商 品 名
 チキン弁当
食べた日
2008/01/09
住  所
 台東区東上野2-19-6 日本レストランエンタプライズ
営業時間
 
電話番号
 0120-658-078
定休日
 

チキン弁当パッケージ
チキン弁当中身
ケチャップライス
鶏の唐揚げ

前  説

 以前、東京の会社に勤めていた時、ワリと良く名古屋や三重へ出張に出掛けていた。と言っても、別に何かの重要な会議とか視察とか、ソンナ大それた理由ではない。

 東京の会社で作成したモノを、ソレ相応に責任のある立場の人が客先まで納品に行き、現地で調整してみたトコロ、根本的な勘違いとか、予期せぬ出来事が発生してニッチもサッチも行かなくなった場合に、電話で指示を受けて東京の会社で作り直す作業が発生する。ソレが出来上がった時がB食クラバーの出番と言うワケだ。

 当時、東京から名古屋だと、宅配業者にドンナに頑張って貰っても、次の日にしか届けるコトが出来ない。しかし、現実には客先での調整が進んでいるワケで、ソンナに悠長なコトもしてられない。ソコでB食クラバーに出動要請が来ると言う寸法だ。コードネームは人間宅急便。

 現地には責任のある立場の人が出掛けていて、社内にはソノ人(達)からの連絡を聞いて作業出来る人がいなければならない。じゃぁ誰が人間宅急便になるかと言うと、社会人に成り立てで、職場のムードメーカー的な役割は得ていたモノの、実作業的に見ると別にいてもいなくても良いB食クラバーに、決まってお鉢が回って来たと言うワケだ。

 移動距離・時間は長いモノの、只モノを届けるダケと言うコノお気楽な仕事はしかし、新入社員が何人入って来ても、B食クラバーに回って来た様な気がする。当時は何とも思っていなかったのだが、今考えてみると、何年経ってもB食クラバーは、職場的にはいてもいなくてもどうでも良い存在だったのだろうかと、忘れかけていた右奥の虫歯も痛み出す。

 だがB食クラバーはコノ、人間宅急便業務を非常に気に入っていた。前述した通り、只モノを運ぶダケと言うお気楽さに加え、移動に時間が掛かる場合は残業手当も付き、更に出張手当まで貰えると言うお大尽業務。移動中は漫画を読んだり、ビールを飲んだり好き放題して、現地に着けば良く来てくれたとありがたがられ、帰って来たら来たでB食クラバーのオカゲで助かった、等と行って貰えるからだ。

 ついでに言うと、そのプロジェクトが終わった時には、業務的にはほぼノータッチなのにも関わらず、打ち上げなんかに呼んで貰えたりするのも嬉しかった。今思い返しても、何て幸せな時代だったんだろう!と思わなくもない。

 配送手段やインターネットが発達した現在では、もうあり得ない仕事だろうが。


Comment

 その、移動の新幹線中で良く食べていた駅弁がある。最初の頃は何も考えずに、幕の内だとか深川飯だとか色々な駅弁を次々に食べていて、駅弁ソノモノよりも駅弁を食べる行為に興味があったのだがある時、一際輝きを放つ駅弁がB食クラバーの視界に飛び込んで来た。

 ソレがチキン弁当。オレンジのチェック柄と、のんきにもコック帽を被ったニワトリの絵が脱力感を誘う。しかし、手塚治虫風とも捉えられなくもないタッチで描かれたニワトリの、丸くて疑うコトを知らなさそうな純真無垢な眼差しが、無防備に構えていたB食クラバーの心の奥底まで、一瞬で入り込んで来たのだ。マサに一目惚れ。ソレ以外に表現のしようがない。

 新幹線の座席に着き、弁当のフタを開ける。長方形の弁当箱の右側に鶏の唐揚げが5〜6ヶと、右側にケチャップライス。コレが何と言うか非常に美味かった。深川飯、釜飯、イカめし等、全国には評判の高い駅弁が沢山あるが、ソレらとは完全に一線を画す。

 例えて言うならソレらの駅弁は大人向けで、チキン弁当を経験した後で言うとB食クラバー的には、スイマセン!今迄は背伸びしておりました!と言う印象を抱かずにはいられない。

 とっても美味しいデスからぁ〜!と人に勧める程ではないかもしれなけれど、自分はコレ大好きです!と自信を持って言える。ソレぐらいのインパクトがあった。只単にB食クラバーの味覚がお子様なダケなのかもしれないが。

 そんなコンナで新幹線で出張に出る度に、チキン弁当を買うのが習慣になっていた。もしかしたらコレも、B食クラバーが人間宅急便好きだった理由なのかもしれない。

 まぁでも、ソレらも遠い昔の話だよなぁ〜と、チキン弁当を食べていたコトすら忘れていたある日、おいピータン!!を読んでいたら、大森さんが新幹線車中でチキン弁当を食べる話があった。

 大阪での仕事を終えたであろう大森さんが、幸せな顔をしながら、唐揚げ・ライス・ライス・唐揚げ・ライス・唐揚げ…と、交互に食べながらビールを飲むと言うホンの5コマ程の描写が、見事にB食クラバーの人間宅急便時代とオーバーラップ!当時の状況やチキン弁当のコトなどが、ヤタラとリアルに思い出されて来た。

 大森さんが食べる程だから、カナリ美味しいってコトなんだろうなぁって思うと共に、昔の自分が何となく買っていた駅弁だが、今でもあるんだとしたらスンゴイ人気メニューなんだなぁーと、懐かしさと共に驚きも込み上げて来た。チョット調べてみると、40年以上も前から発売されているロングセラー商品だと言うコトが解った。

 そう言うコトを知らずに、そしてマダB食に目覚めていなかったのにも関わらず、好んで食べていたんだと言う事実を今になって振り返ってみると、ソノ頃からB食クラバーには、B食クラバーになるための素養があったと言うコトなのだろうか。

 世の中にはチキン弁当を愛する人が沢山いて、初めて食べる人にも、久しぶりに食べる人にも、そして幸運にもしょっちゅう食べている人にも、同じ味と喜びを(そして懐かしさをも!)、B食クラバーが苦しんだり、涙を流したりした日があったとしても、変わるコト無く、毎日々々与え続けていたのかと思うと、なんだかモノスゴク励まされた様な気分になった。

 チナミに今回少し調べてみたトコロ、チキン弁当は関東の主要ターミナル駅の他は、仙台で販売されているコトが解った。仙台のチキン弁当は伊達政宗公を意識してか、額に巨大な三日月と、右目に眼帯をしているとのコト。味付けも少々違っているらしいので、今度仙台に行く時には、必ず食べてみようと思う。