店 名
大衆酒場 正直食堂

住 所

秋田市広面字堤敷61-5

初回訪問日

02/12/08
TEL.

018-834-0000

営業時間

11:30〜24:00

前 説


 以前、食いしん坊隊隊長が激ウマだった!といつも以上に瞳をキラキラ輝かせながら語っ
ていた
カニ屋だが、気が付くと、いつの間にか営業をとりやめていた。秋田県民にはカニの
ニーズがアマリ無いのだろうか。入店時の太鼓の音が寂しかったのか。それとも会計を済
ませてから車で店を後にする時、道路に出る迄店員が見送ってくれるのが水商売っぽくっ
て嫌われたのか。

 料理的にはそれ程×ってコトも無いと思ったので、場所の問題が大きいのでは無いかと
勝手に推察する。カニ屋の前はソバ屋をやっていた。ソバ屋の前は何をやっていたのか覚
えていないが、一度何かがウマクいかなかった場所で、次に何かが成功するってコトは、
カナリ難しい様に感じる。

 潰れた店ってのはどうしても辺りに寂寥感を撒き散らすモノだが、ある日気が付くと、正直
食堂と言う大きな看板が取り付けられていた。あっ、また営業するんだ。しかも食堂かよ!
と、食堂って言う言葉に胸がときめく。しかしその上に小っさく大衆酒場と書かれているのを
見つけた。何だ、居酒屋ですか…と少々ガッカリし、イマイチ暖簾をくぐるコトも無く次の店に
替わるのを待つ気配が漂い始めた頃、まあ女王様から、ランチが\500だったよ!とのお知
らせがありました。

 今時ランチ\500!?なんてB食スピリットに溢れた値段設定なんだ!と感激し、しかも飲
みじゃなくてもフツーに食べられるトコロなのか!と解って、一度しおれた正直食堂への思
いが再び頭をもたげて来た。更にまあ女王様が仰るには、大正浪漫に溢れたジャパネスク
調の店構えらしく、店員がフリフリ☆エプロンを着ていると言う。

 何がなんでも正直食堂に行くぞ!と言う使命感に燃え、正直食堂へと向かった。

Comment


 目的は\500ランチなので、昼に行った。しかも開店直後。駐車場には車が1台置かれてい
たが、移動した気配を微塵も感じさせないその佇まいは、店員の車である可能性を感じさせ
るに充分であった。まさか客誰もいねーのかよ!この車サクラかよ!と少々不安に思いな
がら玄関へと向かう。入り口には黒板でランチの内容が書かれていた。挽肉とナスのフライ
らしい。思い切ってドアを開けた。

 すると、カニ屋で見慣れた板張りが店内にそのまま施されていた。脇に太鼓があれば、そ
のままって印象でもある。へぇ〜と思っていながら店内を見回していると先客発見。駐車場
にあった車は彼らのモノだろうか。と、フリフリ☆エプロンの店員が登場。しかし!現れたの
は何と、子供を2〜3人成人させましたよって言うオーラをそこいら中、のべつ幕なしに発散し
ているカーサン。あれっ?フリフリ?いや、確かにそうだケド…。

 いやぁもう、勝手に色々な想像を膨らましていた私が悪うゴザイました。ええ、どの様な人
がフリフリ☆エプロンを着ているかなんて一言も聞いておりませんでした。イキナリしぼむ
正直食堂への期待感。体が反射的に店を後にしようとしたが無理矢理こらえ、\500ランチ
は食べなければ!と心の中で食欲魔人が囁きかけてきたので、フラフラした足取りで席に
着いた。

 テーブルの配置なんかはカニ屋のまんまだと思うが、各テーブル毎に仕切が付けられて
いて、80%個室の雰囲気。カニ屋もそうだったが、薄暗い間接照明が、閉鎖空間の中で更に
輝きを増すと言う不思議な感覚。テーブルの端には、『見えづらかったらお使い下さい。』と、
ペンライトが置かれていた。…何て言うか、最初っから明るくしてろ!と言いたくなる気持ち
を抑えつつ、コレじゃ本末転倒だろう!って思いながらランチを注文した。

 昼メニューの一番下にジャスミン茶\0と書いている。まあ女王様によると、飲み物を何も
頼まなかったら自動的に出て来たってコトだったので、特に何も言わなかったが、ランチが
届いた後も、ジャスミン茶は来なかった。仕方ないので改めてフリフリ☆エプロンを呼んで
注文してみた。

 確認した限りではフリフリ☆エプロンは2人いた。もう1人の方は若干当初の予想に近い。
縦半分に切ったナスに挽肉を乗っけたフライが2つと、ポテサラ、キャベツ、ケチャップスパの
皿にコンソメスープと五穀米が付く。以前、渋谷のクラーク亭で、麦飯は食べたコトはあった
が、五穀米って初めて頂きます。最初、なんだかヤケに色が悪い米だなぁ〜と思ってしまい
ました。

 何故か一冊にはまとまっていなくて、A4の用紙を横に4等分した様な大きさのメニューが
10何枚も重られて置いてあり、そのメニュー1枚々々に店側から客に対してアピールしたい
コピーが掲載されていた。さっきのペンライトと言い、何から何までがイチイチめんどくさいな
と思いながら見てみると、五穀米とはキビ、アワ、ヒエ、麦、玄米を混ぜ合わせたモノらしい。

 あと、正直食堂が安いのは、生産者から直接仕入れているからだとか、いつの日か2号店
を出すのが夢だとか、こんなに安くして儲かるのか不安です等、儲からないんだったら店や
めろ!2号店なんてムリだろ!と、ストレートな剛速球を左門豊作が構えるバットに向けてぶ
つけたくなるような衝動に駆られる言葉達が次々と羅列されていた。

 こんなに店側の不安を客に投げかけられても、困るのはコチラである。せめて生産者は誰
なのか位、店のドコカに表示して貰いたい。(見つけなかったダケかも知れないが。)積み重
ねられた細いメニューは夜だけのモノで、一品\280。ドリンクも\280。ライスカレー(←コノ書
き方がポイントか?)とかハヤシライスは\380。ドレもコレも安くて、食いしん坊隊隊長で無く
ても瞳がキラキラ輝きだすトコロだが、フト昼メニューを見ると、ライスカレー、ハヤシライス
\500と書いている。…コノ差は何ですか?フツーは夜メニューよりランチの方が安いものだ
が、正直食堂では逆転現象が起きている。当たり前に考えれば量が違うのだろうが、コレ
は是非とも確認しなくてはいけないだろう。そして夜に来れば、店内の間接照明もマタ違っ
た雰囲気で受け止められるのかも知れない。

 メニューに書かれている正直食堂の苦悩を、一身に背負っているかの様な風情を醸しな
がら店内を歩く1人の男性がいた。見間違いかも知れないが、カニ屋でも目撃したような気
がする。ってコトは人は替わっていなくて、店の内容だけが替わっているのだろうか?するっ
てえとアノ人は経営者?漂ってくる疲れ具合には、ただならぬ気配を感じてしまうが。でも、
そう考えると、店内はカニ屋をグレードアップした感じだし、電話番号も変わっていないので
意外と良い線ついているのかも知れない。或いは1年毎に店を変えるのが趣味なのか?

 何だかヤケに突っ込みドコロの多い店ではあるが、ソレもコレも店名に表されている通り、
全てを正直に告白しているせいだろう。帰り際に気付いたのだが、後に座っていたおそらく
50代の夫婦であろう方々は、テーブルに向かい合わせではなくて、隣り合わせて座ってい
た。フツーならアララ、年をとっても1122(良い夫婦)ね!って思うトコだが、間接照明が彼ら
の怪しさを増幅させる。ココはカップル喫茶ですか!(←行ったコトは無いが。)

 何だか一見すると文句ばっかり並べ立てているようですが、結構気に入ったのでマタ行き
ます。最後にはずせないツッコミを1つ。酒場と食堂どっちやねん!

 ランチは〜14:00。夜は17:00〜。

後 説


 その後、まあ女王様より、正直食堂は北一グループであるとのお言葉がありました。
あのオヤジはオーナーじゃ無かったのか。残念。

日替わりランチ \500  コース料理\2,500〜 +\500で飲み放題  ジャスミン茶 \0