半端ない辛さによって、あっと言う間にかき消されて行く。

 コレが本場の辛さなのか!(いや、本場のはもっと辛いのかもしれないが)と、ゴハンを口に入れて辛さを紛らす。しかし、ゴハンの温かさがB食クラバーの舌に対して、更に辛さを倍増させると言う時間差攻撃を仕掛けて来た。まるで辛さと熱さのAクイック攻撃。セッターとアタッカーの息が、余程あっていないとこのタイミングは難しい。パッと見、麻婆茄子から湯気は出ていないが、ソレは麻婆のあん部分が、自身の熱さを封じ込めているからに他ならない。

 しかし、不思議なコトに箸は進みまくる。熱いし辛いし一体何故?と思いつつも止めるコトが出来ない。コレが中国家庭料理の魔力なのだろうか。そして、料理を半分程食べ進んだトコロでも、熱さと辛さに変化はなかった。

 大概、食べ初めてからシバラク時間が経つと料理の温度も下がってくるし、舌だって辛さに慣れて来るハズ。しかしソレが、イツまで経っても食べ始めた時のままの状態で迫って来る。熱さと辛さをどうにかしてやり過ごした後、ボスキャラとして目の前に仁王立ちしているのはボリュームの多さ。僚友が次々と倒れていく中どうにか踏ん張り、ようやく最後の時を迎えるコトが出来た。

 B食クラバー的には、オカズの量が半分くらいでもいいから\600で出して欲しい!って言うのが本音だが、モノスンゴイ食べ盛り・働き盛りの方には、コレぐらいの量で丁度良い様な気がしないでもない。

 そう言えば、香の前にあった天山も、ボリュームが半端無いって聞いていたし、コレが何て言うかコノ場所にある店の(あるいは本場中国の)定番のスタイルなのかもしれない。

 振り返ってみると、香も天山と同じくらいに、周囲の交通に影響を与えている様に感じられなくもない。天山同様の人気店になるのかもしれない。餃子が美味しいと聞くし、今度はソレ目当てに訪れてみよう。