店 名
しんやん

CLOSED

住 所

秋田県秋田市外旭川八柳3-6-43

初回訪問日
2003/07/06
TEL.

018-868-6805

休日:月
営業時間
11:00-14:00 17:00-22:00

前 説


 最近何かと御多忙の御様子の女王様から、次の様なお話が寄せられた。

Queen's
sigh

行きたくても、なかなか行けない店がドンドン増えてきて困った。うーん。
体力と胃袋は大丈夫なのだけど、
時間とお財布だけはどうにもならんな。(;´Д`)w


 溜め息まじりのお言葉に、ジッとしていられないB食クラバー。行きたくても行けない店が
増えて困ったとは何事か?コチラはいつも、ドコカに面白かったり美味しかったりする店無
いかなーと、B食サーチアイをオーバーヒートする程フル活用して探している位である。

 一体どうすればそう次から次へと店の情報が得られるのか、その謎に迫りたくもあるが、
ソコが女王様の女王様たる所以だし、ミステリアスな部分が女王様のキャラをますます際
立たせている様に感じるので、良しとすべきか。

 梅雨のシーズンにやられ、体力と胃袋の元気は下降線を辿り、慢性的な財政難に喘ぐB
食クラバーだが、女王様がお困りになっているとあれば、僅かではあるがお力になりたくも
あり、(決して自分が楽しみたいからだなんて、そんなフザケタ気持ちは一片たりとも持ち
合わせておりません。)一体どんな店がストックされているのか聞いてみた。

 何軒か教えて頂いた内、1軒だけB食クラバーのハートをラフに、しかし真芯を的確に射抜
いた店があった。外旭川の、以前居酒屋だったトコロを改装して出来た中華料理屋なのだ
が、入り口にはチャイナドレスを着た人形がディスプレイされていると言う。

 味やサービスなんかとは、まるっきり別次元のベクトルで心を激しく揺さぶられ、いても立
ってもいられなくなったB食クラバーは、梅雨の合間を見て出掛けてみるコトにした。

 ※『しんやん』のしんの字は、金を森の様に重ねて書くモノですが、現在使用中の環境で
は表示できないのでひらがなで書きます。『やん』は陽。

Comment


 外旭川の変則十字路の辺りにあると言うその店の近所には、交番と郵便局がある。ヒョ
ットしてその夢見る上海人形(勝手に妄想)は、雨の日も風の日も配達を続けてくれる郵便
局員に『いつもありがとう!うふっ!』とか言って微笑みかけ、それを受けた郵便局員は、『
雨や風には慣れたケド、やっぱり夜明けは眠てぇな。』等と、少し頬を上気させながら新聞
少年の様な気持ちになり、帽子の鍔の奥にチョット照れたその表情を隠すのかも知れない。

 あるかどうか解らないが、交番で何か取り調べをする時は、しんやん特製カツ丼が、その
実力を十二分に発揮するのに違い無い。更にこの十字路付近には、パスタ屋とフランス料
理店が以前から存在する。伊・仏・中と、世界の三大料理が軒を連ねる、B食的に秋田で
今、最もホットなスポットの出現は、B食クラバーのハートに無遠慮なまでに激しく火を付け
た。(一般的には世界の三大料理はフランス・中国・トルコですが。)

 しんやんが近付いてきた。店は交番に隠れて見るコトが出来ないが、あの陰ではチャイナ
ドールが、香港の夜景を思わせる程の輝く笑顔で、優しく手招きしてくれているハズ。胸の
鼓動を可能な限り抑えつつ、店の前に辿り着く。ついにその瞬間が訪れる…!

 しかし、入り口には人形等無く、カナリ中華風の薫りがするタッチで描かれた子供の絵が
2枚飾られているダケであった。あれっ?どうしたんだろ。ヒョットして設置していたのは開店
後数日間だけのコトで、撤去されてしまった後なのだろうか?最近、期間限定モノに弱いよ
なぁなどと思いながら、シオシオな気分で何げに店の壁を見上げると、何とソコにはチャイナ
ドレスを着たチャイニーズビューティの書き割りが、現実の人間の2倍位の大きさでデカデカ
と貼り付けられていた。

 あぁ、何たるコト。どうやら女王様の言葉を聞き違えていた様だ。女王様はコノことを言っ
ていたのか!更に店の看板には、中華料理&和風居酒屋みたいなコトも書かれている。コ
レはヤバイ。ターゲットを1つに絞りきっていない店では不安でしょうがない。人知れず店を
後にしようかと思い始めた時、推定3.5mの高さからの視線がB食クラバーの体を牽引する。
もう店に入るしかない様だ。セイレーンに魅入られた船人の様に、扉を開けた。

 店の前には車が何台かあったのだが、B食クラバー以外に不思議と客はいない。以前居
酒屋だった名残をそのまま感じさせる様に、長いカウンターとお座敷のみの店内。入り口に
飾られていた中華風の絵とトータルコーディネイトしたのであろうデコレーションが、至る所
に施されている。その雰囲気から
雪梅に近いモノをギリギリ感じ、店内のスタッフは中国の
方なのかも?と、すがる様な気持ちで自分の心を納得させる材料を得ようと思ったのだが、
どっからどうみても全員が日本人であった。(違ったらゴメンナサイ。)

 もうこうなったらと覚悟を決め、酢豚、回鍋肉、麻婆豆腐、蝦と肉の餃子、しんやん辛子味
噌ラーメンと、チョット多すぎるかな?って位の料理を注文した。品数が多くなければ中華
じゃない!とB食的に定義されているからである。麻婆豆腐が結構辛く、何となく嫌な予感
がしていたが、しんやん辛子味噌ラーメンは物凄く辛かった。自然と涙が溢れ出す位の辛
さで、こんなコトは
中本以来である。そして久しぶりに食べ過ぎモードに突入。今日はB食
倶楽部ではなく、過食倶楽部として活動した気分である。

 メニュー的には、ソフトドリンクやデザート類がモチョットあれば良いのになと思わないでも
ないが、既に非常用の別腹も満タンに埋まっている状態では望むべくもない。片手でお腹
をさすりながら外に出たB食クラバーを、書き割りのチャイニーズビューティ@セイレーンが再
び誘惑する。『美味しかったでしょ?また来るのよ。』

 次回来る時は、竪琴の名手オルフェウスを連れてこなければなるまい。
味的にはハッキリ言ってフツーの食堂って感じです。

酢豚 \800  回鍋肉 \900  麻婆豆腐 \500  しんやん辛子味噌ラーメン \650