店  名
 バブハウス
食べた日
2008/05/25
住  所
 秋田県大館市字館下42-1
営業時間
10:00〜22:00
電話番号
 0186-49-1487
定休日

エビフライ定食
エビフライ
サラダ
チキン照焼定食
アイスクリームの天ぷら

前  説

 クラバーRさんには、生きている間に必ず食べてみたいモノが幾つかあるらしい。可哀相なぐらい記憶力の無いB食クラバーの脳味噌で、あやふやながらも覚えているのは確か、サボテンのステーキとワニの肉で、確実に覚えているのがアイスクリームの天ぷらだ。

 ソノ内のアイスクリームの天ぷらについては以前、知らずに入ったやま久でメニューにあるのを偶然発見。食事を終えてお腹が一杯であったにもかかわらず、ココで食べずに帰れるモノか!との気概を見せつつ卓球の愛ちゃんヨロシク、『サー!』と叫びながら注文。

 恍惚として至福の表情を浮かべながらアイスの天ぷらを食べていたクラバーRさんの顔は、今以てB食クラバーの瞼の裏に鮮烈に、そして強烈に焼き付いている。

 アイスの天ぷらの次は確か、ワニの肉をクリアした様な気がする。とある料理店の特別メニューっぽい雰囲気だったと思うが、想定していたよりも少量ながらも、無事に口にするコトが出来た。

 2つをクリアしたのだから、次はサボテンのステーキを食べそうなモノだが、ソレらを食べる前に、もう1度アイスの天ぷらを食べるチャンスが訪れた。

 って言うかソモソモ、秋田に住んでいる人々にとって、サボテンのステーキなんて滅多にお目にかかれるモノではないだろう。って言うかソモソモ、ワニの肉もクラバーRさんが食べたいモノだったかどうか怪しくなって来た。

 まぁ、アイスの天ぷらを提供してくれる店って秋田市内に何軒もあるのだろうけれど、情報として聞こえて来たのが大館の店だった。ソノ内何か用事があって行けたら良いね!とクラバーRさんと話しをしていて、でもそう言う機会はナカナカ訪れないだろうなと思っていた我々はある日のディナータイム、車に乗って大館市内のど真ん中にいた。

 何か人為ならざる力によって招かれたのか、ソレとも無意識の内に2人の欲求と行動が共有されたのか。あるいはもしかして、最初っから大館でアイスの天ぷらを食べるツモリ満々だったクラバーRさんの、サブリミナル効果的な誘導の結果、ココにいるのだろうか。

 理由はともかく、現在大館市内にいるコトは確かだ。秋田市に帰ってからゴハンを食べるのでは時間的に遅すぎる。ココは大館市内で食事を済ませるに越したコトはない。我々は言葉を発せずアイコンタクトにより、大館でアイスの天ぷらが食べられる店、バブハウスへと目的地を設定した。


中  説

 目的地を設定したと言ってもソレはカーナビの話ではなく、我々の脳内での話だ。幸いにして住所を得るコトが出来たので、B食クラバーの携帯に入力して地図を表示してみた。

 表示された地図はしかしアマリにも詳細すぎて、現在我々がどの地点にいて、そしてコノ地図はドコをさしているのかサッパリ解らなかった。ヤッパリ行き当たりバッタリじゃダメだよなーと思いながら、車に用意していた地図帳を照らし合わせてみると、途中に幾つかあるランドマークが一致した。

 おーっ!どよめく車内。携帯の地図が示すこのミクロなエリアは、地図帳で見ると大館市のコノ辺なのか!と、現在地と目的地の位置関係が解り、はやる気持ちを抑えつつハンドルを回した。

 地図で見たランドマークと、実際の景色が次々と合致していく。初めて行く店なのにコンナに順調だなんて奇跡だ!なんだよ、迷わずに行けるじゃん!母親が昔言っていた通り、B食クラバーってやれば出来るコだったんだ!

 と思ったのも束の間、地図では真っ直ぐ延びている道路を、目の前にするコトは出来なかった。いや、正確に言うとソレは、車が通るコトが出来ない道路だった。

 途方に暮れるB食クラバーであったが、あとチョットのトコロまで来ているのに、今更アイスの天ぷらを諦めるなんて出来はしない。って言うか迷うのってイツモのコトじゃん!と開き直り、マダ見ぬバブハウスを目指すコトにした。

 何故かさっきまでよりも、B食クラバーの血が熱く滾りだしてきたように感じられる。途中までとは言えスムーズ過ぎたのが、クールでいられた原因だろうか。ヤハリ道は迷ってコソ華。ゲリラ屋本来の戦法の方が、兵共も喜ぶと言うモノだ。

 ソノ様にして通ってみた道の前方が、しかし行き止まりっぽかった。あぁ〜スイマセン。ドコのドナタのお宅か存じませんが、チョイとワタクシの車がUターンするタメに敷地の一部を貸して下さい!と心の中で思いながら車を切り返す。

 ソレにしても駐車場広い家だな〜。どんな金持ちだろう?とか思って建物を見てみると、民家にしてはヤケに眩しい。何だろう?と思って光源の先を見てみるとソレは看板で、良く見るとソコにはバブハウスと書かれていた。…マジですか!?

 うっわ、迷っちゃったよぉ〜。ここドコだよぉ〜と思っていたソコこそが目的地だったと言う、今時どんなギャグ漫画でもやらないドッチラケ。いやしかし、コレこそがB食クラバーの持ち味の様な気がしないでもない。気を取り直して店内へ突入した。


Comment

 ロッジ風の建物は、カナリ照明も抑えられ気味。テーブル席が4つか5つ、後はカウンター。年季の入った喫茶店風の店内と、ソレにピッタシなムードを醸し出している女性が目に入った。どうやら彼女がコノ店のマスター(ママ?)の様だ。

 アイスの天ぷらを食べるコトは既に決定しているタメ、後は食事メニューを決めるダケだ。メニューを見ると、ハンバーグ・スパゲティ・ピラフ・カレーなど、B食クラバーが好きな感じの洋食メニューが沢山並んでいる。…単にB食クラバーの味覚がお子ちゃまなダケなのだろうが。

 コチラがメインで提供しているであろう定食はポーク or チキンで、それぞれがデミグラスソース・生姜焼き・照り焼き・ステーキ風と選べる仕様になっている。ソレらにチーズをプラス\100でトッピング出来るようだ。

 豚肉好きなクラバーRさんは、ポークのデミグラスソースを注文したが、今日はポークが切れているとのコトで、チキンの照り焼きを注文。自分好みな海老フライを探す旅を続けているB食クラバーは、迷うコト無く海老フライ定食を注文した。

 コレを忘れちゃ始まらねぇぜ!と、アイスクリームの天ぷらも注文したが、本来はバニラ・抹茶の2色であるトコロ、コチラも今日は抹茶しかないと言われて若干しょぼん。しかし、コレを食べなきゃ何しに来たか解らねぇぜっ!と奮い立ち、抹茶2つでお願いした。

 後は料理の到着を待つダケだ、…が。ソレから料理がテーブルの上に並べられるまで、実に30分ぐらいの時間が掛かった。厨房の方から聞こえて来る音を注意して聞いてみると、あらかじめ下ごしらえ的なコトはしていないで、注文を受けてから全ての行程を行っている様に感じられた。

 完全に手作りだと言うコトは解ってソレは嬉しいんだケド、でも腹減りが。メニューの隅に、全品手作りのため多少時間が掛かりますと書かれているし、やっぱりココは素直に従って、店内に設置されているマンガや新聞を読んだりして気を紛らわしていた。

 そしてようやく、料理が目の前にやって来た。しかし、ココで唖然。運ばれてくる皿の数が半端じゃない。そしてソレらに盛られているボリュームも半端ない。

 メインの皿・ごはん・サラダ・山芋・みそ汁・たくあん…等々。メインの皿にはポテトサラダ・トマト・キュウリ・リンゴが乗っていて、他の店ならばコレがサラダですって通用しそうなのにも関わらず、ソレとは別にキャベツの千切りが盛られた皿が付いてくると言う太っ腹っぷり。

 ごはんに至っては、B食クラバー的にお茶碗3杯分位はありそうだ。そして何故か、メイン皿の一部にはイカの塩辛が。海老フライだけを見ると洋食だと思えるのだが、塩辛やたくあんを見るにつけ、洋食なんだか和食なんだか解らなくなって来た。

 圧倒的なサービス精神に、さっきまで持っていた待ちくたびれ感は吹っ飛び、コノ量を食べ切るコトが出来るのだろうか…?と、ソチラの不安で胸が一杯になって来た。しかし、食べるしかあるまいてー!

 どれだけ時間が掛かったか解らないが、気合いを入れて全ての皿を片づけた。あとはアイスの天ぷらを残すのみだ。B食クラバーの胃袋の中に、もはや何かが入る部屋があるとは思えなかったが、アイスは別バラだし大丈夫だろうとたかをくくっていた。しかし…!

 運ばれて来たアイスの天ぷらは、我々の想像を遙かに超える大きさだった。まぁ大体、せいぜいピンポン玉くらいの大きさだろうと思っていたのだが、目の前に存在するアイスの天ぷらときたら、チョイと大きめのオニギリくらいのサイズがある。コンビニのオニギリならば2ヶ分はありそうだ。

 コレ、無理です。と、全てをクラバーRさんに投げだそうとしたが、クラバーRさんの瞳も同じコトを訴えかけている様に感じられた。ココは1人1ヶにしなければ、帰りの車中は気まずい空気が流れるダケであろう。ソノ沈黙には間違いなく耐えられないと判断したB食クラバーは、突貫工事で胃袋に、もう1つの部屋を作る方を選択した。

 良く見るとコチラのアイスの天ぷらは純粋な天ぷらではなく、アイスの回りを2枚の食パンで丸めつつ挟み込んでいる様な形状をしている。パンを揚げているので、天ぷらと言うよりはフライに近い感じか。

 コレを、ナイフとフォークで頂く。さっき作った部屋が、みるみるアイスの天ぷらで埋め尽くされていくのを感じる。終わりの見えなかった戦いにもようやくピリオドが打たれ、我々はしばし放心状態に陥った。

 素晴らしいボリュームと、奇抜なアイスの天ぷらにスッカリ心を奪われた我々は、イツになるコトか解らないけれども、今度大館市内にいてスンゴイお腹が空いた時には、バブハウスでゴハンを食べよう!と誓い合った。


後  説

 食事を終えた我々が外に出ると、スッカリ日が暮れていた。来る時に迷った道を迷わずに帰れるのだろうかと思った不安が見事に的中。帰り道も迷いまくった。

 一体どうやってメインの道路に出たのかサッパリ解らない我々が、果たして再びバブハウスに辿り着けるのかどうかは、神のみぞ知ると言うコトだろうか。