うちなんちゅうDRINKS

　とある用件でユカイさんに連絡を取ったトコロ、先日ユカイさんが友人から貰った沖縄の
ジュースをくれる！と言う、ありがたくも勿体ない話があった。コチラからの質問に答えてく
れて、尚かつジュースまでくれるというユカイさんの姿に、一瞬ではあるが天使の姿がオー
バーラップしたのを見逃してはいない。

　それらのジュースのコトはユカイさんの日記に書かれており、写真を見たダケでB食心と
言うか、もう少し正確に言うと、聞いちゃうと怖くなって夜トイレに行けなくなるのに耳をそば
だてずにいられない、17川淳二の怪談に接する時の心境が甦り、ジッとしていられない。

　暗号の様なキーワードを手掛かりに、指定の時刻に指定の場所に何とか辿り着くと、荷
物を抱えたユカイさん発見。聞くトコロによると、自分では消化できない程大量のジュースを
貰ってしまい、どうしたら良いかその対応に困っていたらしく、前日に女王様にもジュースを
渡していたらしい。

　珍しい飲み物を無料で貰える喜びに溢れたB食クラバーと、必要の無いモノを処分でき、
少量でも重荷から解き放たれたユカイさんには、若干の温度差が感じられなくもないが、ベ
クトルは少々ずれているモノの、お互いに嬉しいコトには変わりがない。最高の笑顔を見せ
てB食クラバーは、その場を去った。

　本来であればその場でスグに飲みたいトコロであるが、その強烈なラインナップに若干ビ
ビらなくもなかったB食クラバーは、後で体調を整えてからゆっくり飲もうと決めた。

　頂いたジュースは以下の通り。

　　ルートビアー◆黄金ごま入りヘルシードリンク◆紅いも◆黒糖玄米◆ミキ◆ウコン入

ルートビアー　原産国：アメリカ	飲んだ日	2004/09/18

さて後日、別な用事で女王様に会ったのだが、話題は突然、ユカイさん から貰ったジュースのコトになった。女王様は以前、ユカイさんとは関係の 無いトコロから、今回ユカイさんから貰った『ルートビアー』を入手して飲んだ コトがあると言う。 　一体どんな味だったか聞くB食クラバーに、一瞬ウンザリした表情を見せ

た女王様であるが、スグに嬉々とした表情を浮かべ、ソノ詳細を話し始めた。おそらくその 味を思い出して気分が悪くなったのであろうが、その後の嬉しさは一体何なんだと、B食ク ラバーの不安を更に加速させる。 　まず、ルートビアーはビールじゃない！と言う衝撃の事実がもたらされた。名前もそうだし そう言う絵も描かれているし、完全にビールだと思っていたB食クラバーは、コノ世の何を信 じたら良いのか解らない心境に陥った。ルートビアーをくれたユカイさんも、コレをビールだ と思ってB食クラバーにくれた位である。 　続けて女王様は、あの匂いから、あの味は想像できない。他のドリンクは飲んだコトは無 いケド、間違いなくルートビアーが1番不味いハズである！と力説した。不味いモノを次々 に飲んで行くよりも、最初に1番不味いモノを飲んでから次のを飲んでいくと苦しみも幾分 緩和されるだろうから、ルートビアーから飲み始めるのが良いであろう！とアドバイスをくれ た。一体どんな匂いがしてどんな味がすると言うのか。気になりながらも、ルートビアーの 缶を空けてみた。

缶を直接飲むのでは楽しみが半減するので、グラスに注いで飲むのはお 約束。缶を開けてまず香りを嗅ぐと、どこからともなく湿布の匂いがする。 　筋肉痛でも無いしおかしいな？と思ったが、よくよく注意すると、湿布の 匂いはグラスの中から漂ってくる。何と！湿布の香りの発生源は、ルートビ アーだったのだ！恐るべし、ルートビアー。
口に含んでみる。すると、口の中に広がる爽やかなミント風味。コレはモチロン想像でし かないが、湿布を30分間浸した水を炭酸で割ると、ルートビアーに似た味が再現できるの では無いだろうか。湿布の匂いと味がするってコトは、筋肉痛の部分にルートビアーを塗る と、症状が緩和されるのかもしれない。ヒョットしたら胃が筋肉痛の時に飲むと効果がある のかもしれないが、それは一体どんな時なのか、頭を抱えざるを得ない。 　炭酸飲料のため、その後何度かゲップが出るのだが、その度に辺りにはメントールの香 りが広がる。ココが例えば新幹線とかの中だと、湿布の香りが辺り一面に充満し、周りに いる人達は、一体誰だよ、こんなに湿布の匂いさせやがって！と心の中で舌打ちしまくる に違いない。

黄金ごま入りヘルシードリンク	マルマサファミリー商事	飲んだ日	2004/09/18

	なるべくそうしない様にしていたのだが、僅かな隙を突いて黄金ごま入りヘ ルシードリンクと目が合ってしまった様な気がしたため、続いてコレを飲んで みるコトにした。 　黄金ごまとは一体どういうモノなのか気になってしかたない。黄金色に輝く ごまなのか。それとも黄金の様に貴重なごまなのか。まさか黄金を肥料にし
ているとか、黄金の実がなるとかそんなコトはあるまいが、ヘルシーと銘打ってあるのだか ら、体に良いってコトは確かなのだろう。 　しかし、コレまでの経験則から、食べ物は美味しければ美味しい程体に悪いって知って るし、反対に、体に良いって言われてるモノ程不味いのは心得ている。この黄金ごま入り ヘルシードリンクも、期待通りのモノに違いない。

早速グラスに注ぐ。今回は、鼻にツンと来るメントールの香りはしない。その 替わりと言うか、缶からグラスに注がれている液体は、妙にねっとりとしてい る。見た目ネクターの3倍位はありそうだ。 　原材料は、白米・砂糖・胡麻・もち米・麦の他に乳酸もあると言うから驚きで ある。ヒョットして泡盛を作る時に出来たぬかを利用しているのだろうか。
白濁した液体の中にごまが浮かんでいるが、コレがまた不安さを助長する。気合いを入 れて一口飲んでみる。体の中にトロ〜リと広がる嫌悪感。米を使っているダケあって、その 味はジュースと言うよりもお粥に近い。だがお粥がコンナに不味いハズは無い。もっと何か 近い味があったよな…、と考えたB食クラバーの頭に浮かんだのは、数週間前に健康診断 のために飲んだバリウムである。あれの少し薄い感じ。 　自ら進んでなど飲みたくない。健康を測定するために必要だから仕方なく飲むべきものを 自分の意志で飲む羽目に陥ろうとは。なんとか頑張って半分飲んだトコロでグラスを置いた。

マルマサファミリー商事

	2種類の沖縄のドリンクを口にしたにも関わらず、多分神様の粋な計らい によってか、辛くも九死に一生を得ていたB食クラバーであるが、そのアマ リに強烈な個性にノックダウン。 　コリャもう永遠に封印して良いですか、ユカイさん？と、ユカイさんの心に 呼びかけてみたが返事は無い。B食クラバーは幼少のみぎりから、沈黙は
肯定であると教育を受けて来たので、この場合タメライは無かった。コレでようやく重荷から 解放される、新しい人生を手に入れられる。ビバ☆マイライフ！と喜んでいたB食クラバーの 元に、女王様から連絡が入った。『紅いもドリンクが飲める。』と言うのである。 　…まさか。あのレパートリーの中に、飲めるモノがあるなんて！コレは高度な引っかけな んじゃ無いだろうか、今頃女王様とユカイさんの2人してB食クラバーを後ろ指さして笑って るんじゃないだろうかと言う心配もあったが、例えウソでもそんな話を聞くと、試さずにはい られない。早速グラスに注いでみた。

やはり黄金ごまを彷彿させる高密度にドロドロな液体。コレがホントに美 味いのだろうか。紅いもと書いて『むらさきいも』と読む場合もあって、この液 体も紫色なのだが、それは視覚的にもB食クラバーを深く、そして更に奥深 くへと混乱させるに充分であった。 　暗く、密閉された缶から解き放たれた紅いもドリンクは、あたかも挑戦して
いるかの様にコチラを威嚇しているみたいに感じられる。ココまで来て飲まなければ、紅い もドリンクとの勝負に負けたコトになるのではないか。今迄あらゆる苦難から逃げてバッカリ だったB食クラバーの人生であるが、ココは1つ、そんな人生におさらばする最後のチャンス かもしれない！と思い立ち、1口飲んでみた。すると！ 　美味い。って言うか飲める。ちょっと薄目のぜんざいの様だ。口に入れた液体が、ゆっくり ゆっくりと喉を通過するのに変わりはないが、コレはコレでアリか。女王様の仰ったコトは本 当だったのだ！疑ってスイマセンでした！と思うB食クラバーに、しかし新たなチャレンジが 待ちかまえていた。

飲む玄米　黒糖玄米

マルマサファミリー商事

飲んだ日

04/09/20

	紅いもと同時に黒糖玄米も飲んだ様子の女王様は、黒糖玄米を美味い！ とも仰った。ホントかよ！と言う猜疑心の固まりと化していたB食クラバーは 半信半疑と言うか、より正確に言うと、1%信99%疑のまま缶を手にしてみた。 　大きく書かれた『黒糖玄米』と言う文字の下に、『Black Sugar 玄米』と書 かれているのが気になる。黒糖がBlack Sugarなら、玄米も英語にならない
のは何故なのか。この中途半端な言語の混ざり具合には、ミスターの影響力の大きさが 見え隠れしないでもない。『ん〜、私のアミーゴがですね、大好きなんですよ。…あっ！カー ルーーー！』と、文科省の教育方針もTV局の都合も考えず、自分のペースだけで突き進む 天才肌。そんな閃きを、味にも感じるコトが出来るだろうか。

原材料名を見てみると、玄米・黒糖の他にしょうがと書いている。…！？ 玄米に黒糖を入れてみようと言うのは、沖縄の名産でもあるコトだし、そう 言う考えもあるだろうが、この組み合わせにしょうがを入れてみようって言う センスが解らない。 　一体全体コレを作った人の目的は何なのか、そんなコトまで疑わしく感じ

てしまう。ふと横を見ると、『使用上の注意』って項目が目に入り思考もショート寸前！使用 上の注意って何だ、使用上って。コレは薬なのか一体。しかも注意しなきゃいけない飲み 物なのかよっ！と、自分の寿命を示すローソクが、急激にスゴイ勢いで燃焼していくのを感 じる。 　『開缶後はすぐにお飲み下さい。』って言うソノ内容も気になる。スグって言うのはどれぐら いの時間を示しているのだろうか。コレがフツーのジュースなら、言われるまでもなく一気に 飲んだりも出来るのだが、このシリーズでそれはツライ。常に綱渡り。今回ユカイさんから 貰ったドリンク達を飲むのに、コレ以上相応しい言葉もあるまい。 　口に含んでみると、徐々に広がるしょうがの味。女王様はこの味をしょうが湯みたいだと 仰ったが、まさにその通りである。しかし相変わらず、何故しょうがと黒糖の組み合わせな のか気になって仕方ない。コーヒー牛乳の様な見かけとコノ味は、筆舌しがたい程にミスマ ッチ。 　最初からしょうが湯だと割り切って飲む分には良いかもしれないし、玄米と黒糖のお陰で 風邪をひいた時に飲むと、カナリのスピードで回復するかもしれない。口に合わなくて余計 に具合が悪くなる可能性も否定できないが。

　飲む極上ライス　ミキ

マルマサファミリー商事

飲んだ日

04/10/02

	4本目のオキナワンドリンクを飲んでから5本目を飲むまで、2週間近くの時 間が流れているが、コレは取りも直さず、自分の健康面に気を使ってのコト なのは言うまでもない。 　出来るコトならコノママ全てを無かったコトにして、何もかもを始めからやり 直してみたかったが、冷蔵庫を開ける度に独特の存在感を放つ缶を無視す
るのは容易いコトでは無い。もし飲まなければ、コノ気持ち悪さと一生付き合わなければな らないのかとの考えが脳裏を過ぎる。永遠に続く拷問と、飲めばその瞬間で終わる苦痛の ドチラを取るか、答えは明白である。意を決して5本目のオキナワンドリンクの缶を開けた。

グラスに注ぐ。もはや耳慣れた感のある、粘着質な液体の流れる音が聞 こえる。同時に、何度もB食クラバーの喉を通過した、あの気持ち悪さがフラ ッシュバックしてくる。とココで、粘着質の液体が、薄い小豆色をしているコ トに気付き驚く。更に液体中に浮いているツブツブが気持ち悪さを助長する。 　慌てて原材料を見てみると、白米、砂糖、もち米、麦、乳酸となっている。

コノ小豆色は麦のモノなのか。そして液体の中に浮いているツブツブは麦なのかと、自分 の考えが及ばないモノは全て麦のせいにせずにはいられないし、麦だと思わなければ飲 むコトも難しい。 　黄金ごま入りヘルシードリンクを飲んだ時の気持ち悪さが、ツマリ最悪の味が勝手に口 の中に甦ってるくる中、口に含むと言う自虐的な行動を敢行。何故コンナ思いをしてまで飲 むのか、今迄隠れていたマゾ性が目覚めた様な気がしないでもない。しかし次の瞬間、自 分の中の意外な変化が表面化した。 　美味い。いや、間違っても一気飲みなど出来ないが、確かに、間違いなく美味い！と言い きれる自分がソコにいた。新しい自分の出現に戸惑いを隠せないB食クラバー。沖縄のドリ ンクを4本飲んだせいで味覚が変化してしまったのではないだろうか。コレからは今迄美味 しいと思っていたモノを不味いと感じてしまったりしないだろうか。そうだとしたら、コレから は自分が満足できる味にはナカナカめぐり会えないかもしれない。将来的にも改善されな ければ、コノ責任はユカイさんにとって貰わなければなるまい。 　トコロでこのドリンクの名前だが、何故ミキって言う可愛らしい名前が付いているのだろう かと気になってならない。

	おごる平家は久しからず。石の上にも三年。暑さ寒さも彼岸まで。煌びや かな輝きを放ち、コレは永遠に続くのか！と思わされるモノにも、確実に終 わりはやって来て、だからコソ全てのモノは美しい。 　まだ夏の暑さの名残を残す時期にユカイさんから貰った6本の沖縄のドリ ンク達。コレを全て飲み干すのに1ヶ月に違い時間が流れ、気が付くと秋の
深まりを身を以て実感する程に、季節は移り変わって行ったが、コレは6本の沖縄ドリンクを 飲むのに、最低限必要な日数だったのは言うまでもない。コレ以上短い時間で体に吸収し ては、生命の危機に陥りかねない。

そして遂にat last！6本目の沖縄ドリンクを飲むコトを決心した。コレを飲 まなければ、ココから1歩も踏み出せないであろう。最初に見た時から、コレ は最後に飲もう！と心に決めていたドリンクは、缶の側面に大きく『ウコン』 と書かれていた。 　ウコン…。46らけん好きな小学生ならば、間違いなく”コ”と”ン”を入れ替
えて、ソノ名前を最低1時間は連呼して暴れ回るだろうコトが容易に想像できる商品名の飲 み物は、体に吸収するのを躊躇うのに充分であった。只でさえ飲むのを躊躇する飲み物達 の中でも、更に一番最後に飲みたいと言うか、出来るなら最後迄飲みたくないと思わせる 飲み物など、そうそうあるモノではない。

	意を決して缶を開けグラスに注ぐ。すると、目に眩しい鮮やかなオレンジ 色が飛び込んで来た。一瞬、コレはオレンジジュースなのか、ヒョットして爽 やかな柑橘系のドリンクなのかと、まるで天空から地獄へと垂らされた細い 蜘蛛の糸の様な救いの存在を感じたが、それはオレンジ色の液体の中に 浮かぶツブツブを確認するに及んで消えていった。
本物のオレンジジュースにツブツブは入っていない。入っていたとしてもソレは果肉である が、コレに入っているのはそんな上等なモノではない。そして何より、グラスの横に置いて いる缶のラベルで光っている『ウコン』と言う文字が、その違いを明らかに物語っている。 　美味い。ヤバイくらい美味い。沖縄ドリンクを口にして以来、確実に味覚に変化が訪れて しまった気配である。極薄のお粥の様な味で、ねっとりとした喉ごしも全て一緒だと解って いるのだが美味いと感じてしまう。いつかコノ味を気軽に口にするために沖縄に移住した い！って思いやしないかと不安である。

　今回ユカイさんから頂いた缶ドリンクを総じて言うならば、飲み物と言うよりも食料。原材
料と言うか主成分に米を使っているからそう感じるのは間違いない。缶に入っている液体の
一般的な利用法と言えば、例えば暑い夏に喉の渇きを潤すためって感じがするが、ココに
はそう言ったドリンクは、ルートビアーしかない。ルートビアーだけがアメリカ原産なのがソノ理由か。