クラバーKから久しぶりに誘いがあった。横手に美味しいラーメン屋があると聞いたので出掛けてみないか?と言うコトだ。先日、大仙市にある天下一品までラーメンを食べに行った時の様子を職場の人に話したらしいのだがソノ時に、だったら横手に美味しいトコがあるからソコで食べてみてはどうかと言われたらしい。
久しぶりに遠出して食べに出掛けたコトで、ぶすぶすブスブス燻っちまったクラバーKのB食魂に、再び火が付いたのか。路地裏の公園で、一見青春をエンジョイしているかの様に見える若者達を横目に、『ソコいらの連中みたいに、ブスブスとくすぶりながら不完全燃焼しているんじゃない 。ホンの瞬間にせよ、眩しい程に真っ赤に燃え上がるんだ。』と、長い前髪を揺らしながら独り言を呟いたかもしれない。もっともソノ後、そんなセリフを吐いた人物には、燃えかすなんか残りゃしない、真っ白な灰ダケが残る結末が待っているのだが。
とまぁ電話で話を聞いていると、丈屋と言う名前の店らしいが、場所が解らないと言う。ソレじゃあ地図とかで調べなきゃなと思ったトコロ、電話番号だけ解ればいいと、クラバーKが得意げにのたまった。一昨年車を買い換えたクラバーKは、新車にカーナビを設置。以来、何処に行くにもカーナビに指示を出させ続けている。例えソレが、自宅に帰る道筋であろうとも。一応ネットで地図なんかを一瞥し、電話番号だけメモって、取り敢えず秋田市内での用事を済ませてから横手に向かうべく出掛けた。
秋田市内での用事も終了。いざ横手へ!丈屋へ!!と気合いも新たにレッツゴー!御自慢のカーナビにクラバーKが、鼻息も荒く丈屋の電話番号を入力していく。入力も完了し、検索ボタンをスイッチオン!さぁ我々を、まだ一度も行ったコトのない横手市の丈屋へと、導いてくれよ、ヘイ♪カーナビよ!
と、頬を膨らませながら画面を見つめていると、『該当する電話番号がありません。』と、無味乾燥なメッセージが。一瞬目と目を合わせるクラバーK&B食クラバー。何事かと慌てて電話番号を見直すと、入力ミスだったコトが判明。改めて入力し直して検索ボタンを押す。さぁ今度こそ、まだ一度も行ったコトのない横手市の丈屋へと、導いてくれよ、ヘイ♪カーナビよ!
と、瞳を輝かせながら画面を見つめていると、『該当する電話番号がありません。』と、無感情な上に無機質なメッセージが。今度は入力ミスはない。今残された手掛かりは、出がけにちらっと見て来たネット上の地図だけだ。国道107号線沿いにあった様な気がするが、正確な住所なんかも確認していなかった我々はココに来て、どうしようもなく途方に暮れるコトになった。
B食倶楽部には、楽をするコトは許されないのだろうか。文明の利器すらもそっぽを向くコノ状態に、次に何をしたらいいのかサッパリ思い浮かばない。確か国道107号線沿いだったよなとは思ったのだが違うかもしれない。B食クラバー所有の携帯で、EZナビウォークしてみようかと思ったが、コレはあくまでも徒歩用のモノで、車の移動用には向かないコトは、過去に何度も実証済みだ。
107号線沿いであるコトは間違いないし、近所まで行ったトコロでEZナビウォークを駆使すれば辿り着けると思うのだが、用心に越したコトはない。おそらく、とある家電量販店に行けば、ネットに接続されているPCの1台や2台あるハズだ。それを利用してしっかり確認しようぜ!と意見が一致し、行ってみた。
しかし、我々の前には茨の道が続く。予想以上の数のPCが売場に並び、しかもネット高速回線接続中!みたいなノボリが立っていて、我々を導いてくれるに違いないと安易な気持ちで入ってみたのだが、そんなノボリは何処にもなかった。途方に暮れるB食クラバー&クラバーK。
決められたコトを決められた順番通りにこなさないと先に進めない我々は、取り敢えず1台ずつPCを触りまくって、ネットが出来るかどうか確認する方法をとってみた。物量や人員が多ければ、絨毯爆撃とか人海戦術とか言うのだろうが、50台以上並ぶPCに、たった2人で挑むその姿は、何かの罰ゲームですか?と声を掛けられても否定するコトが出来ない。
熱心にPCを触りまくる我々の姿は店員さん達の食指を動かしたのか。何人もの店員さんにPCの説明を受ける始末。ソレらにイチイチ応対し、それでも買おうとしない我々の姿に、好い加減店員さん達も『何だ、あいつら?』とか思い始められた頃、ついに目的の、ネットに接続されたPCを発見した。もう店員さんは1人も我々の傍に寄って来ない。思う存分ネットが出来る!と思ったが、丈屋の場所は1分もしない内に確認できた。さすがBフレッツ。FTTHは伊達じゃない。
早速確認すると、記憶で見たとおりの画面が広がった。骨折り損のくたびれもうけとはコノことか。しかしココは、記憶に間違いがなかったコトを確認できたってコトで出発しようじゃないか!前向きに行こう!と、車にエンジンをかけた。
結局目的地にはアッサリ到着。ナビの必要も、確認の必要も無かったんじゃないかと思うとドッと疲れが。気を取り直して店を見ると、入り口の前の駐車場に1台分の空きが。ラッキー!と言いながら、店の中へと足を踏み入れた。
カウンターに4席。2人掛けのテーブルが2卓の他は、5〜6名程が座れる小上がりがあるのみで、以外と集客数が少ない。2人掛けのテーブル席に座り、壁に掛けられたメニューを凝視。他は黒い札に書かれているのに、ソレだけ赤い札に書かれている、新味醤油を頼んでみた。横手に着くまでにカナリ腹減りになった気がしたので、餃子とちゃーしゅーらいすも頼んでみた。
新味醤油は確かに醤油ベースで、焦がしたニンニクに豚骨も混ざっている…かもしれない濃厚なスープ。…こうだ!って言い切れる舌を持っていない自分が悲しいが、濃厚なのは間違いない。麺は少々堅めの、アレは低加水麺とか言うのだろうか。コッテリしたスープがシッカリと絡んで来て良い感じ。チャーシューも柔らかくて美味しい。
モッチリした感じの餃子を、クラバーKは気に入ったらしい。B食クラバー的にはカリっとした感じのが好きなので、ココはヤハリ個人の好みの差か。\150と低価格が気に入ったちゃーしゅーらいすも、クラバーKはアマリお気に召さなかったらしい。賽の目と言うか、あられ切りに細かくされたチャーシューが、しょっぱく味付けされて、御飯好きにはたまらない一品に。
なんとか全部を食べてみたが、途中からカナリ満腹になり少々ツラメに。ソンナ感じで辺りに気を配るコトも忘れていたB食クラバーだが、冷静に食事を進めていたクラバーKは、カウンターのお客さんと店主が会話しているトコロを逃さずキャッチしていた。新味醤油らーめんの他に、醤油らーめんもあるのだが、ソレらについて、『この2つは全然違います!』と店主が説明していたらしい。何がどう違うってトコまでは話してなかった様だが。
普段ならこういう会話をB食クラバーが聞き逃すハズがないのに、ソレだけ食事に集中してしまったと言うコトなのか。ソレとも単に、耳が遠くなったダケなのか。ドチラにしても今度はヤハリ、基本である醤油ラーメンを食べてみなくてはなるまい。何事も基本を無視して先に進むコトは出来ないのだ。