店 名

はこだて屋

 

 

 

住 所

秋田市四ツ小屋字与左エ門川原406

食べた日

2004/09/04

TEL.

018-839-0909

 

営業時間

前 説


 国道から秋田空港へ曲がる道路の角に、一軒の食べ放題店があった。あまりハッキリと
は覚えていないのだが、その店は秋田市に於ける食べ放題店第一号だったのではないか
と言う気がしている。

 一度出掛けたコトがあって、その味と言うか内容が、当時東京方面で主流になりつつあっ
た食べ放題店と似ていたよなぁと言う印象を抱いたコトだけ覚えている。その後B食クラバー
は1度も出掛けるコトは無かった。遠目に見ると店は繁盛している様だし、タマにだが、こな
いだアソコの食べ放題店行ったよ!と言う話は聞いていたので、コレからもずっと同じ場所
で営業を続けて行くんだろうなぁと、地上から夜空を眺める位の気持ちで思っていた。

 トコロが、その食べ放題店は営業を辞めたらしい!と言う噂が聞こえてきた。だからと言っ
て夜空の向こうの出来事なので、確認しに行ってみよう!なんて気分もサラサラ無かった。
その近所にある同系列の店も畳んでいたので、一体何があったのだろうと少々不思議に思
っていたが、何しろ遙かに広がる夜空でのコトだし、特に何をすると言うワケでも無かった。

 そんなある日、かまみ特派員から、コノ間はこだて屋って回転寿司に行って来たケド、良
かったよ!と言う報告を貰った。聞き慣れない名前のコノ店は、恐らく新しく開店したバカリ
に違いない。B食クラバーの頭の中では、ははぁ〜ん、きっとこないだ開店したアソコの店の
コト言ってんだな!って思い、そう伝えると、『シャレにならんわ。あんさん、全然違う店のコト
言うとりまっせ〜っ!』と、実際には標準語だったのだが、B食クラバーの頭の中では、コノ
様な(エセ)関西弁で、激しく捲し立てられたぐらいのインパクトがあった。

 その後、女王様から頂いたお話なんかも総合すると、元食べ放題屋跡地に出来た店のコ
トを言ってるらしい。そう言われてみると、何か新しい店を作ってる様な気配もあったし、それ
が寿司屋だった様な気もしてくる。コレってカナリ誘導尋問に引っ掛かりやすいよなと、自分
で自分のコトを分析。なんだったら、自分がやっていない犯罪についてまで、言われるがま
まに、『ハイ。ワタクシガヤリマシタ。』等と軽く拳を握りしめ、涙を一滴二滴ほどコボして自供
してしまいそうなイメージまで安っぽい寸劇の様に展開。

 自分と同じ様な小心者がKさつに捕まって、潔白であるにもかかわらず自分がやったって
言ってしまった人って、意外と多いんじゃないかと思ったり。そんなワケで、間違いを正すた
めにもはこだて屋には行かなくてはなるまいと思っていた。

Comment


 甚大な被害をもたらした台風15号が秋田を直撃する数日前、クラバーMさんは東京から
来た重要なゲストをもてなすため、はこだて屋に行ってみたと言う。コノ重要なゲスト、東京
から来たと行っても、北から南まで年がら年中旅をするのが仕事みたいな人で、全国各地
の美味いモノを、非常に食べ慣れているらしい。

 B食クラバーは顔を見たコトがある程度で話をしたコトは無いが、是非B食倶楽部名誉会員
になって貰いたい!と思っている。しかし話を伝え聞くと、モノを食べながらイチイチ講釈をた
れる人の様で、その辺がちょっと如何なモノかと、B食クラバーの中ではブレーキがかかって
いる。話自体は面白いらしいのだが。

 とにかく、その重要で食通のゲストが、『なんで秋田に来たのに函館のモノ食べなきゃい
けないんだよっ!』とブツクサ文句を言いながらも入店すると、『美味い、美味い』を連発しな
がら何十皿も食べたと言うから、ヤハリはこだて屋は見逃すべきでは無い。かまみ特派員
から話を聞いて1ヶ月後、ようやくはこだて屋を訪れる機会に恵まれた。

 もう少し遅い時間に設定しようかとも思ったのだが、店に着いたのは17:00を少し過ぎた時
間。当然の様に駐車場に停めてある車も少なく、店内の人影もまばらである。チョット違和
感を覚えたのは人が少ないせいかと思ったが、よく見ると、店内を寿司が回転していないコ
トが判明。コレは一体どう言うコトか。回転していない回転寿司なんて聞いたコトもない。導
かれるままに、カウンターに座ると、目の前には1人の板さんが立っていた。

 『今の時間ですね、お客さんが少ないんでお寿司回ってませんケドも、注文してくれれば
何でも握りますので言って下さい。』と、開口一番の板さん。お客さんがいないのに寿司を
並べて回転させるのは、鮮度の面からも非効率的だと言うコトらしい。コレは期待が持てる
かもしれない。秋田では聞き慣れないイントネーションで話す板さんは、マスターだがなん
だか、とにかくリーダーっぽい称号で呼ばれていた。ヒョットしたらホントに函館の人かも!
と思い、期待を更に上乗せ。控えめにエンガワから頼んでみた。

 自分が食べたい寿司を、イチイチ板さんに頼んで作って貰う食べ方ってのは、回転しない
寿司屋では当たり前のコトであるが、回転寿司では珍しい。しかも回転寿司だけに、値段を
気にせず注文できるのがありがたい。バーチャル寿司屋感覚で、次々に注文してみた。板
さんも調子に乗って魚の話をバンバンし出し、コチラが注文したワケでも無いのに、隠しネタ
の様なモノまで並べる始末。断るワケにもいかず食べてみるが、コレがマタたまらなくGOOD。

 他の安い店を比べると、若干高い様な気もするが、値段分のクオリティはある。特に、最
初っから期待していたウニは、期待通りのモノであった。去年小樽で食べたウニの様なモノ
が食べられるに違いないと思って注文したのだが、正にソノ通りのモノであった。叶うなら、
このウニを贅沢に使ったウニ丼を食べたかったが。

 自分が好きなモノを一通り食べ終わって、ソロソロ〆にしようかと思っていたトコロ、板さん
がコレも珍しいネタだよ!と言って、生のエンガワを握ってくれた。確かに、一番最初に食べ
たエンガワとは見た目にも全然違う。食べてみるとコリコリとした軟骨の感触があって良い
感じ。

 最後はもう一度ウニで〆ようと思っていたのだが、ココに来て方向転換。板さんに向かっ
て、『さっきの生エンガワもう1回下さい!』と、瞳をキラキラさせながら言うと、何故か躊躇す
る板さん。少々慌てながら辺りを見回しタッパーなどを広げ、判別不能の言葉を喋り出す。
しばらくしてから何かを握り始め、『コレも、さっきのとはチョット違うケド、美味しいから食べ
てみてよ。』と言い出した。

 …いや、あのぉ、無いなら無いって言えば良いじゃないですか。それならコッチだって別の
モノを注文しますよ!と思ったのだが、板さんの焦る表情を見ていると、何も言えずにいた。
出されたモノを見てみたが、さっき食べた生エンガワとは見た目にも全然違う。食べてみる
とコリコリとした軟骨の感触が無く、?って感じ。

 コレもコレで良い感じではあったのだが、アマリにキラキラした瞳で見つめられて、板さん
も引くに引けなくなったのだろうか。お互いに求めすぎても良くないと言うコトであろうか。

 トコロでコノお店、軍艦巻き用に、上部を押すと一滴醤油が落ちる醤油差しが置かれてい
る。今迄は軍艦に醤油を付けるのに結構苦労していたのだが、コレは使い勝手が良い。コ
ノ店の特許なのだろうか、それとも全国的にスタンダードなのだろうか。チョット考えればス
グに思いつきそうなコノ仕掛けに今迄気づけなかった自分が悲しい。

 

ウニ \420  エンガワ・甘エビ \190  中トロ・イクラ・ホタテ \230  大トロ \525